英ヘンリー王子の回想録:批判されてた王室メンバーはだれ?

英王子が回想録を出版
「内輪の恥を晒している」
全員が被害者
家族が「悪魔と寝てしまった」
父との確執
私生活を暴露
パンツ一丁の「曲芸師」
テディベアを手放せないチャールズ三世
親密な話も苦手
メーガン妃にも対抗心
母親の死に際して
笑えないジョーク
子供達の願いを無視
継母カミラ妃も攻撃
「政治ゲーム」
目標のために王子を犠牲に
自分のためにメディアを利用
「スペア」を厄介払い
屈折した願い
カミラが「危険」な理由
全ては自分のため
カミラ妃が情報をリークしたと批判
まったく気を許せない両親
義理の姉、キャサリン公妃
謝罪はプライベートに
私的なメッセージを暴露
些細な愚痴
公妃は比較的マシな扱い
兄ウィリアムをもっとも非難
兄弟での殴り合い
喧嘩のことは秘密に
家族から仲間外れにされるヘンリー王子
兄の頭髪に苦言
個人的な話も暴露
兄弟間の確執はどこから?
妻のせい?
ハリウッドセレブも話題に
ハリウッドからの信頼を損ねた?
ビヨンセ
コートニー・コックス
「傷つけるつもりはない」
英王子が回想録を出版

イギリス王室のヘンリー王子による回想録『スペア』は2023年1月10日に出版された。うわさの「凍傷」に始まり、アフガニスタンでの兵役やフラワーガールのドレスをめぐる確執、そしてヘンリー王子と王室との不和に至るまで赤裸々に語られている。ところで、その中でも最も激しく非難されているのは誰だろうか?

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「内輪の恥を晒している」

ヘンリー王子の筆は一族全員に対して容赦なく、CNNの司会者ドン・レモンなどは「内輪の恥を晒している」と批判するほどで、イギリスの読者も似た感想のようだ。ここでヘンリー王子が書いたことをおさらいして、誰が一番被害を受けているかチェックしてみよう。

全員が被害者

今回の回想録でヘンリー王子は家族間の内輪のいさかいを本にして出版したわけだが、それでも、イギリスの放送局ITVでのトム・ブラッドビィによるインタビューでは「ここまでする必要は無かった」とも言っている。

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家族が「悪魔と寝てしまった」

「私や私の家族について、あまりにも多くのデマが流されてきました。事態はいよいよ悪化していき、ついには、一族のうちからタブロイド紙と通じる人間がまたしてもでてくるほどになったのです。そういう人たちは悪魔と寝てしまったのです」とヘンリー王子は言う。

父との確執

「そういう人たち」のうちの一人は父のチャールズ三世だ。二人の関係が張り詰めたものであるという報道は長年にわたってなされている。ヘンリー王子はオプラ・ウィンフリーによるインタビューで、王室を離脱してカリフォルニアに引っ越すと決めた時、父親が彼を「切って捨てた」と述べている。

私生活を暴露

だが、回想録はチャールズ三世についてもっとプライベートで、おそらく国王としては世間に知られることを望んではいなかったであろうことも明らかにしている。下着姿での逆立ちもそういった事実のうちのひとつだ。

パンツ一丁の「曲芸師」

「この体操は理学療法士に指示されたもので、父さんの首と腰の痛みに聞く唯一効果的な治療法だった。原因は主にむかしポロで負った古傷だ。父さんはその体操を毎日ボクサーパンツ一丁でやっている。ドアに寄りかかったり、ぶら下がり棒を使ったりしている様子は曲芸師も顔負けだ」と王子は書いている。

テディベアを手放せないチャールズ三世

これではまだまだ情報公開が不十分だとでも言いたげに、ヘンリー王子はさらに筆を推し進め、父親が寄宿学校時代から手放せずにいるぼろぼろのテディベアをいまだに持ち歩いているということも書いている。

親密な話も苦手

チャールズ三世の親としての振る舞いも俎上に挙げられている。どうやら現王は子供をほめるのが特に苦手らしい。ヘンリー王子によると、チャールズ三世は「面と向かって親密な話をする」のが不得意で、息子がなにかを成し遂げた時などには手紙を使って称賛を示したという。

メーガン妃にも対抗心

また、チャールズ国王はメーガン妃が存在感を増していくことを望んでおらず、「新参者が王族を支配する」のを恐れていたともいう。

母親の死に際して

ヘンリー王子は母ダイアナ妃の死を父の口から知ったという。その記述からは、その時の父親の態度にヘンリー王子が満足していないことが伝わってくる。チャールズ三世はそのことを伝えたあと、ヘンリー王子をハグすることもなく、ただ膝に手を置いただけだったらしい。

笑えないジョーク

また、チャールズ国王が口にした笑えないジョークの話もあった。王子によると、国王はかつて次のように言ったとされる:「私だってほんとうはウェールズ公じゃないかも知れないぞ。お前のほんとうの父親かどうかも怪しいもんだ。お前の親父はブロードムア精神病院(イギリスで有名な精神病院)にいるかもな!」ヘンリー王子は愛人の子なのではないかという噂が実際にあっただけに、これはとりわけ「笑えない」ジョークだったとされる。

