シャルロット・ゲンズブール52歳:波乱に満ちた子供時代からフランス女優への道

フランスの人気者
シャルロットの半生
メディアに追われた幼少期
13歳でスクリーンデビュー
『なまいきシャルロット』(1985年)
『シャルロット・フォー・エヴァー』(1986年)
「父はいつも酔っぱらっていた」
『小さな泥棒』(1988年)
1991年に父親が死去
パートナーとの出会い
2000年に2度目のセザール賞受賞
俳優として、パートナーそして母親として
ミュージシャンとしても活躍
3人の子供たちを育てる母親
肉親を失う悲劇
進化を続けるシャルロット・ゲンズブール
『午前4時にパリの夜は明ける』
主人公エリザベート役で主演
シャルロットにぴったりの役柄
さまざまな母親像を体現
『ジェーンとシャルロット』(2021年)
フランスの人気者

伝説のカップル、ジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールの間に生まれたシャルロット・ゲンズブールは、52歳になった現在もフランスの人々にとってとくべつなそして愛すべき存在だ。

Showbizz Daily をフォローして世界のトレンドをいつも手元に

シャルロットの半生

多くの人が、70年代から80年代にかけての彼女の成長、そして人生における喜びと悲しみを見守ってきたのだ。今回なそんなシャルロット・ゲンズブールの半生を振り返ってみよう。

メディアに追われた幼少期

シャルロット・ゲンズブールは1971年7月21日にロンドンで生まれた。イギリス出身の女優ジェーン・バーキンとフランスの歌手セルジュ・ゲンズブールという伝説的カップルの娘として幼い頃から人々の注目を集めたが、こうした状況は幼い少女にとりときに耐えがたいものだったようだ。

13歳でスクリーンデビュー

シャルロット・ゲンズブールはわずか13歳で映画界への第一歩を踏み出し、エリ・シュラキ監督の『残火』(1984年)に出演、カトリーヌ・ドヌーヴとクリストフ・ランベールと共演した。このときは端役だったが、翌年に大きな飛躍を遂げることになる。

『なまいきシャルロット』(1985年)

1985年に公開されたクロード・ミレール監督の『なまいきシャルロット』で主人公シャルロット・キャスタンを演じ、シャルロットはセザール賞の有望若手女優賞を受賞した。まだ14歳という年齢だったが、将来の道はこのときすでに決まっていたといえるだろう。

『シャルロット・フォー・エヴァー』(1986年)

続いて父親で歌手のセルジュ・ゲンズブールが監督した『シャルロット・フォー・エヴァー』(1986年)で父親と共演。しかし、アルコール依存症の父親と娘の物語というあまりにも現実に近いストーリーであったこと、10代のシャルロットと父親がベッドで横になるシーンなどが加えられたことから作品は大きなスキャンダルとなった。

「父はいつも酔っぱらっていた」

『シャルロット・フォー・エヴァー』(1986年)の公開から30年後、シャルロットはインタビューで当時を振り返っている:「父との撮影中はきわめて複雑な状況におかれていました。父のことは深く愛していますが、父親がつねに酔っぱらっているというのは子供にとって過酷なことでとても苦労しました。撮影といった公の場では父親を監視するなど、"警官"役もしなければなりませんでした」

『小さな泥棒』(1988年)

1988年、シャルロット・ゲンズブールはふたたびクロード・ミレール監督と組んで『小さな泥棒』に主演。窃盗を繰り返す奔放な16歳の少女ジャニーヌ役をつとめ、みずみずしい演技で話題をさらった。つづいてベルトラン・ブリエ監督の青春映画『メルシー・ラ・ヴィ』(1991年)に主演、フランスの名優たちと共演を果たす。

1991年に父親が死去

1991年3月2日、セルジュ・ゲンズブールが心臓発作で急逝。急報を受けたシャルロットはパリのヴェルヌイユ通りにある家に駆け付けた。その後、父親に敬意を表してシャルロットはこの家を保存、30年を経て今年9月から一般公開が予定されている。

