キム・カーダシアン:流出したプライベートビデオにまつわる裏話とは?
キム・カーダシアンといえば、世界でもっとも有名なセレブというイメージがある。少なくとも、キム本人はそう自負していることだろう。
インフルエンサー、起業家、リアリティ番組のスターなどさまざまな顔をもち、大富豪でもあるキム・カーダシアン。プライベートでは数回にわたる結婚と離婚を経験した4児の母でもあり、124時間ではとうてい足らないようだ。
キム・カーダシアンがブレイクした時のことを知らない人もいるかもしれない。きっかけは2002年のこと、キムと当時の交際相手レイ・Jのきわめて情熱的なベッドシーンを収めたプライベートビデオが流出してしまったのだ。
問題のプライベートビデオが撮影されたのは20年前、リークされたのは15年前のことだが、このビデオがふたたび話題となっている。上の写真は2006年のキム・カーダシアンとレイ・Jだ
米国の有名なリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』の続編にあたる、Disney+の新番組『カーダシアン家のセレブな日常』のあるエピソードでのこと。かつてのプライベートビデオの未公開映像に関する広告を、キムの息子の一人セイントが見つけたというのだ。キムもこれには大きな動揺を示した。
キムは元夫でセイントの父親であるカニエ・ウエストに電話をかけて事情を説明。カニエはレイ・Jに連絡を入れ、20年前に撮影された2人のきわどい動画が入ったハードディスクを全て回収した。
だが、ことはそう単純ではなかった。リアリティ番組『カーダシアン家のセレブな日常』ではレイ・Jを悪人のように扱っているが、彼はこの20年間、2人の親密な画像や動画を一切流失させていないと、さまざまなメディアを通じて語っているのだ。
キムの元交際相手でラッパーのレイ・Jが『デイリー・メール』のインタビューに対し興味深いコメントを行っている。実際のところ、ビデオの流出はレイ・J本人に加えキムとその母親クリス・ジェンナーによって仕込まれたものだというのだ。
レイ・Jが『デイリー・メール』に語ったところによると、ビデオを持っているのはキムだけだった。しかし、ビデオ公開というアイデアを思い付いたのは自分自身だと認めている。「キムはそのアイデアに飛びつき、母親のクリス・ジェンナーに相談し、僕はそれ以降何の関与もしていないんだ」と語った。
もう一人の有名セレブ、パリス・ヒルトンは2004年頃に元交際相手のリック・サロモンによって同様のビデオをリークされてしまう。こうしたビデオがフェイクであったかどうかは別として、パリスは一躍スポットを浴びるようになったのだ。パリス・ヒルトンがブレイクした経過については、キム・カーダシアンも元彼も母親クリス・ジェンナーも、意識していたことは間違いないだろう。
プライベートビデオが撮影されたのは2002年、キムの誕生日を祝ってカボ・サンルーカスを訪れていた時のことだ。プライベートビデオ制作の翌年に2人は別れ、それから4年後の2007年にビデオが流出している。このビデオはその後、アダルトビデオ業界で相当な利益を記録するとともに、もっとも検索された作品の1つになった。
中にはカーダシアン家の自作自演を疑い、このビデオをヴィヴィッド・エンターテイメントに売り込んだのは母親クリス・ジェンナーだとする人々もいる。ともあれ、ビデオ流出は一家を襲った不幸な事件として扱われるようになった。
ビデオ流出から15年が経過し、リーク事件の大きな恩恵と利益をカップルのどちらが受けているかは明らかだ。恩恵を受けているとは言いがたいレイ・Jはそれほどこだわっていないようだが、カーダシアン一家に悪者扱いされることには抵抗があるようだ。
「僕は14年以上何も言わず、この件の陰にいたんだ。カーダシアン一家がレイ・Jの名前を悪用しても目をつぶってきた。キムたちは15年以上にわたってありもない話をし、何十億ドルも荒稼ぎしてきたのさ」
レイ・Jがビデオの流出で得たものはというと、キムが各界で収めた大きな成功とは比較にならないものだ。実際、彼はこのビデオで得たものは、みじめさだけだと主張している。
レイ・Jは『デイリー・メール』の取材に応じ、こう答えている:
「何が本物で真実であるか分かっているだろう?今皆が目にしているものは、一家が嘘で作り上げたカーダシアン帝国。気が滅入ってたまらないよ」
実際、ビデオ流出はレイ・Jにどんな影響を与えたのだろうか。「イメージがダウンして人気テレビ番組に出演できず、『Dancing with the Stars』や『アメリカズ・ゴット・タレント』でパフォーマンスを見せることもできなかった」とラッパーの彼は不満を口にしている。リアリティ番組を15年以上も続けてきたカーダシアン一家とは異なり、レイ・Jは自身をエンターテイメント界のアウトローのように感じているという。
カーダシアン一家はレイ・Jをビデオ流出の犯人のように扱い、彼はショックを受けている。「どこで僕がビデオを流出させたことになったんだ。そして誰がカーダシアン一家をみじめにさせたというんだ?」
ビデオの撮影から20年、レイ・Jは沈黙を破り、この出来事の真実を語ろうとしている。「自分たちが何をしたのか、本当のことを話すつもりだ。僕には何の権限も与えられなかったんだ」と『デイリー・メール』に語った。
『デイリー・メール』には、レイ・Jがカーダシアン一家に送ったダイレクトメッセージが掲載されている:「すぐに手を差し伸べないというのなら、出る所に出るつもりだ。そこで僕たちがしたことを全部明らかにしよう」そしてこう続けている:「これは脅しではない。きみたちはやりすぎたんだ」
金銭、名声、それとも人気?レイ・Jの主張には経済的な動機があるようにもみえるが、実際、家族への援助も要求しているという。
『デイリー・メール』に掲載されたダイレクトメッセージをみると、レイ・Jはカーダシアン一家に彼の悪評を払拭するように頼んでいる。「どうか、自分が前向きになれるように助けてほしい。子どもたちには俺のことを誇りに思ってほしいんだ。無邪気な2歳と3歳のこどもたちがいる。負け犬のような父親を見せたくないんだ」
過去は必ず戻ってくるというが、有名なセレブカップルだったキムとレイ・Jは再び注目を集めている。年月を経てキム・カーダシアンは4人の子供の、レイ・Jは2人の子供の親となっている。さまざまな経験を経た2人がこの問題に対し、成熟した大人としての対応をとるか見守っていきたい。