エッフェル塔のなかまたち:建築家ギュスターヴ・エッフェルの知られざる名作

建築家の没後100年
多くの設計を手がける
若き建築家の誕生
エッフェル鉄道橋
エッフェル塔
解体予定だった
人気観光スポットに
自由の女神像の構造設計
彫刻家とのコラボ
ブダペスト西駅のホール
モンテカルロのオテル・エルミタージュ
1970年代にリノベーション
ポルトのマリア・ピア橋
ハノイのロンビエン橋
ギザの動物園のつり橋
オリサバの「鉄の宮殿」
アリカのサン・マルコス教会
建築家の没後100年

パリのエッフェル塔にその名前を残すフランスの建築家、ギュスターヴ・エッフェルが亡くなったのは1923年12月27日。没後100年を超えてもなお、このディジョン生まれの建築家に関する評価は高まり続けている。

 

多くの設計を手がける

エッフェルが設計した建築物はパリのエッフェル塔だけでなく、世界中にたくさん存在する。ただ、そのことがあまり知られていないのも事実。この機会に彼の傑作を振り返ってみよう。

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若き建築家の誕生

エッフェルは1832年生まれ。1855年にパリ中央工芸学校を卒業したとき、若き建築家の目はすでに未来を見据えていた。この写真からもわかるように、エッフェルは自分の建築物を堅固で安全なものにするために最適な方法を探して何度も実験をした。そうして培われた能力を初めて発揮したのが、1860年に完成したボルドーのエッフェル鉄道橋だった。

エッフェル鉄道橋

この鉄道橋は全長510メートルで、パリとボルドーを結ぶ鉄道は2008年までこの橋を使っていた。使われなくなった後も歴史遺産として保存されている。

写真:Langladure, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7014711

エッフェル塔

1889年にはパリ万博開催に合わせて有名なエッフェル塔が建設され、彼の名声を不動のものにした。保守的な人たちには批判されたが、300メートルを超える高さの建築物は当時としては稀有な存在で、たちまちフランスの首都を象徴する存在になった。

解体予定だった

だが、実はエッフェル塔は当初完成から20年後に解体される予定になっていた。ラジオのための電波塔として使えることになって存続できたのだ。

人気観光スポットに

「鉄の貴婦人」ことエッフェル塔を残しておいたのは正しい選択だったと言えるだろう。エッフェル塔には毎年数多くの観光客が訪れ(2022年には620万人)、パリの風景をこれ以上なく象徴する建築物となっている。

自由の女神像の構造設計

エッフェルが腕を振るった建築物はフランスの外にもたくさんある。エッフェル塔建設の数年前、エッフェルはアメリカの自由の女神像の構造設計を担当、像は1886年に完成した。

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彫刻家とのコラボ

自由の女神像は独立宣言100周年を記念してフランスからアメリカに贈ったものだった。設計全体を統括したのもフランス人で、彫刻家のフレデリック・オーギュスト・バルトルディだった。

ブダペスト西駅のホール

1870年代にはエッフェルはハンガリーの首都ブダペストにあるブダペスト西駅の駅舎を設計。金属とガラスを効果的に使ったホールが印象的だ。

モンテカルロのオテル・エルミタージュ

1890年から1896年にかけて建設されたモンテカルロのオテル・エルミタージュは別の建築家、ニコラ・マルケの作品だが、「ジャルダン・ディヴェール(冬の庭)」の間にあるガラスの大天井はエッフェルの設計によるものだ。

1970年代にリノベーション

エッフェルらしく金属とガラスが多用された構造だが、1970年にはリノベーションを受けた。金箔やパステルで飾られた今の姿は改装後のものだ。

ポルトのマリア・ピア橋

この壮大な橋はマリア・ピア橋。ポルトガルのポルトにあり、全長は353メートル、1876年1月から1877年11月にかけて建築された。名前は当時のポルトガル王妃からとられており、ドウロ川の両岸を結んでいる。

ハノイのロンビエン橋

エッフェルの設計かもしれない橋がもう一つある。ベトナムのハノイにあるロンビエン橋だ。世紀の変わり目に建設されたこの橋は紅(ホン)川の両岸を結んでおり、ベトナムがフランスの植民地だった時代を象徴する建築物とみなされている。現在はハノイ市の歴史遺産に指定されている。ただし、いかにもエッフェル的なスタイルの設計だが正確な作者は不明となっている。

ギザの動物園のつり橋

1891年、エジプトのギザに動物園が開園。それ以来エッフェルの設計したつり橋が園内を見渡す絶景ポイントとなっている。パリのビュット・ショーモン公園にあるエッフェル設計のつり橋をエジプトの副王が見たことがきっかけでエジプトでの仕事となった。

写真:Creative Commons, Wikimedia, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Giza_Zoo_Zoological_Garden_2.jpg?uselang=ja, CC BY 2.0

オリサバの「鉄の宮殿」

メキシコのオリサバにある「鉄の宮殿」はベルギーで作られたパーツをメキシコで組み立てるという工法で建てられた。1894年に竣工し、以来長いあいだ市庁舎として使われていた。

写真:Creative Commons, Wikimedia, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Palais_de_Fer.jpg?uselang=ja, CC0 1.0

アリカのサン・マルコス教会

ラテンアメリカにはほかにもエッフェルの作品がある。チリのアリカにあるサン・マルコス教会だ(竣工1875年)。エッフェルはチリでほかにも多くの建物を手がけ、多くのチリの建築家たちに影響を残している。

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