セレブ達のシャレにならない冗談
スターたちが撮影現場でユーモアを披露するのはよくあること。たとえば、ジョージ・クルーニーは共演者をネタにすることで有名だ。しかし、ジョークといえど度が過ぎれば、笑いごとでは済まなくなってしまう。そこで、今回はセレブたちのシャレにならない冗談を見てゆこう。
人々の記憶に深く刻み込まれた2022年のアカデミー賞授賞式。長編ドキュメンタリー部門の司会を務めたクリス・ロックが、映画『G.I.ジェーン』を引き合いに出してジェイダ・ピンケット・スミスのスキンヘッドをからかったのだ。
はじめは笑顔を浮かべていたウィル・スミスだが、妻のジェイダがショックを受けているのを見るや行動に出る。
主演男優賞を受け取る立場だったウィルはステージに上ると、クリス・ロックに平手打ちをお見舞いしたのだ。後にウィルは謝罪したが、事件は大見出しで報じられることとなった。
『スカイライン -征服-』のスター、ドナルド・フェイソンは、共演者ザック・ブラフの新品のポルシェに子供たちが落書きするというドッキリを仕掛けたら愉快だと考えたのだろう。しかし、これは見通しが甘かったとしか言いようがない。
ドナルド・フェイソンとドッキリ番組『パンクト』の撮影陣は、酒店から出てきたザックが10万ドルの新車にスプレーで落書きする悪ガキと鉢合わせするように仕向けた。
計画では、あっけにとられるザックを尻目に子供たちが逃げ出すことになっていた。ところが、ザックの反応は遥かに強烈だった。プライドを傷つけられたとでも言うかのように子供たちを追いかけ始め、そのうち1人をつかまえると殴り倒してしまったのだ。
ジェームズ・キャメロン監督が指揮した『タイタニック』の撮影現場でのこと。その日は大勢の人々が集まり、一緒に食事を楽しんでいたのだが……
何者かが撮影陣のロブスターチャウダーにPCP(ドラッグの一種)を仕込んだのだ。
これにより撮影陣は体調を崩し、最終的に50人が病院に搬送される事態となった。しかも、犯人はわからずじまい。沈没船の犠牲者の呪いだろうか?
2017年のグラミー賞授賞式でブリトニー・スピアーズのメンタルヘルス問題をからかったケイティ・ペリー。精神的に不安定なブリトニーが突然、スキンヘッドにしたことを揶揄したのだ。
ケイティいわく:「残されたヘアカラーはスキンヘッドだけ。あらゆる色を試したので、みんなをビックリさせるにはもう全部剃るしかないんです」
ケイティはノリノリだったが、メンタルヘルスの不調は笑いごとではない。しかも、徐々にブリトニーの葛藤が明らかになったとあって、もはやシャレにならない冗談となってしまった。
若さを保つ秘訣を公開したことで知られる俳優のポール・ラッド。作品のプロモーションでカナダに赴いた際、共演者のジェイソン・シーゲルに子供っぽいイタズラを仕掛けたのだが……
インタビュー前にトイレに向かったポールは、ジェイソンも用を足しに来ることを見越して他愛もないことを思いついてしまった。パンツを下ろしてジェイソンを待ち受けることにしたのだ。
ところが、トイレにやって来たのは赤の他人。ポールは見ず知らずの男に下半身を披露してしまうことになった。
『プラトーン』や『7月4日に生まれて』でアカデミー賞を獲得するなど、高い評価を受けるオリバー・ストーン監督。ところが、ある授賞式では、英国で発生した連続コールガール殺人事件を揶揄して観客を凍りつかせてしまった。
ブリティッシュ・コメディ・アワードの授賞式に出席したストーン監督は「英国に戻って来られてうれしいです」とスピーチを始めたが……
「まるで、(コールガールを次々に殺害した)切り裂きジャックの時代が再来したようです。英国はまったく変わっていません」と爆弾発言。けれども、シリアルキラーは笑いごとではないのだ。
58万人のフォロワーを抱えるラッパーの「ゲーム」はTwitterでインターンを募集すると呟き、連絡先として電話番号を掲載。
ところが、その電話番号はロサンゼルス保安官事務所コンプトン署のものであり、たちまち連絡が殺到。2時間にわたって回線が混雑する事態となった。
その結果、本当に助けを必要とする人々が同署と連絡を取ることができなくなってしまったのだ。人命にかかわるゲームのイタズラに保安官事務所は激怒、起訴に向けて証拠を集めていると発表した。しかし、CNN放送によれば、ゲームが公式に謝罪したため保安官事務所も起訴を取りやめたという。
大ヒット警察ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』でトニー・アルメイダを演じたカルロス・バーナードは、共演者のミア・カーシュナーを逮捕するというドッキリを思いついた。
カルロスは友人の警察官2人に頼み込み、トレーラーの外でマリファナを吸ったという容疑でミアを逮捕するフリをしてもらった。無論、ミアは無実だったのだが……
この悪ふざけでミアは完全に取り乱し、撮影は数時間にわたって中断。多額の損害を発生させてしまった。
2009年10月、ラジオ番組の司会を務めるラッセル・ブランドとジョナサン・ロスは、生放送中に『フォルティ・タワーズ』のマニュエル役で知られる俳優アンドリュー・サックスに電話をかけ、インタビューをすることになっていた。ところが、これはスキャンダルの始まりだった。アンドリューが電話に出なかったため、2人は留守電にラッセルが彼の孫と関係を結んだというボイスメッセージを4件も残したのだ。
79歳の老アンドリューにしてみれば、有名な司会者2人から孫娘(24)はラッセルとヤッたと全国放送で言いふらされてしまったわけだ。
たちまち視聴者からBBC放送に3万7,500件の苦情が殺到。同局は2人に15万ポンド(およそ18万7,000ドル)の罰金を科したという。さらに、ラッセルは番組を降板、ジョナサンも12週間の出演停止処分となった。『デイリー・メール』紙によれば、孫娘のジョージア・ベイリーは祖父が何年も経った今でも自分と口をきいてくれないことを明かしたという。
一時期は誰もが共演を夢見る世界的スターだったメル・ギブソン。しかし、メルは無類のからかい好き。とりわけ、共演者の女優にひどい嫌がらせをすることで有名だった。
『フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白』の撮影現場ではホッケーマスクを被りナイフを振り回して、ヒロイン役だったジェイミー・リー・カーティスのトレーラーに出没。また、『ハート・オブ・ウーマン』では、共演者のエレン・ハントにフリーズドライのネズミをプレゼントしている。
さらに、映画『身代金』の撮影では、共演者のレネ・ルッソが10代の頃に撮影したヌード写真をどこからか入手。これをポスターサイズに拡大し、撮影陣の掲示板に貼り付けたのだ。おかげで、同作のキャストとスタッフは毎日、17歳だったレネ・ルッソの肢体を細部まで見せつけられることとなった。
餅のパックにサングラスとイヤリングを並べた写真をInstagramに投稿したリアーナ。他愛もないショットに思えるが、実はそうではなかったらしい。
当時、クリス・ブラウンの交際相手だったカルーチ・トラン(ベトナム系ハーフ)に対する、差別的なからかいだったようだ。
無論、リアーナのようなス大スターに期待されているのはこんな器の小さいジョークではない。それに、バルバドス出身の彼女が同じような目に遭えば、スキャンダル間違いなしなのだから。