子供達の願いを無視

回想録では父親とカミラ妃との関係についても触れられている。「私たちは父にこう言った。『支えになるし、カミラさんの存在も認める。ただ、頼むから結婚はしないでほしい』と」その結果は周知のとおり、チャールズ国王は息子たちの願いもむなしくカミラとの結婚に踏み切った。「私たちは父の手を強く握って幸せを祈った。恨みに思ったりはしていない」とのことだが。

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継母カミラ妃も攻撃

回想録はカミラ妃についても容赦なく、好意的とは言いがたい筆致だ。ヘンリー王子はカミラ妃のことを「ずっと政治ゲームに興じている」と直接的に批判さえしている。

「政治ゲーム」

「カミラさんと私たちでプライベートな会合を持ってからすぐに、彼女は政治ゲームを始めた。最初の目標は結婚で、父の後ろ盾を笠にあわよくば王冠まで目指している」と王子は書いている。この政治ゲームはヘンリー王子にとっては喜ばしくないものとなった。

目標のために王子を犠牲に

王妃に対するもっとも厳しいコメントも、この「政治ゲーム」の過程で起きた出来事に関するものだ。王子いわく、王妃が自分に同情を集めるために情報をリークしているのだという。王子の継母は「自分のPRという祭壇に私を捧げた」としている。

自分のためにメディアを利用

回想録の記述によると、チャールズ三世とカミラ妃夫婦の広報担当者はヘンリー王子を「バスの前に放り投げる」べきだと考えるに至ったらしい。そうして、二人は同情を集める目的で、ヘンリー王子が2002年にドラッグを使用したという情報をリークしたのだ、というのが王子の主張だ。

「スペア」を厄介払い

また、当時28歳のヘンリー王子がクラレンス・ハウスから出ていったあとすぐに、王子の部屋を自分のクローゼットに改装したことにも王子は傷ついた様子だ。

屈折した願い

「カミラには幸せになってほしいとすら思っている。その方が厄介ごとが減りそうだから」とヘンリー王子は書いている。アメリカのニュースショー、「60ミニッツ」でのインタビューでヘンリー王子は、王妃はメディアとの関係があるために「厄介」であると述べている。

カミラが「危険」な理由

「雑誌の表紙に載ったり、そこでなにか肯定的な見出しや記事が書かれたりすることで、自分の評判がよくなったり君主としてイギリスの大衆に受け入れられたりする確率が上がると本気で考えているのなら、当然そういうことをやるだけでしょう」と王子は述べている。

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全ては自分のため

米ABCの朝番組、グッド・モーニング・アメリカでヘンリー王子は自らの考えをはっきりと繰り返している。「カミラ妃は結婚によって王室という体制に加わった。それからは自分の評判やイメージを、ただ自分のためだけに高めようとしてあらゆることをしてきた」

カミラ妃が情報をリークしたと批判

王子が言うことには、このメディアを巻き込んだゲームの被害者は王子とメーガン妃の二人だけではないという。回想録によると、王子の兄ウィリアム王太子もまた、カミラ妃との私的な会話をリークされたらしい。しかも「その会話はその場にいたもう一人からしか漏れ得ない」のだから、誰が漏らしたかは明らか、とのことだ。

まったく気を許せない両親

2019年、ウィリアム王太子は怒り心頭だったという。というのも「父さんとカミラの息のかかった人たちがウィリアムやケイト、それに子供たちにまつわる話をいくつもでっちあげていたからだ。ウィリアムは一切そういうことを許すつもりはなかった。父さんとカミラには少しでも譲歩するとすぐ付け込まれてしまう」

義理の姉、キャサリン公妃

兄嫁であるキャサリン公妃については全体的に些細なことしか書かれていない。それでも、将来のイギリス王妃の持つ完全無欠なイメージには影を落とすこともある。ヘンリー王子自身の表現を借りれば「将来の王妃のイメージを損なうようなこと」は決して起こり得ないのだという。

謝罪はプライベートに

王子のこのコメントは、あの有名な結婚式での付添人のドレスをめぐるいさかいを意識してのことだ。王子によると、キャサリン公妃はメーガン妃を泣かせてしまったことを認め、花を持って謝罪に来たという。だがすべてはプライベートに行われ、公的な場で自らの非を認めるようなことは一切なかった。

私的なメッセージを暴露

回想録ではキャサリン公妃が送ったメッセージも公開されている。ヘンリー王子とメーガン妃の結婚式の準備中、公妃が娘のシャーロット王女のドレスが気に食わないというメッセージを送ってくる。「大きすぎるし、長すぎて、だぶだぶ」「家で試着したら王女が泣き出した」ヘンリー王子によると、公妃は結婚式の4日前に、ドレスをぜんぶ仕立て直さないといけないと言ってきたという。

