2023年カンヌ映画祭のレッドカーペット:華麗なドレス姿を振り返る
今年5月に開催した第76回カンヌ国際映画祭、オープニング作品に選ばれたのはマイウェン監督、ジョニー・デップ主演の『ジャンヌ・デュ・バリー』だ。18世紀フランス宮廷を描いた本作にあわせるかのように、スターたちの華麗なドレス姿がみられた(画像は米女優エル・ファニング)。初日のレッドカーペットを彩ったベストルック、あるいはワーストルックをみてみよう。
現在77歳のベテラン女優、ヘレン・ミレンはカンヌ映画祭のドレスコードを知り尽くしている。今年はマリー・アントワネットにオマージュを捧げるかのようなクラシカルなドレスで登場。全身ブルーのスタイルに合わせ、さすがというべきか髪までブルーに染めている。
例年、カンヌのレッドカーペットで満場の称賛を浴びるナオミ・キャンベル。現在52歳のスーパーモデルは抑えのきいた、シックでエレガントなスタイルで知られる。今年はネックラインを深く取り、ウエストを絞ったスパンコールドレスで登場。
夫マイケル・ダグラスと娘と並んだ米女優キャサリン・ゼタ=ジョーンズは、ネックラインが印象的な赤のドレスで会場を魅了。夫妻の娘で現在20歳のカリス・ゼタ・ダグラスは、抜群のスタイルを引き立てるエリー・サーブの可憐で透明感のあるドレスで大階段に華やぎを添えた。
中国出身の女優コン・リーはアライアによる見事なブラックドレスでレッドカーペットから人々に手を振った。エレガントではあるけど、5月のコートダジュールでタートルネックを着込んだのはいったいなぜだろう。
米女優エル・ファニングはアレキサンダー・マックイーンから、ビーズをあしらったシルバーのビスチェとふんわりとしたラインにスパンコールを散らしたペールピンクのボトムで登場。カルティエのジュエリーをまとい、おとぎ話の王女のようなスタイルを完成させた。
フランスの女優、キアラ・マストロヤンニは開会式の司会を務め、その母親でフランス映画界の至宝カトリーヌ・ドヌーヴはカンヌ国際映画祭の開会宣言を行った。大役のイメージに合わせ、二人は上品で落ち着いたスタイルを選択。
ワーストルックをお探しの方には、インフルエンサーのファルハナ・ボディのルックがおすすめ。蛍光イエローも全体にあしらわれたフェザーも、長くひきずるトレーンも、何もかもが外れた印象。
今年マイケル・ダグラスに名誉パルムドールを授与する役割を担うユマ・サーマン。現在53歳の女優はシャンパンピンクのサテンドレスにゴージャスな赤のトレーンで登場、レッドカーペットにセンセーションを巻き起こした。
イギリス出身の女優ファーガン・タクラーはロングトレーンのドレスで登場。目がちかちかするような蛍光カラーに大げさなデザインで、ワーストルックにランクイン。
カンヌ初日はヴェルサイユの宮廷を思わせる盛り上がりを見せた。タイの女優アラヤ・ハーゲートは16世紀の公爵夫人のようないで立ちで『ジャンヌ・デュ・バリー』のプレミアに向かったが、これは少々やりすぎの感も。
ブラジルのトップモデル、アレッサンドラ・アンブロジオはエリー・サーブの手による、ボディラインを活かした渋いローズカラーのドレスで登場。シックでいかにも彼女らしいスタイルは、この日のベストルックの一つ。
「Canal+」のドラマ『マリー・アントワネット』で主役を務めたドイツ出身の女優エミリア・シェーレ。初日のレッドカーペットにブラックとベージュを組み合わせた個性的なドレスで現れ、人々の注目を集めた。
今年のカンヌ映画祭オープニング作品、『ジャンヌ・デュ・バリー』で監督・出演を務めたマイウェンはシックな黒のロングスリーブで登場。主演のジョニー・デップはディオールのスリーピース、フランスの俳優ピエール・リシャールはシンプルなブルーのスーツでフラッシュを浴びた。
中国出身の女優、ファン・ビンビンも魅力的なスタイルで登場。虎が描かれたアジアンテイストのゴージャスなドレスでポーズをとった。
どのレッドカーペットでも個性的なスタイルをセレクトし、ほかのセレブとの違いを際立たせるのがフランスの女優エマニュエル・ベアール。今年のカンヌ初日には見事なバルマンのブラックパンツに白のジャケット、つばの大きな帽子を合わせた。
ロレアルのミューズとなっているフランスのモデル、シンディ・ブルーナはつねにスタイリッシュ。『ジャンヌ・デュ・バリー』のプレミアへ、ロング丈のジャケットスーツで向かった。まわりのドレス姿とは対照的な大胆な選択に敬意を表したい。
イタリアの女優シモーナ・タバスコの衣装はいかにもカンヌ映画祭といったスタイルだが、いまひとつ本人を引き立てていないようだ。違う色を選んだ方が、あるいは違うデザインにした方がよかったかも......
ロシア出身のインフルエンサー、ヴィクトリア・ボーニャは緑色のフェザーを前面にあしらったドレスで目立つことには大成功。だけど、映画祭の大階段にふさわしいもう少しましなドレスはなかったのだろうか。
モルドヴァ出身のモデル、エルヴィラ・ジェインも奇妙さでは引けを取らない。それだけで十分個性的なビビッドグリーンのジャンプスーツを、さらに七色のフリルで飾り立てた。