「燃え尽き症候群」で女優を一時休業:サンドラ・ブロック
サンドラ・ブロックが、チャニング・テイタムと共演し主演兼製作も務めた冒険コメディ『ザ・ロストシティ』のプロモーションで、女優業を休業することを発表し周囲を驚かせた。
サンドラはその決断について『ハリウッド・レポーター』誌でこう語っている:「仕事があれば真剣に取り組み、しかも仕事は一日24時間で休みもありません。でも私は子どもたちや夫と24時間、365日一緒にいたいのです」
サンドラは、30年以上にわたって映画界で精力的な活躍を続けてきた。その間に経験した心理的ストレスによって、他の業種でも多くの人々が抱えている「燃え尽き症候群」に陥ってしまったのだ。写真は『評決のとき』(1996)のサンドラとマシュー・マコノヒー。
この症状あるいは身体的状態は、仕事を通じて経験する高レベルのストレスによって引き起こされる。
サンドラは倒れてしまう前に歩を止めることを選択したようだ:「私は燃え尽きてしまったのです。疲れ切っていて、健全で賢い判断ができなくなっていることが自分でも分かるのです」
2022年、サンドラは復帰がいつになるのかは未定だとした:「(どれくらいの期間かは)わからない、わかりません。カメラの前に立った時に今のような気持ちにならなくなるまで戻らないつもりです」
「燃え尽き症候群」は、常軌を逸した仕事量やスケジュールがあたりまえのハリウッドに限ったものではない。この症候群は、あらゆる業界の何百万人もの人々に影響を与えている。
世界保健機関(WHO)は「燃え尽き症候群」を仕事上のストレスからくる、多くの健康問題を引き起こす症候群として認定した。
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国際疾病分類(ICD)を30年ぶりに改訂したWHO(世界保健機構)は、最新の第11版で「燃え尽き症候群」を新たな疾患として加えたのだ。
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「燃え尽き症候群」に苦しむ人々は、強いストレスに直面すると、身体系統が反応して心と体をブロックしてしまう。そのため、仕事を正常に行うことができなくなるのだ。
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「燃え尽き症候群」を正しく理解するには、それが何であるか、どのような症状なのか、どのように特定し、どのように治療するかを知る必要がある。
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「燃え尽き症候群」には主に3つの症状がある。感情的・身体的な疲労(極度の疲労感)、現実離れした感覚(気分や行動の変化)、生産性の低下(単純作業をこなせない)の3つだ。
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また、自己評価の低下、不安感、集中力の欠如、頭痛、頻脈、不眠、焦り、コミュニケーション不足といった症状の遠因となることもある病気だ。
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そうしたストレスを抱えたまま問題解決に取り組まずに生活を続けていると、負のエネルギーの塊となって、家族、仕事、人間関係にまで影響を及ぼしかねない。悪循環に陥ってしまうのだ。
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「燃え尽き症候群」の診断は、心理学者や精神科医が行う必要がある。患者の症状がストレスからくるのか、またはその他の理由によって引き起こされているかを特定する必要があるのだ。
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幸いなことに現在では、メンタルヘルスの専門家に助けを求めることは、もはや大きなタブーではない。セラピストの力を借りることはすでに一般化しつつある。
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心理学者や精神科医が使うさまざまなツールのおかげで、患者の重症度を判断することができるようになった。的を得た質問をいくつかするだけで十分なこともあるという。
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軽度:何もする気が起きない、軽い疲労感
中度:ネガティブ思考になり、人生のすべてに自信が持てなくなる
重度:薬物使用と人間関係の悪化
極度:自ら命を絶つことさえ考えてしまうほどのネガティブ思考
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「燃え尽き症候群」はきわめて深刻なレベルに達してしまう可能性があるため、専門家の助けを受け入れることが必要だ。早ければ早いほどいいだろう。
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理想的な第一歩は、できるだけすぐに休憩を取り、落ち着いた静かな場所で家族や友人と時間を過ごすことだ。ただし、残念ながら誰もがサンドラのような恵まれた環境にいるわけではないので、仕事を休むという選択肢がない場合もあるだろう。
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ほとんどの人は、適切なサポートを受けることで「燃え尽き症候群」を克服することができる。心理カウンセラーは、ゆっくりと、しかし確実に回復するために必要なガイドラインを提供してくれるだろう。
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「燃え尽き症候群」の人は、自己認識を深め、可能であれば職場環境を変え、健康的な習慣を身につけることをおすすめする。そして、専門家が必要と判断したのなら、抗うつ剤を服用することだ。
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「燃え尽き症候群」を改善するには、認知に働きかけ気持ちを楽にする精神療法の認知行動療法も有効だ。こうした対処が最終的に、「燃え尽き症候群」を克服するための道しるべとなるだろう。
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