2025年の旅行トレンドとは:エクスペディア「Unpack '25」をチェックしよう
旅のトレンドは時代を反映して刻々と変化を続ける。最近は従来型の観光とは異なるユニークな体験を求める傾向が高く、とくにZ世代にそうした傾向が強いという。今回はエクスペディアグループが発表した2025年の旅行トレンド「Unpack '25」から、6つの最新トレンドとおすすめの都市をみていこう。
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映画やドラマで撮影の舞台となった場所を訪れる、いわゆる「聖地巡礼」も変わらず人気となっている。ハリウッド映画に誘われて世界各地のロケ地を訪れてみるのもいい。
ドバイを舞台にしたリアリティショー『The Real Housewives of Dubai(原題)』のヒットにより、アラブ首長国連邦(UAE)に関する検索は昨年比で3割も増加したという。ワイルドな自然が好みならドラマ『イエローストーン』の舞台となったモンタナやワイオミングがあるし、『ONE PIECE』さながらの海岸を求めて、実写版ドラマのロケ地にもなった南アフリカに行ってみるのもいい。
いろいろ考えることなくのんびりできるリゾート旅行は一時期人気が低迷していたが、Z世代は苦労の少ないラグジュアリー体験を望んでおり、ふたたび注目を集めている。観光客のために完成度の高いプログラムが用意され、ゆっくりと寛げるオールインクルーシブホテルがハイエンドな旅先として復活しつつある。
画像:Mikhail Nilov/Pexels
そうしたラグジュアリーなオーシャンリゾートの代表がメキシコのカンクンにあるAVAリゾートだ。プライベートプールや豊かな美食体験、体験型のフィットネスプログラムなど、あらゆる層にアピールするプランが盛りだくさんとなっている。ほかの国ではオーストリアのアルピンリゾート・ザールバッハや、アンティグア・バーブーダのロイヤルトンCHICがオールインクルーシブホテルとして有名だ。
オーバーツーリズムはいまや全世界的な問題となっている。こうした状況から、気の利く旅人たちは定番となった行き先の代わりに、有名観光地の周辺にある比較的マイナーな場所を選んだり、そもそも人気の都市には足を踏み入れない場合もある。知名度はいまひとつでも人気観光地に遜色ない魅力をそなえたエリアのひとつが、たとえばギリシャのサントリーニ島だ。
スペインのバルセロナも押し寄せる観光客に悩まされている都市のひとつだ。一方、ジローナはそれほど人混みに悩まされずに、バルセロナに劣らない豊かな体験が期待できる。中世のたたずまいを残した通りを散策したり、歴史ある城壁を探索したり、美食に舌鼓を打ったり…… ほかにも、イタリアならミラノの代わりにブレシア、フランスならパリの代わりにランスという選択肢もある。
2025年の旅行トレンドは土地柄を反映した「買い物」だ。旅先でしか手に入らない貴重なグッズを購入するのは旅の大きな楽しみのひとつ。珍しいスパイスや職人技の光る工芸品、あるいはたまの贅沢に豪華な品を買ってみるのもいいだろう。
そうした観点から注目を集めているのが京都の宇治だ。抹茶の本場である宇治では茶道体験が人気を集めているほか、新鮮な茶葉やハイグレードな抹茶を買って帰る人が多い。茶摘み体験では実際に茶葉を収穫し、家族や友人へのお土産にすることもできる。宇治のほかにもミントの葉が市場で山積みにされているモロッコや、コーヒー生産で有名なコスタリカなどで生産地訪問が好評。
すべて完備のリゾートホテルと同じく、昔日の輝きを取り戻しつつあるのがホテルだ。いまやホテルはただ泊まるための場所ではなく、食事をする場所としても注目されている。一流ホテルの多くが有名シェフとコラボし、食事のためだけでも訪れる価値のある場所としてアピールしている。
ラスベガスのストリップ地区に新たにできたホテル「フォンテンブロー・ラスベガス」には30以上のレストランが軒を連ねており、そのどれもが高名なシェフを世界中から招いて立派なメニューを売りにしている。写真はその中にある寿司レストランで、12席のカウンターで本場さながらのサービスを受けられる。他には、ナポリのROMEOやアルゼンチンのSusana Balboが同じく最高の美食体験を提供してくれる。
SNS時代には旅行のあり方も大きく変わり、いまやTikTokやInstagramを開いてワンクリックするだけで、インフルエンサーなどが企画した旅行プランを予約することができる。予約や行程にいっさい頭を使わなくて良い手軽さが人気だ。
旅行のタイプも幅広く用意されており、メキシコシティでのショッピングから、アイスランドでの冒険旅行まで、自分の理想の旅行をみつけてすぐに予約することができる。予約プロセスはかつてない手軽さで、旅行のハードルを可能な限り下げてくれている。
画像:Expedia.com
ここまで見てきた6つのトレンド以外にも、新たな旅の傾向が登場しつつある。そんな2つを見てゆこう。
ひところ「FOMO」という感覚が取り沙汰されたことがある。FOMOとは「Fear of Missing Out」の略で、自分が何もしていない間に他の人がなにか生産的だったり、楽しいことをしているのではないか、という不安感のことだ。だが、いまはそのFOMOを逆転させて、むしろ取り残されることを喜びとするJOMO(Joy of Missing Out)の時代。最先端の情報にさらされる現代生活を飛び出し、ひたすら自分を取り戻してみよう。
画像:eberhard grossgasteiger/Pexels
そんなJOMO体験の場所として有力なのが、スコットランド・ダルケイスにある宿泊施設「The Old Millhouse」だ。閑静な環境で緑に囲まれ、心温まる昔ながらの建物に滞在すれば、ばっちりデジタルデトックスできること間違いなし。ほかには、オレゴン州ベンドの川沿いのコテージや、メーン州ケネバンクポートのドームハウスが人気だ。
画像:VRBO
「死ぬまでにやっておきたいことリスト」をつくり、その達成を目指すひとが増えつつある。そうしたリストに多いのが、オーロラを眺めたいとか珍しい渡り鳥を観察したいといった大自然にまつわる体験だ。2025年は自然の偉大さに触れてみてはいかがだろうか。
アメリカのグレートスモーキー山脈は、毎夏、幾千ものホタルが舞い踊ることで知られている。神秘的な天然のイルミネーションは自然派の旅人や写真家たちに大人気だ。他にはフロリダのヴェロ・ビーチで見られる発光プランクトンや、デンマークで「黒い太陽」とも呼ばれるムクドリの大群による集団行動「マーマレーション」が注目されている。