イギリスTV番組で人気を博した国民的シェフ:ジェイミー・オリヴァー
人気料理番組『裸のシェフ』で世界的に知られるようになったジェイミー・オリヴァー。しかし、一般市民の現実を知らない金持ちシェフだという批判も浴びている。そこで、今回は英国を代表する有名シェフの半生をチェックしよう!
料理に囲まれて育ったジェイミー・オリヴァー。ジェイミーの両親、トレヴァーとサリーはエセックス州で「クリケッターズ」いうパブを経営していたのだ。その結果、ジェイミーは妹のアン=マリーとパブのキッチンで過ごすことが多く、料理への興味を掻き立てられることとなった。この類まれなる環境で、幼いころから料理の腕を磨いたのだ。
(写真:ジェイミーと家族、Instagram @ jamieoliver)
友人や家族によると、いたずら好きだったというジェイミー。本人が『ガーディアン』に語ったところによれば、両親のパブに悪臭弾を投げ込むという忘れがたい悪戯をしたこともあるという。あまりの悪臭に居合わせた客たちはみんな逃げ出してしまったそうだ。
学校生活では苦労を強いられたジェイミー。というのも、失読症だったからだ。『BBCニュース』によれば、2012年、38歳にして初めて小説を読破することができたという。記念すべき第一号はスーザン・コリンズ著『ハンガー・ゲーム2 燃え広がる炎』だった。
(写真:Instagram @ jamieoliver)
その後、ウェストミンスター専門学校(現ウェストミンスター・キングスウェイ大学)に通って家政学を学び、全国職業資格(NVQ)を手にした。
(写真:Instagram @ jamieoliver)
ジェイミーは『Flow Magazine』誌のインタビューに対し、当時17歳だった妻、ジュリエットとの出会いについて語った。以来、二人はずっと一緒で、ジェイミーは彼女のことを「ジュールス」と愛称で呼んでいるという。
ジェイミーとジュールスには子供がなんと5人もいる。そして、名前も個性的:ポピー・ハニー・ロージー、デイジー・ブー・パメラ、ペタル・ブロッサム・レインボー、バディ・ベア・モーリス、リヴァー・ロケットだ。
番組タイトルは『裸のシェフ』だが、ジェイミーが裸でテレビ出演したことはない。しかし、愛する妻のために裸で料理することはあるという。トーク番組『グラハム・ノートン・ショー』のインタビューでは、妻のために裸でロマンチックな料理を作っているときに、うっかり局部を火傷してしまったことがあると打ち明けている。
(写真:Instagram @ jamieoliver)
ジェイミー・オリヴァーが最初に就いた仕事は、著名な料理人アントニオ・カルルッチョが経営する「ニール・ストリート・レストラン」のパティシエだった。また、彼はイタリア料理のイロハを教えてくれたジェンナーロ・コンタルドを尊敬しているという。後年、ジェイミーは「ジェイミーのイタリアン」チェーンを展開、ジェナロに経営を任せて恩返しした。
2000年6月、ジェイミーはスーパーマーケット「セインズベリー」の広告塔を引き受けた。『ミラー』紙によれば、この仕事でジェイミーは年間150~200万ポンド(180万~250万ドル)を手にすることになったという。この契約は2011年まで続いたため、彼にとって悪い話ではなかったはずだ。
2005年には、健康的な食生活を送ることの重要性を子供たちに理解してもらうため「Feed Me Better」キャンペーンを開始。このキャンペーンでは、粗悪な学校給食を改善するのも目標の一つとされた。そこで、ジェイミーは教育機関や政治家たちと協力して、変化を目指すこととなった。
なんと、29冊も本を出版しているジェイミー。人々に料理に親しんでほしいという願いが執筆の原動力だという。
セレブになるつもりはなかったというジェイミーだが、23年間にわたってテレビ出演を続ける彼の名前を知らない人は英国にはいない。テレビシリーズ、ドキュメンタリー、特別番組など、計39の番組に出演しているのだ。
2008年『アイアン・シェフ・アメリカ』に出演、英国人シェフとしては2人目の挑戦者となった。しかし、テーマの食材は「スズキ」、ジェイミーの得意分野ではなかった。その結果、アメリカ人シェフ、マリオ・バターリを相手に黒星に終わった。
英国を代表するシェフとして世界に知られるジェイミー・オリヴァーとゴードン・ラムゼイだが、二人は不倶戴天のライバル同士らしい。『Hello! magazine』誌によれば、ジェイミーがゴードンの口の悪さを批判する一方、ゴードンもジェイミーの意見を好ましく思っていないという。
ジェイミーは変わった趣味をっ持っている:流木集めだ。彼いわく、流木はまな板にぴったりなのだそう。また、ドラムの演奏も得意で、高校時代にはバンド「Scarlet Division」で活躍していた。
慎ましい出自ながら、熱心な英国王室ファンとして知られるジェイミー・オリヴァー。人々が王室の悪口を言うのは耐えられないという。『コヴェントリー・テレグラフ』紙によれば、ジェイミーはヘンリー王子とメーガン妃の結婚式に無料でケータリングを行うと申し出たが、王室カップルはこれを断ったという。
ジェイミーは変わった二日酔い予防法を提唱している。ウェブサイト「Red Magazine Online」によれば、彼は小さじ一杯の粉末クミンに絶大な信頼を置いているというのだ。いわく、しつこい二日酔いも一発で治るそうだ。
有名シェフともなれば、変わった食材の注文や突拍子もない仕事のオファーが来ることは珍しくない。ウェブサイト「Mashed.com」によれば、とりわけ不気味だったのは、テレビプロデューサーに人間の肉を調理してくれないかと持ち掛けられたことだという。無論、ジェイミーは断ったそうだ。