スペイン王室の次女、ソフィア王女は16歳
スペインのフェリペ6世とレティシア妃の間に第2子として生まれたソフィア・デ・ボルボン。王位継承順位は姉のアストゥリアス女公レオノールについで第2位である。
したがって、特段の事情がないかぎり次女であるソフィア王女が王位に就くことはない。とはいえ、制度の上でも個人的なレベルにおいても、彼女には姉をサポートするという重要な役目がある。
ソフィア王女は2007年4月29日、マドリッドのルベル国際病院で生まれた。その2年前に姉レオノール王女が同じ病院で生まれている。
洗礼式は7月17日、サルスエラ宮殿にて行われた。代父はブルガリア国王の血をひくヴィディン公コンスタンティン=アセン、代母は母方の祖母であるパロマ・ロカソラーノである。
姉であるレオノール王女のときと同じように、ソフィア王女も「アトーチャの聖母」の御前にお披露目された。この聖母はマドリッドに位置する「アトーチャの聖母大聖堂」のご本尊で、スペイン王家の守護聖人とみなされており、王室に生まれた子供は生後まもなく聖母像にお目見えすることになっている。
スペイン王家に近しい筋が明かしたところによると、レオノール王女にはその立場からくる重圧のせいか、やや内気なところが見受けられるが、ソフィア王女はいたって外向的だという。
これはソフィア王女の初めての登校日。彼女が通うのはマドリッド近郊の「サンタ・マリーア・デ・ロス・ロサーレス校」で、父のフェリペ6世もここの卒業生である。
この写真のソフィア王女からは、国王夫妻の間に生まれた王女としての威厳ある佇まいの片鱗をうかがうことができるだろう。
よく知られていることだが、レティシア王妃は王女たちの教育に大変注意を払っている。つねに王女たちに協力を惜しまず、愛情深く接している。
レティシア王妃は、王家という特殊な環境にあるとはいえ、王女たちができるだけ普通の暮らしを送り幸せに育つことを願っている。
ソフィア王女は、その名を父方の祖母で元王妃のソフィア・デ・グレシア・イ・ディナマルカからもらっている。
この写真は、幼い頃のソフィア王女。国王一家はバカンスの一期間をマヨルカ島のマリヴェント宮殿で過ごす。
トロフィーに手を差し入れるソフィア王女。この優勝トロフィーは2012年のUEFA欧州選手権(サッカー)でスペイン代表が獲得したもの。
王女たちを知る人々の話によれば、レティシア王妃と娘たちとの関係はとても親密かつ特別だという。
性格の異なるレオノール王女とソフィア王女だが、2人は互いをよく理解し、つねに協力し支えあっている。
レオノール王女が内省的で内向的だとすると、ソフィア王女のほうはおてんばで、笑ったり冗談を言ったりすることを好んでいると、スペイン王室をよく知る記者は語っている。
アマゾン制作のドキュメンタリー映画『レオノール:新しい君主制の未来(Leonor. El futuro de la monarquía renovada)』において、新聞記者のアスセンシオン・バスケスは、この姉妹が一心同体であると評している。
同記者がドキュメンタリーで語っているように、つかの間の別れであっても、再会した王女姉妹は長い抱擁を交わすという。
この写真は、姉妹の祖父にあたるフアン・カルロス1世の退位式の一枚。ソフィア王女の隣にはエレーナ王女、ピラール王女、マルガリータ王女と、3世代の王女が集まっている。
マドリッド王宮のバルコニーから手を振っている姿。この日は父フェリペ6世の戴冠式の日だ。
アラバカの聖母被昇天教会で行われたソフィア王女の「初聖体拝領」には国王一家がそろって出席した。クラスメートらととも儀式に臨む関係で、ソフィア王女は学校の制服を着ている。
おしゃれに関して言えば、ソフィア王女のほうが姉よりも、ヘアスタイルにおいて冒険心が見受けられる。
若き王女は少しずつ青春期にさしかかり、母の背丈も姉の背丈もわずかに追い越した。
ソフィア王女も姉もクラシック・バレエを愛している。
姉と共通の趣味はほかに、馬術、スキー、読書がある。こうした活動への情熱は、レティシア王妃から受け継いだものだ。
王位継承順位第1位として重責を担っているのはレオノール王女のほうだが、ソフィア王女もまた少しずつ、彼女にしか務まらない役目を公務において担うようになっている。
公式行事におけるソフィア王女の振る舞いは堂々として自信にあふれており、出席者たちにも大きな感銘を与えた。
この写真は、スペインの写真家エステラ・デ・カストロが撮ったソフィア王女の公式ポートレート。
ソフィア王女が初めて公の場でスピーチを行ったのはコロナ禍にあたる。2020年4月23日の「世界図書・著作権デー」でドン・キホーテの一節を朗読したのである。
その同年、マヨルカ島での夏の休暇の写真。ソフィア王女は脚に包帯をまき杖をついている。
当時スペインメディアが報じたところによると、王女はどうやらマリヴェント宮殿で転び、5針を縫う大怪我をしたらしい。
レティシア王妃は以前から、2人の娘が同等の教育を受けるように気を遣っている。レオノール王女が引き受けることになる責任をソフィア王女が同じように引き受けるわけではないとしても、両王女に公平であろうとつとめている。
2021年は姉妹がそろってサンタ・マリーア・デ・ロス・ロサーレス校に通学する最後の年だった。
2021年8月、2人は離れることになった。レオノール王女は国際バカレロアを取得するため、ウェールズのアトランティック・カレッジ(UWC Atlantic College)へ進学したのである。写真はマドリッド=バラハス空港におけるお別れのシーン。
進学による別れの少し前、姉妹は初めて2人だけで公的な行事に参加した。植樹を呼びかける「ヨーロッパによる木(Un árbol por Europa)」という運動の一環で、EU各国から35人の若者たちが集まり、それぞれ異なる35種の木々をさる土地に植えたのである。
ソフィア王女は近年そのファッションが注目されるようになり、メディアは彼女とレティシア王妃のファッションを盛んに比較している。
ある行事では、ソフィア王女はショート丈のスカートで注目を集めた。物怖じしない性格がよく出ていると、スタイリストの専門家は語っている。
ソフィア王女と姉のファッションを見比べると、たしかにソフィア王女のほうがよりリラックスしたあるいは冒険心に富んだ印象がある。
2021年アストゥリアス王女賞の受賞式典に登場したソフィア王女のファッションにも、そういう傾向がうかがえる。スカートの丈だけ見ればソフィア王女の方が長いが、バレリーナの「チュチュ」のような生地をたっぷりとった大胆な装いである。
もちろん、ワンピースをきっちり着ることもある。
ここ数年でレオノール王女もソフィア王女も活躍の場を広げつつあり、例えばこのクリスマス祝賀会(2022年)では両親の付き添いなしで登場している。
いつか姉のレオノール王女が王位に就く日に向けて、ソフィア王女は妹として準備を重ねるとともに、スペイン王家の重要なメンバーとして公の場で活躍する機会がますます増えていくだろう。