「転職」をしたセレブたち：ビジネスマン、作家に牧師･･････？

セレブの多くはつねにセレブらしく、スポットライトを浴びているものだ。しかし、中にはジョブチェンジして「一般人」として暮らすことを選ぶ人もいる。たとえば、副業としてルイジアナ州ジェファーソン郡の警察ボランティアを20年以上務めたスティーヴン・セガールがその例だ。

『ベルエアのフレッシュ・プリンス』のヒラリー・バンクス役で伝説となったカリン・パーソンズ。テレビ出演は2002年まで、映画出演は2009年まで断続的に行っていた（サム・メンデス監督の『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』など）。しかし、2004年以降は「Sweet Blackberry」という団体を設立し、アフリカ系アメリカ人の活躍を子供たちに伝える活動に携わっている。

映画『ヘアスプレー』（2007年）でトレイシー・ターンブラッド役を、ドラマ「Queen Sized」（2008）ではマギー・ベイカー役を演じて有名になったニッキー・ブロンスキー。当時はハリウッド屈指の有望株とみなされていたが、美容を学んだ後、ニューヨーク州ロングアイランドのグレートネックにあるサロンでスタイリストとして働くようになった。

90年代から2000年代初頭にかけて映画『ラストサマー』や『スク―ビー・ドゥ―』で一世を風靡したフレディ。しかし、スクリーンを離れてシェフとしての才能を発揮するように。レシピ本を出版したほか、ビデオゲームやボードゲームを紹介するYouTubeチャンネルも開設している。2002年には女優サラ・ミシェル・ゲラーと結婚しており、ドラマ『Punky Brewster』の次回作で画面に戻ってくると噂されている。

『マチルダ』でキュートなマチルダを演じたマーラ・ウィルソンは、2000年に女優業を辞めて執筆活動に専念するように。2012年にはネット配信ドラマ『 Missed Connection』で画面にカムバックしたが、作家として執筆活動を続ける傍ら、性的マイノリティーの権利擁護の活動にも取り組んでいる。インタビューでは「映画での演技はあまり楽しいものではありません。監督が満足するまで何度も何度も同じことをしなくてはならないからです。自由な創造の余地はなんてありません」とコメントしている。

ジェフ・コーエンと言う名前はピンとこないかもしれないが、「チャンク」と言えばすぐに誰のことかわかるだろう。『グーニーズ』（1986 年）で子役を演じた彼は今や弁護士として活躍中。ハリウッドで重きをなす法律事務所の 1 つ「Cohen & Gardner」の共同設立者として、映画・テレビ業界の人々をサポートしている。

ドラマ『Saved by the Bell』ではリーザ・タートル役を演じ、その後も様々な作品に登場したものの、女優としては大成しなかったラーク・ヴーリーズ。しかし、2010年に作家となってからは『Reciprocity』『Trek of the Cheshire』『A True Light』の3冊を出版している。

80年代に『愉快なシーバー家』のマイク・シーバー役でヒットし、ハリウッド屈指の有望株としてゴールデン・グローブ賞の主演男優賞に2度ノミネートされたカーク・キャメロン。若い頃は不可知論者だったが、キリスト教に改宗、福音派の説教者として活動するほか、宗教関連の書籍を出版している。

『フック』（1991年）でジャック・バニングを演じた子役、チャーリー・コースモ。2000年代までは脇役で映画出演をしていたが、マサチューセッツ工科大学で物理学の学位を取得すると、アメリカ合衆国環境保護庁および米国下院で共和党員として活動するように。2006 年には名門イェール大学で法学の博士号を取得、現在は弁護士として活動している。

1990年代後半にラッパーとして一世を風靡。そこで手にした数百万ドルを元手にニューヨーク、カリフォルニア、マイアミの邸宅をはじめ、不動産に投資するようになった。これがきっかけとなり不動産業に目覚めた彼は、不動産代理店を起こした。

