デザイナーのロベルト・カヴァリが83歳で逝去:6億ドル(約900億円)の遺産は誰の手に?
イタリア出身のファッションデザイナー、ロベルト・カヴァリが生まれ故郷のフィレンツェで亡くなったと遺族がSNSを通じて明らかにした。83歳だった。
地元メディアによれば、近年のカヴァリは病と闘っていたという。闘病生活を支えていたのはパートナーでスウェーデン出身の元モデル、サンドラ・ニルソン。二人の間には昨年、カヴァリにとって第6子となる子供が生まれたばかりだった。
写真: nstagram - @roberto_cavalli
カヴァリはレザーのプリント加工で特許を取得してモード界に新境地を開いたほか、アニマルプリントや鮮やかな色づかいを特徴とする前衛的なスタイルで知られる。伝統的なメゾンとは一線を画すグラマラスな世界観は、熱狂的なファンを生み出した。
ロベルト・カヴァリは4歳のときに、第二次大戦で父親を失っている。苦難に満ちた少年時代を経てフィレンツェの芸術学校で学び、卒業後はファッション界で頭角を現していった。
豪華絢爛なスタイルで知られるカヴァリだが、不思議なことに、それが人気を博すであったろう80年代から90年代前半にかけてはファッション界から姿を消している。そして、1994年のミラノコレクションで華やかに復帰を果たした。
1994年の復帰以来、そのきわめて大胆かつ独創的なデザインはビヨンセやスパイス・ガールズ、ジェニファー・ロペスといった世界のトップセレブたちを虜にしている。
もちろん、生前のロベルト・カヴァリは莫大な資産を保有していた。これから行われる遺産相続では、いったい誰がそれを受け取ることになるのだろう?
まず、2010年から交際していたパートナーのサンドラ・ニルソン、そして二人の間に生まれた1歳になる息子ジョルジオが相続人になるだろう。もちろん、カヴァリの莫大な遺産はほかの遺族の手にもわたることになる。
カヴァリは2回結婚しており、最初の妻シルヴァネッラ・ジャンノーニとの間にトンマーゾとクリスティーナという2人の子供を得ている。その後エヴァ・マリア・ドゥリンガーと再婚してロベルト、ラケーレ、ダニエレをもうけた。『フォーブス』誌が6億ドル(約900億円)と見積もるカヴァリの遺産は、こうした遺族の間で分けられることになる。
カヴァリの保有資産リストにはイタリアのプライベートアイランドも含まれている。自然を愛していた故デザイナーが2015年に、恋人サンドラのために200万ドル(4.5億円)で購入したものだ。
プライベートアイランドに加え、カヴァリの生地フィレンツェには広壮な邸宅があり、地中海に面した港には、アニマルプリントが随所にあしらわれた全長27メートルの大型クルーザーが停泊している。
天才的なセンスと先見の明を持ち合わせていたロベルト・カヴァリ、その豪華でセンシュアルなスタイルは永遠に人々に語り継がれることだろう。