ハーバード大学の研究から知る、幸せをつくりだす日々の習慣
幸せになること、それはひょっとすると、すべての人に共通する究極の願望かもしれない。あるいはそれゆえに、人はともすると難しく考え、幸せのありかを手の届かないところに、コントロールできないところに求めてしまう。
もし大金持ちだったら、就きたい職業に就けていたら、あるいは理想のパートナーに恵まれていたら、きっと今ごろ幸せなのにと人はよく考える。ところが心理学によれば、幸福こそが成功に燃料を与えるのであって、その逆ではないという。
小さな幸福を意識的に数え上げる人は、そうしない人に比べて幸せを感じやすく、気持ちが落ち込むことが少ない。このことはハーバード大学の研究や、過去の多くの研究で明らかになっている。
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日々の生活のささいなことにぶつぶつ不平を漏らすのはたやすい。だが、見方を変えて、ささいな物事にも感謝するようにしよう。たとえば、朝の一杯のコーヒーや、日没の光、肌をここちよく刺激する熱いシャワー。そうすると考え方が変わってくる。
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他人の身になってみて、物の見方が人それぞれに違うことを理解すれば、お互いに衝突することは少なくなる。すると幸福度が上がる。このことも研究によって示された。
メイヨー・クリニック(ミネソタ州に本部を置く総合病院)によれば、心に恨みを抱えることは、健康に悪い影響を与える可能性があるという。だからこそ、ゆるすことが私たちを幸せに近づけると言える。
ここで言う「ゆるす」とは、かつて自分を傷つけた誰かの行為を正当化することではない。そうではなくて、その傷を手放すということである。幸いにも、ハーバード大学の研究によれば、私たちは年をとるにつれて過去の傷や失敗を手放すことがうまくなってくるという。
また、親密な人間関係と幸せには強い関連があるという。つまり、恋人や友人、家族のメンバーとの人間関係はきわめて重要だ。
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とはいっても、害を及ぼす人間関係もあり、それらは気分を高めるというより台無しにする。したがって、ポジティヴな関係性だけに注力し、ネガティヴな影響をもたらす人々からは遠ざかるのがよいだろう。
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ボランティア活動は人に目的意識を与え、ひいては幸福感をもたらす。ボランティア活動はさらに、人間関係を広げ、趣味の合う人と出会うチャンスを与えてくれる。
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何かのクラスを受講したり、本を読んだり、新しいスキルを身につけることはプラスに働く。神経科学の知見によると、学習するとき、人の脳は物理的に変化する。一方、退屈することは健康にとって悪い影響をもたらしうるという。
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運動をすると脳内でエンドルフィンが分泌される。これは気分を高揚させる。多くの研究によれば、運動は身体にいいだけでなく、メンタルヘルスにも好ましい影響を与える。
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健康的な食事をとることもポジティヴな効果をもたらす。食事は肉体の健康のみならず、精神の健康にとっても重要な習慣なのだ。
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さまざまな研究によると、睡眠の不足は気分のムラや、不安や抑うつに通じるという。アメリカ疾病予防管理センターによると、成人は1日7時間から9時間の睡眠が必要である。
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瞑想はストレスをやわらげ、セルフ・アウェアネス(自己認識)を促進し、精神的安定をもたらすことがいくつかの研究によって示されている。
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本格的な瞑想はちょっと敷居が高いという方は、「マインドフルネス」を試してみるといい。これは心を「今」に集中させることであり、現在起こっていることにのみ意識を向けることである。アメリカ心理学会によると、マインドフルネスにはストレスや不安をやわらげる効果がある。
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笑うことでもストレスは緩和される。コメディ番組を見たり、笑わせてくれる人と会ったり、くすりとさせる本を読んだり、これらはすべて、自らの幸せの一助となる。
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米国精神障害者家族連合会によると、ポジティヴな人付き合いをすることや、人生の意義を作り出していくことに並んで、自然が身近にあることもストレスやネガティヴな感情をやわらげる上で大きなポイントになるという。
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また別の研究では、動物たちが人のストレスや不安をやわらげるということが示された。ペットと時間を過ごしたり、動物保護施設でお手伝いをすると、人の心も満たされるのだ。
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さまざまな研究が示すには、到達すべきゴールを設定することは私たちを動機づけ、未来についてより楽観的な見方をもたらすという。それと同様に、ハーバード大学の研究によると、進むべき方向とはっきりとした目標があれば、私たちの目的意識は強くなり、ひいては幸せを感じやすくなる。
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