タイムパフォーマンス抜群:わずか数分の出演でアカデミー賞を手にした俳優たち
栄えあるオスカー像を手にするには、どれくらいの時間スクリーンに映し出される必要があるのだろう? 実は、驚くほど短い出演時間でオスカーに輝いた例もあるのだが……
僅かな時間しか出演していないにもかかわらず、名誉あるアカデミー賞を獲得した役者たちを振り返ってみよう。
トム・フーパーが監督したミュージカル映画『レ・ミゼラブル』でアン・ハサウェイはファンティーヌを熱演。出演時間は15分ほどだったが助演女優賞を受賞した。
『リンカーン』のサリー・フィールドやヘレン・ハント、ジャッキー・ウィーヴァー、エイミー・アダムスなど実力派がそろう中での受賞はハサウェイの才能を世に見せつけた。
ストレイトはシドニー・ルメット監督の名作『ネットワーク』でアカデミー助演女優賞を受賞したが、出演時間は5分40秒ほどだった。
同じ年にはジェーン・アレクサンダーやリー・グラントの他に、『タクシー・ドライバー』のジョディ・フォスターもノミネートされていたが、受賞したのはストレイトだった。
『恋におちたシェイクスピア』でジュディ・デンチはイギリスのエリザベス一世を演じた。画面に出ていたのは8分ほどだったが、アカデミー助演女優賞を獲得した。
キャシー・ベイツやリン・レッドグレイヴ、ブレンダ・ブレッシン、レイチェル・グリフィスなどの候補を下しての受賞だった。
助演女優として活躍していたグロリア・グレアム。『悪人と美女』での出番は9分32秒だけだったが、オスカーの栄光を手にした。
他には『雨に歌えば』のジーン・ヘイゲンを筆頭に、テリー・ムーアやコレット・マルシャン、セルマ・リッターなどのライバルがノミネートされていた。
ピーター・ボグダノヴィッチ監督の『ラスト・ショー』でベン・ジョンソンがサムを演じた時間は10分ほどだったが、助演男優賞に輝いた。
他にノミネートされていたのは『屋根の上のバイオリン弾き』のレオナルド・フレイ、『フレンチ・コネクション』のロイ・シャイダー、リチャード・ジャッケル、さらにはおなじ『ラスト・ショー』からジェフ・ブリッジスもノミネートされていた。写真は本作を撮影中のボグダノヴィッチ監督の姿。
シドニー・ルメット監督の『オリエント急行殺人事件』にグレタ・オルソン役で出演したイングリッド・バーグマン。出演時間は14分18秒だが、他のどの登場人物よりも存在感を発揮、助演女優賞を受賞した。
ほかの候補は『ゴッドファーザー PART II』のタリア・シャイアやダイアン・ラッド、マデリーン・カーン、ヴァレンティナ・コルテーゼだった。
『旅路』はもともと舞台劇だったが、原作者のテレンス・ラティガンが自ら脚本として参加、映画化された。デヴィッド・ニーヴンはポロック少佐を演じ、15分38秒の出番だったが主演男優賞に輝いた。
同じ年にノミネートされていたのはトニー・カーティス、ポール・ニューマン、シドニー・ポワチエ、スペンサー・トレイシーだった。まさに往年の名優勢ぞろいというところ。
アンソニー・ホプキンスは『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクターを怪演、全編にわたって強い印象を残したが、実は出演していた時間はたったの16分だった。
歴史に残る名演が評価されアカデミー主演男優賞を受賞した。だがほかの候補もビッグネームばかりで、『フィッシャー・キング』のロビン・ウィリアムズや『ケープ・フィアー』のロバート・デ・ニーロのほか、ウォーレン・ベイティやニック・ノルティが名を連ねていた。
ハル・アシュビー監督のコメディ、『シャンプー』でのリー・グラントの出演時間は18分ほどだが、助演女優賞を受賞した。
他にはロニー・ブレイクリーやシルヴィア・マイルズ、リリー・トムリン、ブレンダ・ヴァッカロがノミネートされていた。
『ダラス・バイヤーズクラブ』でジャレッド・レトがレイヨンを演じていたのは21分。しかし文句なしで助演男優賞に選ばれた。
他には『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョナ・ヒルやマイケル・ファスベンダー、バーカッド・アブディ、ブラッドリー・クーパーがノミネートされていた。