キャサリン英皇太子妃、がんを公表
今年1月に腹部の手術を受けてから2カ月余りにわたり公務から遠ざかっていたイギリス王室のキャサリン皇太子妃。病名が明かされないことからさまざまな憶測が飛び交っていたが、このほどバッキンガム宮殿から正式な表明が出され、同妃はがんを抱えていることが判明した。
イギリス王室は今月22日に、キャサリン妃の動画メッセージを公開した。その中でキャサリン妃は国民に向かって直接、自身と家族が置かれた状況について語りかけている。
キャサリン妃は動画において、「1月にロンドン市内の病院で腹部の手術を受け、そのときはがんではないと思われていました。手術も成功しましたが、その後の検査でがんが見つかったのです」としている。ただし、具体的な種類やステージなどは明かされていない。
英紙『デイリー・メール』によれば、キャサリン妃のがんが確認されたのは2月26日、ウィンザー城で行われたギリシャ"最後の国王"コンスタンティヌス2世の追悼式の前日だった。ウィリアム皇太子は個人的理由により急遽式典を欠席、関係者はその知らせを驚きをもって受け止めていた。
キャサリン妃は医療チームから予防的な化学療法を受けることをすすめられ、現在はその初期段階にあるとしている。
キャサリン妃は落ち着いた様子で、1月に公務を離れて以来、同妃を気遣ってくれた多くの人々に対して感謝の言葉を述べた。
写真:BBC
「私たち家族全員にとり、この数か月は信じられないほど大変なものでしたが、素晴らしい医療チームが私のケアをしてくれました。本当に感謝しています」
また、これは自分自身にとっても家族にとっても大変なショックであり、ジョージ、シャーロット、ルイという3人の子供にうまく伝えようとして時間を要したことを明かしている。
写真:X kensingtonroyalpalace
「私は大丈夫です。心や身体、精神面の回復に集中することで、日々強くなっています。ウィリアムがそばにいてくれることも大きな慰めと安心となっています。多くの方々からいただいた愛や応援、優しさも、私たち2人にとって大きな意味を持っています」
さらに、キャサリン妃は治療を終えるまでは家族全員にプライバシーと時間が必要だとしたほか、「いつも私に深い喜びをもたらしてくれた仕事に、可能になり次第で復帰することを楽しみにしています。ですが、今はしっかり病気を治すことに集中しなければなりません」と語った。
また、キャサリン妃は同じ病気で苦しむ人々への配慮を忘れず、「あなたはひとりではありません」と語りかけた。その中には、1月に前立腺肥大症の手術入院中にがんが判明したチャールズ国王も含まれている。
チャールズ国王は今年1月、キャサリン妃はほぼ同じ時期にロンドン市内の病院、「ロンドン・クリニック」で手術を受けている。バッキンガム宮殿は、国王からキャサリン妃への愛情のこもったコメントを発表している:「勇気をもって話したキャサリンのことを大変誇りに思います」
イギリス王室との不仲説がささやかれるヘンリー王子とメーガン妃は、「ケイト(キャサリン妃)と家族の健康を祈ります。順調にそしてプライバシーが尊重された中で回復に向かうことを願います」という声明を発表。
キャサリン妃の実家からは、弟のジェームズ・ミドルトンがインスタグラムに写真を投稿。「長い年月を通じて多くの壁を一緒に乗り越えてきました。今回の壁も共に超えていきましょう」という言葉を添え、姉である皇太子妃にエールを送った。
イギリス社会に大きな衝撃をもたらしたこのニュースについて、リシ・スナク英首相は「英国民を代表して迅速な全快を願います」という声明をSNSに投稿。キャサリン妃に気遣いを示すとともに、最近同妃のプライバシーに対する配慮が足りなかったとして一部の報道機関に批判の声を挙げた。