ジョニー・デップvsアンバー・ハード:証言台に呼ばれたスターたち
イギリスのメディアによれば「21世紀最大の名誉毀損裁判」となるジョニー・デップとアンバー・ハードの法廷闘争。知名度も影響力も計り知れない二人の裁判だけに、注目度もひときわ高い。
2016年に離婚申請をして以来、ジョニー・デップと長い法廷闘争を繰り広げてメディアの注目を浴びたアンバー・ハードだが、ここにきて新たな戦いが開始されたようだ。
最近になって告発や暴露の応酬が行われ、友人や同僚を巻き込んだ大騒動に発展している。当然、彼らも証言台に立たなくてはならない。
デップ対ハードの裁判で証言することになっているセレブたちは大物ぞろい。まるで、映画祭授賞式のような様相を呈している。
この裁判はジョニー・デップが元妻のアンバーと『ワシントン・ポスト』紙に対して起こしたものであり、新型コロナウイルスの流行で何度か中断されていた。『ワシントン・ポスト』紙がやり玉に挙がったのは、ジョニー・デップがかつてのパートナーたちに暴力を振るい、薬物を乱用し、アンバー・ハードの愛犬を虐めたとする記事を掲載したためだ。
2019年に敗訴したジョニー・デップだが、判決を不服として上告。ヴァージニア州フェアファックス郡裁判所で行われるこの裁判には、名だたるセレブたちが顔を見せることになっている。
アンバー・ハードの弁護団が挙げた証人リストを暴露したのはオンラインマガジン『Deadline』だ。リストには、映画『アクアマン』でアンバーと共演したジェイソン・モモアの名前もあった。『Deadline』によれば、証言台に立つのはセレブ本人ではなく、代理人の可能性もあるという。すべては判事次第だ。
『アクアマン』シリーズのジェームズ・ワン監督や『ジャスティス・リーグ』のザック・スナイダー監督も、訴訟当事者たちから証言台に立つよう要請されている。
『Deadline』によれば、ジョニー・デップはさらに、当時妻だったアンバー・ハードと関係を持ったとして俳優のジェームズ・フランコおよびイーロン・マスクにも証言台に立つよう迫っているという。
ジェームズ・フランコは2008年に『スモーキング・ハイ』の撮影でアンバーと共演し、以来、親しい友人となったが、ジョニー・デップは友人以上の関係だったと主張している。
一方、イーロン・マスクについてジョニー・デップは、自身がアンバーと破局を迎える前の2016年にアンバーと浮気し始めたとしている。
ドラマ版『アニマル・キングダム』で主演を務めたエレン・バーキンもアンバー・ハード側の証人として証言台に立つことになっている。
『ワンダヴィジョン』のポール・ベタニーとジョニー・デップが交わした会話の記録も裁判所に提出されるという。
いくつかのメディアによって報道されたこの録音のなかで、ジョニー・デップはアンバーのこと切れた身体を「燃やし、窒息させる」という話をしている。アンバー・ハードは元パートナーの暴力的な性格の証拠としてこの録音を提出したのだ。
しかも、裁判所に提出される会話の記録は他にもありそうだ。ジョニー・デップがJ・K・ローリングやミュージシャンのジャック・ホワイトと行った会話の内容も証拠として吟味される可能性があるのだ。
その上、ワーナーブラザース、ディズニー、エンデバー・グループをはじめとする映画制作会社やロサンゼルス警察の記録も証拠として取り上げられるという。
一方、アンバー・ハードは離婚で手にした700万ドルをロサンゼルスの小児病院財団およびアメリカ自由人権協会(ACLU)に寄付するとしていたが、ジョニー・デップはこれについても調査を求めている。
詳細を知りたい方はDiscovery+のドキュメンタリー番組『ジョニー VS アンバー』を観てみよう。両者の立場から事件を眺めることができるはずだ。
元妻に対するDV事件で輝きを失ったスター、ジョニー・デップ。さらなる失態が裁判を通して明らかにされるかもしれない