些細な愚痴

回想録で書かれた公妃への愚痴は全体的に些末なものだ。名札や席順を勝手に変えたとか、メーガン妃にリップグロスを貸したあとしかめ面をしていたとか、イースターエッグを受け取らなくてむっとしたとか、そんな程度のことだ。コメントもほとんど些細で取るに足らないものなので、公妃は比較的ましな扱いを受けていると言えるだろう。

公妃は比較的マシな扱い

じっさい、ヘンリー王子も公妃のことは「屈託がなく、陽気で、優しい」と述べ、「ケイトを笑わせるのは楽しかった」とも言っている。兄が公妃と結婚することになった時も王子は嬉しく思い、公妃は「いつもこんな姉がいたら、と思っていたタイプの人」だったという。

兄ウィリアムをもっとも非難

王子の筆致や言葉の選び方から明らかなのは、回想録でもっとも激しく攻撃されているのはウィリアム皇太子だということだ。将来の王についてはなんどか思い出が語られているが、ほとんどが悪い内容だ。

兄弟での殴り合い

なかでももっとも厳しいのは、皇太子と殴り合いの喧嘩になったという話だろう。王子によるとウィリアム皇太子はメーガンのことを「扱いづらい」「無礼だ」「いらいらさせられる」と述べ、その後ヘンリー王子につかみかかり床に殴り倒したという。

喧嘩のことは秘密に

回想録ではこう書かれている:「私は犬用のボウルの上に倒れた。背中でボウルが割れ、破片が突き刺さった」ウィリアム皇太子は後に謝罪したが、この事件のことをメーガン妃には言わないように、とも言ったという。

家族から仲間外れにされるヘンリー王子

こういった事件を暴露するのは、前女王が死去した際の兄の振る舞いへの報復という側面もあるのかもしれない。前女王死去に際して、ヘンリー王子は臨終の地となったバルモラル城までどうやって行くつもりか、と兄に聞いたらしい。だが、CBSのアンダーソン・クーパーに対するコメントによると、「質問から数時間後には、ウィンザー城やアスコットのあたりに住んでいる家族がみんな揃って同じ飛行機に乗ってたのです」とのことだ。

兄の頭髪に苦言

ヘンリー王子はウィリアム皇太子について他にも色々と瑣末な文句を言っており、兄の頭髪の様子にすら苦言を呈している。さらに、ウィリアム皇太子は自分の結婚式で、ヘンリー王子は髭を伸ばし放題なのに自分は剃らないといけないことにいらだっていたともいう。

個人的な話も暴露

回想録には他にも、ウィリアム皇太子が自分の結婚式に車を運転してきた時、前の晩に飲んでいた酒の匂いを強く漂わせていたという話も載っている。

兄弟間の確執はどこから?

こういった情報は当然、きわめてプライベートかつデリケートなものだ。ヘンリー王子はどうしてここまで兄に対して厳しい態度をとるようになったのだろうか。

妻のせい?

ヘンリー王子の記述によると、彼はそれぞれの妻の間にある競争意識が兄弟の関係を損ねてしまったと考えているようだ。

ハリウッドセレブも話題に

ヘンリー王子が回想録で赤裸々に語っているのは自分や一族のことだけではない。ハリウッドセレブについてもいろいろなことが書かれていたのだ。回想録や、妻と共に出演したネットフリックスのドキュメンタリーを通じて、王子とメーガン妃はセレブに関する話も伝えている。その中にはセレブたちは知られたくなかったであろう類の話もある。

ハリウッドからの信頼を損ねた?

ヘンリー王子とメーガン妃の暴露話の連発にはポッドキャスト『トゥ・ダイ・フォー・デイリー』のホストで王室コメンテーターのキンゼイ・ショフィールドも苦言を呈していた。ショフィールド曰く、二人は本やドキュメンタリーでハリウッドのエリートたちの秘密を暴露したことでハリウッドからの信頼を損ねているという。

写真:Netflix

ビヨンセ

ポッドキャストでショフィールドが挙げた例がビヨンセのエピソードだ。ドキュメンタリーの中で、メーガン妃はビヨンセから送られたメッセージを一言一句違えず読み上げた。ショフィールドはそれが信じられないといった様子で、次のように語った:「ビヨンセはプライバシーをとても大事にすることで有名なのに、ちゃんと許可は取っているのでしょうか。メーガン妃は本当にそのまま読み上げていたんですよ。何百万という視聴者が見ることになるのに」

コートニー・コックス

ショフィールドはまた、ヘンリー王子が回想録で触れたコートニー・コックスの「『マジックマッシュルーム』入りチョコレート」の話にも言及。ハリウッドの人たちは「どちらの肩を持つ」か選ばされたくはないだろう、と警告している。

「傷つけるつもりはない」

このように、ヘンリー王子はほとんど個人攻撃のような記述が並ぶ回想録を出版したわけだが、それでもITVの番組でトム・ブラッドベリにはこのように言ってもいる:「父のことも、兄のことも愛しています。家族を愛しているんです……この本の出版も、私がやってきた他の行動も、決して彼らを傷つけたりするためのものではありません」

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