デミ・ムーアがパリのイベントで注目発言:「アメリカを建国したのは清教徒や犯罪者」
激しい選挙戦が繰り広げられたアメリカ大統領選挙がおわり、共和党のドナルド・トランプ元大統領が2期目を務めることが決まった。ハリウッドは民主党支持者が多いとされ、そのひとりである女優デミ・ムーアもこの結果をあまり歓迎していないようだ。
ハリウッドはもともとリベラルな民主党に近く、今回も多くの俳優や映画関係者がハリス副大統領への支持を表明していた。さまざまな動きがあったが、デミ・ムーアが投票当日(11月5日)にパリのシネマテーク・フランセーズで行った発言が注目を集めている。『バラエティ』誌が伝えている。
パリのフランス・シネマテークで開催された自身の回顧上映会に出席したデミ・ムーアは、「今回の大統領選を通じ、アメリカは清教徒や狂信者、そして犯罪者が建国した国だったことがあらためて示されました」と語った。
最新作『The Substance』における体当たり演技が高い評価を受けているデミ・ムーアは、本作のテーマをいまのアメリカ政治と結びつけたほか、アメリカに比してヨーロッパには豊かな感性や独自の考え方があるとした。
「アメリカでは性はタブーであり、人々の間に身体について大きな恐怖あるいは不安感があります。個人的にはそれが理解できず、そうした感覚に陥ったこともありません。もちろん、出演作のいくつかではタブーにも挑んできましたが」と語った。
デミ・ムーアは、「芸術では身体が賛美されるにもかかわらず、映画では身体が恐怖心の元になるなんでナンセンスです」と続ける。
『The Substance』では現代社会、とくにエンターテインメント業界でかねてタブー視されてきた外見や年齢、先入観といったテーマに直接的に、生々しい映像表現を通じて切り込んでいる。
「一定の年齢になったら、自分をさらけ出す勇気が必要です。欠点や不完全さをあえて隠さないことや、20代や30代の人間ではないことをいとわずに示すことに大きな価値があるのです」と女優は付け加えた。
この映画作品についてデミ・ムーアは次のように語った:「女性の力の証です。男性にはこうした脚本は書けなかったにちがいありません。個人的な考えですが、(『The Substance』の)コラリー・ファルジャ監督の映像が驚きに値するものだとしたら、これまで女性には自己表現のために必要な時間が与えられてなかったからでしょう」とコメント。
また『The Substance』でつとめた、50歳を迎えて落ち目になっていく女優の役と自分自身との共通点についても認めている。「自分の外見やそのイメージ、理想的な女性であれという期待、まわりにどう見られ、どう思われているか、どうふるまうべきか...... これまでずっとこうしたことに囚われていました。この映画は、そうしたことが私という存在にもたらした影響を確認していくような、きわめて個人的な思索のプロセスともなりました」と語った。
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Foto: Working Title Films