パートナーとの出会い

シャルロットが将来のパートナーとなるイヴァン・アタルと出会ったのはセルジュ・ゲンズブールが亡くなる前後だった。二人はシャルロットが19歳のときにエリック・ロシャン監督の『愛さずにいられない』の撮影現場で出会い、現在までつづくロマンスをスタートさせた。

Showbizz Daily をフォローして世界のトレンドをいつも手元に

2000年に2度目のセザール賞受賞

1999年にはダニエル・トンプソン監督の映画『ブッシュ・ド・ノエル』が公開された。ふたたびエマニュエル・ベアールと共演した本作で、シャルロット・ゲンズブールはセザール賞の最優秀助演女優賞に輝いた。

俳優として、パートナーそして母親として

さまざまな役柄を務めながらシャルロット自身もティーンから大人へと成長、そして母親となった。パートナーであるイヴァン・アタル監督はそんな彼女の姿を『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』(2001年)として作品化、シャルロットは自分自身の役で出演している。

ミュージシャンとしても活躍

映画の仕事と並行して、シャルロット・ゲンズブールはミュージシャンとしてアルバム制作にも取り組んでいる。ファーストアルバム『シャルロット・フォー・エヴァー』はシャルロットが15歳のときに父親が制作したものだが、その後も制作活動を続けて2009年に『IRM』、2017年に『Rest』を発表している。

3人の子供たちを育てる母親

シャルロットは俳優で映画監督のイヴァン・アタルとの間に長男のベン(1997年生)、娘のアリス(2002年生)とジョー(2011年生)という3人の子供を授かっている。完璧な人生に見えたが、ジョーが2歳になるころシャルロットの人生に新たな悲劇が訪れた。

肉親を失う悲劇

2013年、フォトグラファーとして活躍していた異母姉のケイト・バリーがビルの4階から転落死を遂げた。大きな衝撃を受けたシャルロットとその家族は心機一転、ニューヨークに越して新たな生活をスタートさせた。

進化を続けるシャルロット・ゲンズブール

女性として、母親としてそして成熟した女優として進化を続けるシャルロット・ゲンズブール。最新作は2023年に世界各国で公開された『午前4時にパリの夜は明ける』。優しさにあふれる演技を披露してくれた。

『午前4時にパリの夜は明ける』

ミカエル・アースが監督を務めた『午前4時にパリの夜は明ける』ではベテラン女優エマニュエル・ベアールと共演した。80年代を舞台に、シングルマザーとなったエリザベートとその家族がふとした出会いから変化を体験していく物語だ。

主人公エリザベート役で主演

シャルロット・ゲンズブール演じるエリザベートは夫と別れたことをきっかけに仕事探しをはじめ、深夜放送のラジオ番組の仕事を得る。そんなある日、仕事で出会った家出少女タルラを自宅で受け入れることに。

シャルロットにぴったりの役柄

過保護になりがちな母親役をみごとに務めたシャルロット・ゲンズブールはプライベートでも母親で、パートナーの映画監督イヴァン・アタルとの間に3人の子供を得ている。1997年生まれの長男ベン・アタル(写真)はすでに20代後半、父親の監督作品『フレンチなしあわせのみつけ方』(2004年)でスクリーンデビューを飾っている。

さまざまな母親像を体現

長年のキャリアを通じ、シャルロット・ゲンズブールは数多くの母親役をこなしてきた。ごくふつうの母親、偏執的な母親、物思いに沈む母親......。これは決して偶然ではなく、彼女のこれまでの人生から生まれたものかもしれない。

『ジェーンとシャルロット』(2021年)

さまざまなタイプの母親を演じるにあたり、シャルロットが実母ジェーン・バーキンから少なからぬ影響を受けていることは明らかだ。実際、監督としてドキュメンタリー『ジェーンとシャルロット』(2021年)を制作、母の姿を正面から捉えることに取り組んだ。母娘が相手への思いを明らかにするきわめて個人的なストーリーとなっている。

Showbizz Daily をフォローして世界のトレンドをいつも手元に

ほかのおすすめ