『マッドマックス:フュリオサ』プレミア招待客たちのドレスアップスタイル
第77回カンヌ国際映画祭で、待望のサーガ最新作『マッドマックス:フュリオサ』のプレミアが行われた。その内容には賛否両論あるものの、レッドカーペットに姿を現れた出演者たちは圧倒的な存在感で会場を魅了した。
ミス・フランス2016のイリス・ミッテネールは、ステファン・ローランが手掛けたドレスで現れた。これ以上深くできないほど深くとったスリットを長いトレーンでさらに強調。サテンドレスにメタリック装飾を加えてエレガンスと前衛性を同時に実現した。
主役としてワイルドな演技を披露したアニャ・テイラー=ジョイは、カンヌのプレミアでため息が出るほど優雅なベージュのビスチェドレスで登場。メゾンはアニャがアンバサダーを務めるディオール。ティファニーのジュエリーで極上の輝きをプラスした。
オーストラリア出身の俳優クリス・ヘムズワースは妻で女優のエルサ・パタキーを伴ってフラッシュを浴びた。マイブームなのか、ヘムズワースは今年のMETガラでも着用していた白いタキシードで決めた。
プレミアには伝説的モデルのナオミ・キャンベルも招待された。27年前にシャネルのランウェイを歩いて以来、堂々と着こなしているシャネル・オートクチュールからシックな黒の一着でフラッシュを浴びた。
映画監督でプロデューサーのバズ・ラーマンは完璧な仕立てのプラダのタキシードで優雅さを極めた。ジャケットの胸元にあしらった花のディテールがキュート。
カンヌ国際映画祭の審査員長を務める映画監督グレタ・ガーウィグと審査員の仏女優エヴァ・グリーンは、それぞれの個性にあったスタイルで並んだ。ガーウィグはアルマーニ・プリヴェが手掛けたネックラインが大きく開いた赤のドレス、グリーンはバルマンのブラックドレスをセレクト。ただし、二人ともジュエリーは老舗メゾンのショパールとおそろいだ。
世界的スーパーモデルのシンディ・ブルーナはLARUICCI(ラルイッチ)がデザインしたロングスカートにオーバーコートのアンサンブルというユニークなスタイルで登場。ジュエリーはやはりショパールとシックだが、ストライプの生地を現代的なカットで仕立てたルックは、どちらかといえばソワレより昼間向き?
アンゴラ出身のトップモデル、マリア・ボルジスは一面にスパンコールと刺繍があしらわれたエレガントなブラックドレスでポーズ。カンヌらしい無難なセレクトにも見えるが、深いスリットがセクシーさを、ポメラートのジュエリーが上質感をプラスして完璧。
大がかりなルックといえば元ミス・フランスのマエバ・クック。真っ白なマーメイドドレスの裾がまるで雲のようにふくらんだ個性的な一着を、セレブといえども自然体で着こなせる人は少ないだろう。
あらゆるファッションファンを魅了したのはタイ出身の女優アラヤー・アルバータ・ハーゲート。アルマーニ・プリヴェから2006年のヴィンテージドレスをセレクト、ブシュロンが制作したツタの葉をかたどった芸術作品ともいえるジュエリーを身に着けて歓声を浴びた。
インドネシアのスター、プトゥリ・マリノは大胆な赤に賭けて大成功。個性的なネックライン、ウエスト部分のドレープにゴールドのディテールを施したStellarissaの一着は、この日のベストルックのひとつとなった。
ロシア出身の女優、エレナ・レニーナはあまりにも未来的なルックでレッドカーペットに降臨。仕掛けにあふれたデザインをドレスに仕上げた労力には脱帽するが、四層のお団子ヘアとの組み合わせはいったい何を象徴しているのだろう。
定番の黒や白、あるいは赤のドレスが続いた後で、エメラルドグリーンのドレスが登場。シンプルなカットのロングスリーブで、一面に施されたラインストーンが煌めきを放つドレスを見事に着こなしたのは米女優ジェシカ・サーファティ・ミシェル。
カンヌ国際映画祭といえばまばゆいドレスばかりと思ったらそれはまちがい。ルクセンブルク出身の女優ヴィッキー・クリープスのように、抑えのきいたマキシ丈のシャツにロングスカートという選択肢もある。マットなブラウンを支持する人は少ないかもしれないが、本人は寛いで心地よさそうだ。
セクシーかつ個性あふれるルックで知られる人気インフルエンサーのロマーヌ・ベルトラン。レッドカーペットでも同じように人々を魅了するという目的を果たせたかどうかは……少々疑わしい。
ともあれファッションは楽しむ手段でもあり、それほど考え込む必要はないのかも。フランスのリアリティ番組『ドラァグ・レース・フランス』の出演者たち(左からダフネ・バーキー、キディ・スマイル、ニッキー・ドール) が『マッドマックス:フュリオサ』のプレミアを盛り上げた。