クリス・ヘムズワースが俳優活動を休止:アルツハイマー病のリスク発覚
俳優としてキャリア絶頂期を迎えているにもかかわらず、突然、活動休止を発表したクリス・ヘムズワース(39)。始動中のプロジェクトも抱える中、一体何があったのだろう?
クリスはドキュメンタリー番組『リミットレス with クリス・ヘムズワース』(Disney+)のプロモーションツアーを終えた後、妻や子供と一緒にオーストラリアにある邸宅に引きこもってしまったのだ。実は、この決断の裏には同番組の撮影中に判明した驚きの事実があった。
画像:『リミットレス with クリス・ヘムズワース』、Disney+
人間の身体能力の限界に挑戦するという趣旨の番組『リミットレス with クリス・ヘムズワース』の撮影中に健康診断を行ったところ、クリスの遺伝子から寿命を短縮し生活の質を下げてしまう恐れのあるDNA情報が見つかったのだ。
『ガーディアン』紙の報道によれば、クリスは同番組の中で遺伝子検査を行った結果「ApoE4遺伝子が両親双方から受け継がれており、ペアになっている」ことが判明したという。同紙によれば、このタイプの遺伝子を持つ人は人口の2~3%を占め、そうでない人に比べてアルツハイマー病になる可能性が10倍高いとされている。
『ガーディアン』紙は、検査結果によってクリスが「大きなショック」を受け、「しばらくの活動休止を考える引き金になった」としている。
クリスいわく、アルツハイマー病を予防するには睡眠やストレス、食事、運動を管理するのが良いらしい。しかし、映画撮影が立て込んでいては、そうも言っていられないわけだ。
様々なジャンルで活躍するクリス・ヘムズワースだが、とりわけスーパーヒーロー映画が得意。2022年には、ファンタジーありアクションあり笑いありのマーベル映画『ソー:ラブ&サンダー』に出演し、筋肉美に溢れた雷神「ソー」を演じている。
画像:『ソー:ラブ&サンダー』、Marvel Studios
さて、今回の活動休止はクリスにとってキャリアの終わりを意味するのだろうか?これまでの活躍を写真で振り返りつつ、クリスの今後に思いを馳せよう。
1983年8月11日生まれのクリス・ヘムズワース。ハリウッドで映画デビューを果たす前から、オーストラリアのソープオペラ『ホーム・アンド・アウェー』で頭角を現していた。
ジミー・ファロンが司会を務める『トゥルー・コンフェッション』に2019年に出演した際には、TVデビュー前の14歳の頃、薬局の搾乳機を掃除していたことがあると告白。さらに、若い頃は建設作業員やウェイター、バーテンダー、サーフウェア・ショップの店員なども経験したという。
その後、演技の世界に飛び込むこととなったクリス。当時の目標は実家のローンを完済することだった。2o19年に行われた『Variety』誌のインタビューでは、「もちろん私は映画やテレビが大好きでした。でも、うちにはお金がなかったんです。だから、はじめは実家のローンを完済しようと…… まあ、そんな感じです」とコメントしている。
『ホーム・アンド・アウェー』に出演する以前、クリスはTVファンタジー『グィネヴィア・ジョーンズ』でアーサー王を演じていた。しかし、登場シーンは少なく、2つのエピソードの回想場面にチラリと姿を見せるだけだった。とはいえ、この作品はいまだに放送が続くロングヒット作品であり、全30シーズンのエピソード数は6,000を超えるという。
その後、『ホーム・アンド・アウェー』のイケメン、キム・ハイド役で一躍脚光を浴びることとなった。クリスはこの役を2004年から2007年半ばまで演じていた。
クリスには兄のルークと弟のリアムがいるが、クリス同様2人とも俳優だ。実際、『ソー:ラブ&サンダー』のソー役は弟のリアム(『ハンガー・ゲーム』で知られる)が演じるはずだったが、結局クリスに回って来たのだという。
