ヘンリー王子夫妻、カリフォルニアの超高級住宅地で落ち着いた新生活を送る
祖母であるエリザベス二世の葬儀に出席したときイギリスや世界のメディアはヘンリー王子とメーガン妃に注目したが、二人はどちらかといえば大人しくしており、家族と会った後はそそくさと自宅へと帰っていった。二人のお気に入りの場所、カリフォルニアのモンテチトだ。
写真:アップルTVで配信中の『あなたに見えない、私のこと』から
二人はカリフォルニアでナイトライフも満喫している模様。たとえば、2022年の秋にはモンテチト近郊のサンタバーバラで歌手のジャック・ジョンソンのライブを観ていたと「TMZ」が報じている。ほかの参加者によると、二人はリラックスした様子で腕を組んだり、一緒に踊ったりしていたらしい。
サセックス公夫妻が二人の子ども(アーチ―とリリベット)と二匹の犬(ガイとプーラ)を連れて光あふれるカリフォルニアに引っ越したのは2020年のこと。イギリスに戻る予定はいまもないらしい。
前女王のひ孫にあたるアーチ―とリリベットだが、二人はイギリスとアメリカの二重国籍になると言われている。関係者が「Us Weekly」誌に語った。だが、二人はすでにカリフォルニアにすっかりなじんでおり、もはや故郷もカリフォルニアといえるほどだという。
写真:モンテチト・ヴィレッジ・スクール
2020年7月、ヘンリー王子とメーガン妃はそれまでカリフォルニアに借りていた家(大家はタイラー・ペリーだった)から引っ越し、モンテチトに居を構えた。
AFPによると、モンテチトはロサンゼルスから「海岸を160キロほど行ったところにある、小規模な高級住宅地」だという。家族の広報によると、一家は「地元の、静かでプライバシーの守られた環境のなかで暮らしている」という。
ヘンリー王子とメーガン妃がモンテチトに購入したのはリヴン・ロックと呼ばれるお屋敷。寝室が9部屋ありバスルームを16も備えており、価格は1465万ドル(約19億円)と見積もられている。『デイリーメール』紙のオンライン版が伝えた。
『ニューヨーク』誌のウェブサイト「ザ・カット」はこの新居を訪れ、メーガン妃にインタビューした。同サイトによると、その新居は「想像もできないような裕福な暮らしが日常となっている人がいることを思い出させてめまいを引き起こす」ほどだという。
「ザ・カット」では夫婦の居宅はこう描写されている:「家はクラシカルなトスカーナのヴィラ風で、ナパのワイン畑やビバリーヒルズのよく手入れされたカントリークラブのような雰囲気がある。インテリアもセンス良く整えられ、海岸風のカジュアルな雰囲気も備えている。まるでビリオネアがさりげなくカジュアルダウンしたような家だ」
『デイリーメール』紙はこう書いている:「庭には緑が生い茂り、海も見える。この家は『秘密の楽園』と呼ばれたこともある。ある不動産業者はこの家で一時間ほど過ごした後、『ここに住んだら二度と外に出たくなくなるように作られてる』と感想をもらしたという」
写真:イタリアのヴィラ。Giggster.comから
敷地面積は7エーカー(約2万8千平米)もあり、アーチーとリリベットのための子供用の小屋やプール、遊び場や鶏小屋まである。
夫妻が2020年12月に出したクリスマス・メッセージから当地での暮らしがうかがえる。メッセージに載っているイラストはメーガン妃の母親が撮った写真から起こされたもので、庭にあるアーチーの小屋が親子三人(リリベットはまだ生まれていない)と犬二匹(ビーグルのガイとラブラドルレトリバーのプーラ)とともに描かれている。
ガイはメーガン妃がヘンリー王子と出会う前から飼っていた犬だ。保護されていたところをメーガン妃が助け出したのだ。メーガン妃はオプラ・ウィンフリーにこう語っている:「ガイはいつも私といっしょでした。カナダで出会ったんです」そんなガイもいまではプーラとともにモンテチトにいる。写真に写っているのがプーラで、メーガン妃はインスタグラムアカウント「Makers Women」の企画でグロリア・シュタインハイムと話しているところ。写真が撮られたのは2020年の8月で、後ろに写っているきれいなゲストハウスも夫妻の家の庭にあるものだ。
お屋敷には鶏小屋もある。オプラ・ウィンフリーは夫妻とともにそこで「女の子たち」(メーガン妃がこう呼んでいる)に餌をあげたとか。そこにいる鶏は養鶏場から助け出されたのだ。「助けることが好きなんです」とメーガン妃は語っている。そしてヘンリー王子がこう付け加えている:「メーガンはいつも鶏を飼いたがっていました」鶏小屋は「アーチーズ・チック・イン(「ひよこのお宿」の意味だがチキンにかかっている)」と呼ばれているが、アーチーだけでなくメーガン妃にとってもくつろぎの場となっているようだ。
オプラ・ウィンフリーから新生活のどこが一番楽しいかと聞かれてメーガン妃はこう語っている:「ちゃんと生活することができることでしょうか。生活のひとつひとつを丁寧にやるというのはほんとうに基本的なことですが、とても満たされる感じがします。基本に立ち返るということですね」
19億円の家を「ベーシック」と呼ぶ人は多くないだろうが、それはともかく、閑静な丘に立つ家で緑に囲まれ、タブロイド紙のパパラッチから逃れて生活できるのは気が楽ではあるだろう。
豪華な内装や五台分のガレージのことは忘れれば、屋敷自体はどこか田舎風の趣さえある。夫妻が二歳になった息子のアーチーをハグしている様子を写した最近の写真には、緑に包まれた庭やそこに生える古木も写っている。そういったものを背景に、夫妻はざっくりとした芝生のじゅうたんの上にはだしで立っている。