ボクシングでオリンピック金メダルを獲得したほか、ヘビー級世界チャンピオンにも輝いた「ビッグ・ジョージ」こと、ジョージ・フォアマン。引退後はビジネスマンに転身、グリルのCMを行う彼の姿を見たことがない人はいないだろう。さらに、教会の牧師としても活動している。

『ジュラシック・パーク』（1993）のレックス役で知られるアリアナ・リチャーズ。しかし、女優として満足のゆくキャリアを積むことができなかったことから、思いがけない転身を決心した。まず美術と演劇の学位を取得し、さらにカリフォルニア州パサデナのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインを卒業、プロの画家となったのだ。

『ハリー・ポッター』シリーズでドラコ・マルフォイの仲間、グレゴリー・ゴイル役を演じたことで知られるジョシュア・ハードマン。俳優業も続けたが、一躍有名になったのはプロの総合格闘家としてだった。

ヴァニラ・アイス同様、大ヒットで数百万ドルを手にしたラッパーのMCハマー。しかし、アルコール依存に陥り、リハビリを経験したことで牧師として生まれ変わった。

『素晴らしき日々』でカレン・アーノルドの親友、ポール・ファイファーを演じたジョシュ・サヴィアーノ。ロック歌手マリリン・マンソンの正体は彼だという噂がまことしやかに囁かれたが、実際にはイェール大学で政治学の学位を取した後、ニューヨークの法律事務所「モリソン・コーエン・LLP」で弁護士として働いている。

映画『チャーリーとチョコレート工場』でチャーリー少年を演じたのが唯一の映画出演となった。両親が馬を飼い始めたことから獣医学に興味を抱くようになり、1984年にはコーネル大学で博士号を取得。現在はニューヨーク州ロービルで家畜獣医師をしている。

『マルコム in the Middle』のエリック・パー・サリヴァンについては先ほど述べたが、主役のマルコムも意外な転身を果たしている。「ハリウッドで最も稼いだティーンエイジャーの1人」とされていたフランキー・ムニスだが、2008年に俳優業を一時休業してF1ドライバーに転身。2012年から2014年にかけてアトランティック・チャンピオンシップに出場したほか、ロックバンド「Kingsfoil」でドラマーも務めた。一方で『Dance avec les stars』や『ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス！？』（2021年）などで姿を目にすることができる。さらに、店舗経営も行っているという。

2010年、65 歳になるまでベテラン俳優として活躍していたが「引退する時が来た」と宣言。弁護士としての道を歩むはずだったが、2015年のカリフォルニア旱魃の際に公共の消火栓から違法な取水を行い、自らの農場に放水したとして裁判沙汰になってしまった。

映画『君の名前で僕を呼んで』や『レベッカ』のリメイクなどで知られるハリウッド俳優だが、2020年代初頭に虐待やカニバリズムの嗜好を告発されてクビに。以降、ケイマン諸島の高級リゾート「モリッツ」で働く姿が何度も目撃されている。

『スイート・ライフ』とそのスピンオフでスターとなったコール＆ディラン・スプラウス兄弟。2011年にシリーズが終わってからはそれぞれ全く異なった道を歩んでいる。コールが俳優として大作に挑み続ける一方、小規模なプロジェクトを好むディランは起業家として「All Wise Meadery」という蜂蜜酒ブランドやブルックリンの店舗を運営している。

『アメリカン・パイ』を観た方なら誰でも「シャーミネーター」ことチャック・シャーマン役が記憶に残っているはずだ。その後も2016年まで様々な映画に出演し続けていたが、ロサンゼルスの日本食レストランに転職。すでに、寿司職人を目指して準備を進めているという。

映画『The Little Rascals』で子役として活躍したブリタニー・アシュトン・ホームズを覚えている方も多いことだろう。しかし、今ではコーヒーチェ―ン「スターバックス」でスポットライトとは無縁な生活を送っている。

6歳のときにスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』（1980年）で子役としてヒットしたダニー・ロイド。今ではケンタッキー州で生物学の教諭をしている。