これまでに10本あまりのマーベル映画で北欧神話の雷神「ソー(トール)」を演じてきたクリス・ヘムズワース。逞しい北欧神を体現するため、肉体改造に取り組んでおり、Instagramでは6種類のトレーニングを6セットずつ6回繰り返すという「悪魔の筋トレ」の様子を公開している。雷神を演じるのは簡単ではないのだ。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』で地位を固めたクリス。ハルクと闘う場面では「大丈夫、あいつのことは仕事で知っている」という名台詞を残した。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』の中で髪を切ったところ、クリスに似合うのはロングヘアかショートヘアかという議論で世界中のファンたちが白熱することとなった。
映画『スター・トレック』(2009年)で演じたジョージ・カーク(カーク船長の父)役は意外な配役だったが、しっかりハマっていた。クリスが続編に再登場するという噂もあったほどだ。
ホラー映画での演技で賞賛される俳優というのはあまりいないものだが、クリス・ヘムズワースの場合、批評家たちから最も評価が高かったのはホラー映画の『キャビン』だ。2012年に世界中でヒットしたこの作品について、クリス自身も「特別な映画だった」とコメントしている。
『キャビン』でバイクを乗りこなす姿を披露したクリスだが、1年後にはさらなるスピードへの挑戦が待ち受けていた。『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)でF1の伝説ドライバー、ジェームス・ハントを演じ、大喝采を浴びることになったのだ。
2022年2月には、クリス・ヘムズワースの主演した2015年のサスペンス映画『ブラックハット』が突如、Netflixのストリーミングでトップに。この作品は映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でクリスの映画ワースト5に入っており、この人気ぶりは予想外の事態だ。
ハリウッド映画でキャリアを積むにつれ、世界で最も稼ぐ俳優の1人となったクリス。2014年、2015年、2018 年には『フォーブス』誌の「世界で最も稼いだ俳優」リストに名を連ねた。さらに、2018年には同誌が選ぶ「最も稼いだセレブ」リストで31 位、2019 年には24位にランクイン。そのお金を何に使ったのかといえば、まずは実家のローン完済に当てたはずだ。
『ピープル』誌は2014年にクリスを「最もセクシーな男」に選出したが、誰の目にもふさわしいチョイスだったのは間違いない。
クリスは今、俳優としての活動を休止しており、オーストラリアのバイロンベイにある広大な邸宅で、妻や3人の子供と共に過ごす時間を満喫している。
ヘムズワースは2010年にスペイン出身のモデル兼女優のエルサ・パタキーと出会い、同年に結婚。2012年5月に長女、2014年3月には双子の兄弟が誕生している
「すべてがあっという間でした。結婚して1年後には子供が生まれたんです。結婚には大きなプレッシャーを感じましたが、大丈夫でした。2人とも我が道を行くタイプですが、お互い愛し合っているのでうまくいったんです」
2015年、クリス一家はロサンゼルスからバイロンベイの大邸宅に引越し。パーソナルジムやスパのほか、屋上にはインフィニティ・プールが備えられており、噂では地下は迷宮のようになっているとも言われている。クリス夫妻が自分たちで設計したこの家は圧巻そのもの、しばらく休暇をとるには最適だろう。
ヘムズワースの姿は、2024年に公開予定のアクション映画『フュリオサ』で見ることができるはずだ。この映画でクリスはシャーリーズ・セロンやアニャ・テイラー=ジョイ、トム・バークらと共演している。
しかし、『フュリオサ』と『リミットレス with クリス・ヘムズワース』のプロモーションを除けば、しばらく仕事はゼロ。『ガーディアン』紙によれば、クリスは「しばらく休暇を取ってシンプルな生活をしようと思います。子供や妻と時間を過ごすんです」とコメントしているようだ。
クリスが健康問題への対応に専念するなら、彼の姿をスクリーンで見ることができるのは『フュリオサ』が最後となる可能性もある。
画像:『ソー:ラブ&サンダー』、Marvel Studios