ネットミームとして世界的に人気をさらった日本の柴犬、「かぼす」が死去
なんとも言えないユニークな表情でオンライン上の人気者となり、10年ほど前からネットミームの代表として世界を席巻してきた柴犬の「かぼす」。それどころか、暗号通貨「ドージコイン(Dogecoin)」のアイコンに採用され、”世界一有名な柴犬”になってしまいました。
画像:Instagram @kabosumama
しかし、犬にとって時間は人間よりもはるかに速く流れます。以前から歳ゆえの持病を抱えていたようで、ブログ「かぼすちゃんとおさんぽ。」によれば、今年5月24日に飼い主に見守られながら息を引き取ったそうです。享年18(推定)、人間でいえばおよそ90歳の大往生です。
画像:Instagram @kabosumama
ところで、ネットミームとして世界中のユーザーたちに笑顔を巻き起こした「かぼす」が、現実世界でどのような暮らしを送っていたのかご存じでしょうか? 今回は”世界一有名な柴犬”の一生を写真で振り返ることにしましょう。
「かぼすちゃんとおさんぽ。」によれば、「かぼす」は柴犬のメスで、もともとブリーダーの廃業にともなって危うく処分されそうになっていた保護犬だったと言います。しかし、運よくボランティア団体に救出され、2008年に里親となった保育士の佐藤敦子さん(千葉県佐倉市在住)のもとにやって来たそうです。
佐藤さんは「かぼす」を引き取った翌年、その日常を綴ったブログを開設。「かぼす」の放つほんわかとした自然体の魅力が全世界に発信されはじめます。当時、佐藤家のペットは「かぼす」だけでした。しかし、数年後には保護猫の「つつじ」と「ぎんなん」が相次いで加わり、一家はますますにぎやかに。「かぼす」は持ち前のおおらかさで種族の異なるきょうだいを受け入れたそうです。
画像:Instagram @kabosumama
そんな「かぼす」に転機が訪れたのは2010年。飼い主の佐藤さんがブログに掲載したあの写真がネット上でじわじわと広まり、数年後には世界的なネットミームになってしまったのです。さらに、2013年に暗号通貨「ドージコイン」が誕生すると、「かぼす」の写真がアイコンとして採用され、知名度はうなぎのぼりに。
一方、「かぼす」本人はネット上での大ブームとは裏腹に、のほほんとした暮らしを満喫していたようです。そして、2018年には新たな弟、猫の「おにぎり」がやってきます。
画像:Instagram @kabosumama
ブログには、佐藤さん一家に可愛がられる「かぼす」が、飼い主と一緒にお出かけしたり、お孫さんとふれあったりしながら、ほのぼのとした日々を送る様子が綴られています。
画像:Instagram @kabosumama
しかし、世界はデジタル空間きってのアイドル犬「かぼす」を放っておきません。2023年には海外のファンが中心となり、「かぼす」の誕生日に合わせて「Doge Day」イベントを開催。会場となった地元千葉県佐倉市の広場には、「かぼす」と3匹のきょうだい(猫)の姿をかたどったモニュメントが設置されました。
「かぼす」はネットミームで有名になったという経緯から、日本よりもむしろ海外での知名度の方が高ったようです。実は、あのイーロン・マスクも大ファンで、「かぼす」の訃報が流れた際にはXに追悼メッセージを投稿しています。
ご家族や地域の人々、そして世界中のネットユーザーに愛され、周囲に笑顔を振りまいてきた柴犬「かぼす」。冥福をお祈りします。