写真:Misan Harriman, Instagram
屋敷の前の所有者が撮った写真が不動産サイト「Giggster.com」に載っており、『デイリーメール』紙はそれを参考に屋敷についてこう述べている:「ファサードと青いシャッターには蔦が生い茂り、周囲には5.4エーカーの広大な敷地が広がる。入口の門には石の門柱が立ち、それを囲む生け垣の手入れは申し分ない」
写真:Giggster.com
モンテチトにあるのはこの家だけではない。サセックス公の一家はお出かけも大好きで、あたりを散歩したりモンテチトのビーチまで足を伸ばすことも。ヘンリー王子はオプラ・ウィンフリーにこう語った:「今年は誰にとってもほんとうに大変な一年でした。ですが、いまではアーチーと一緒に散歩に行くこともできますし、犬を連れて家族で散歩もできます。ハイキングにだって行けます。ビーチまで行くこともできます。すごく近いんですよ」
アーチーはしばしば両親とともに犬を連れてビーチまで散歩に行くのだという。ある関係者は『ピープル』誌にこう語った:「アーチーと犬は親友です。アーチーは犬といるといつも笑っていますし、犬もアーチーといるととても落ち着いています」
写真:「Oprah with Meghan and Harry」, CBS
ヘンリー王子はオプラ・ウィンフリーに、アーチーと過ごす最も楽しい瞬間のことを語っている:「一番楽しいのは、自転車の後ろにアーチーを乗せてサイクリングに出ることです。若い時には決してできなかったことです。後ろにはアーチーがいて、叫び声をあげてずっとしゃべっています。『ヤシの木だ! 家だ!』という調子で」
サンタバーバラ市のなかでもモンテチトは有名人が特別扱いされないことを誇りにしている。市はこう語っている:「有名人がただそこにいるからという理由で騒がれることはありません。有名人も一般人もふつうに買い物したり、食事したり、一緒にお酒を飲んだりしています」また、外から訪ねてきた人も地元民と同じように振る舞うことを勧めている。「日当たりのいいレストランのテラス席に行って新聞を読むんです。そこに知った顔があらわれても大騒ぎしないことです」
市はさらにこうも言っている:「落ち着いた街とはいえ夫妻の転入は大きなことです。それでも住民は冷静に受け止めて距離を保ち、夫妻の新生活が王族にふさわしく、それでいてリラックスできる、西海岸風の平和なものになるようにしています」
市はさらにこう続ける:「セレブの方々がサンタバーバラのことを好きなのは、ここでは有名人も『ふつうの』人と同じように過ごせるからです。地元民やパパラッチに悩まされることもないですし、『有名人のお家訪問ツアー』もないですから」
サセックス公一家がふつうに暮らせている理由の一つは、周囲の住民と比べても特別裕福というわけではないということだ。サンタバーバラ近郊はカリフォルニアのなかでも特に高級住宅地といえる場所で、市も「アメリカのリヴィエラ」を自称しているほど。市によると「モンテチトほど高級感があって、シックな雰囲気をまとっている地域はほかにない」ということだ。
サンタバーバラ市によると、モンテチトには1880年代以来ずっと「世界中の有力者」がリッチでロマンチックな休暇を求めてやってきたという。モンテチトの数あるリゾート地の中でも有名なのがサン・イシドロ・ランチで、そこには「アメリカの王族とも言うべきケネディ夫妻がハネムーンで訪れた」のだという。
モンテチトの家々のデザインは最初にここに住んだ住民たちの出自を反映しており、クラシカルなスペイン風かイタリア風のスタイルが多い。コロニアル・リバイバル様式は1920年代に起こった様式で、都市に住むエリートたちがかつてのスペイン統治時代のカリフォルニアを懐かしんで出来上がった。
『ガーディアン』紙や「Foxニュース」などの英米のメディアによると、サセックス公一家の邸宅に警察が呼ばれる事態が過去9か月のあいだに何度かあったという。いまでは近隣住民が協力して組織的な窃盗に目を光らせているという。たしかに、泥棒にとってはこの地域はまさに食べごろの果物がたわわになっている果樹といったところかもしれない。
モンテチトはリッチな住民が多い地域だ。必ずしもエンタメ業界の人々ばかりというわけではないが、それでもオプラ・ウィンフリーやロブ・ロウ、エレン・デジェネレスなどの家が軒を連ねている。
モンテチトに暮らすスターは他にもグイネス・パルトロウやジェフ・ブリッジス、ジュリア・ルイス=ドレイファス、ブラッド・ピット、アリアナ・グランデなどがいる。しかも最近新たにケイティ・ペリーとオーランド・ブルームもモンテチトに家を買ったと言われている。
ただ、そんなスターたちもヘンリー王子とメーガン妃のご近所でいられる時間はそう長くないかもしれない。モンテチトの屋敷が売りに出ていると言われているのだ。『デイリー・ミラー』紙および『デイリー・メール』紙によると、夫妻は別の地域に引っ越す計画を立てているのだという。
夫妻が新たな物件を探しているのはモンテチトから十数キロ離れたところにあるホープ・ランチのあたりだという。それがほんとうなら、今住んでいるよりもさらに高級な住宅地に移ることになる。ホープ・ランチはビリオネア御用達の住宅地で、サンタバーバラのなかでももっとも地価が高い地域なのだ。
総じて、ヘンリー王子とメーガン妃はイギリスよりもカリフォルニアでのほうが評判がよさそうだ。アメリカにはイギリス王室に反抗してきた歴史があるし、なによりメーガン妃はドラマ『SUITS/スーツ』の出演女優としてよく知られている。イギリス王室と若いセレブカップルなら、アメリカの人々はカップルの肩を持ちたくなるのだろう。