愛知県長久手市にジブリパークが開園:アニメの世界が現実に
2022年11月1日、宮崎アニメの世界に浸りたいというジブリファンの夢が現実のものとなった。愛知県長久手市に待望のジブリパークがようやく開園したのだ。名古屋市周辺の新たな旅行先としても注目だ。
ジブリパークは、2005年に開催された日本国際博覧会の跡地「愛・地球博記念公園」内にある。ここを訪れる人はお気に入りのキャラクターやスクリーンでお馴染みの景色に囲まれて、思い出深いひと時を過ごすことができるのだ。
スタジオジブリの星野康二代表取締役会長(写真)はCNN Travelのウェブサイト上で次のようなコメントをしている:「新型コロナウイルスの世界的流行で、私たちはこの3年間とても難しい局面に精一杯立ち向かうことになりました(……)コロナ禍が克服されつつある今、このパークをオープンできることにとても大きな意義を感じています」
ジブリパークの開園で、『千と千尋の神隠し』に登場する列車に乗り込んでカオナシの隣に座ったり、『となりのトトロ』でお馴染みの大小さまざまなトトロと触れ合うことができるようになった。
ジブリパークの公式ウェブサイトではプロジェクトの発案者や推進者たちが、これは「他に類を見ないテーマパーク」だと強調。来園者の訪問を心待ちにしている。
写真:宮崎駿監督の長男、宮崎吾郎氏
ジブリパークには、一般的な遊園地と異なり「大掛かりなアトラクションや乗り物」はない。園内をのんびり散策しながら、スタジオジブリが生み出した名作の世界を探検してもらうことが意図されているためだ。
およそ7万平方メートルの敷地に造成されたこの公園は、5つのエリアに分かれている。ただし、今のところ入場できるのは「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリアだけだ。
スタジオジブリがアニメ制作に利用した資料や機材を集めた魔法の空間、「ジブリの大倉庫」。ジブリ映画の秘密を知りたいファンにとって、絶対に見逃すことのできないエリアだ。
「ジブリの大倉庫」には最大170名を収容できる映画館「オリオン座」が設けられており、以前は三鷹の森ジブリ美術館でしか公開されていなかったオリジナルの短編映画10作品が上映されている。
写真:ghibli-park.jp
ジブリパークの展示はただ眺めて楽しむものばかりではない。アニメの世界を再現した小道具やセットに足を踏み入れ、お気に入りの作品の主人公なりきることだってできるのだ。
一般公開されている2つ目のエリア「青春の丘」には、映画『耳をすませば』に登場する「地球屋」が。この一角からは公園内に広がる素晴らしい景色を見渡すことができる。
すでにオープンしている3つ目のエリア「どんどこ森」は、映画『となりのトトロ』の世界を再現。サツキとメイの家(写真)を訪問することもできる。
一方、残り2つのエリア、『もののけ姫』をフィーチャーした「もののけの里」と『ハウルの動く城』や『魔女の宅急便』に着想を得た「魔女の谷」はまだ建設中だ。
CNN Travelのウェブサイトによると、この2つのエリアは2030年に一般公開される予定だということだが、正確な日程は未定だ。
『借りぐらしのアリエッティ』の庭もこの通り、驚くほど精緻に再現されている。
「ジブリの大倉庫」に鎮座する「ネコバス」に乗り込んで記念撮影。来園者たちは憧れのジブリキャラクターとの出会いを、思い思いに楽しんでいるようだ。
映画『思い出のマーニー』の主人公マーニー。この名作を指揮したのは当時スタジオジブリに所属していた米林宏昌監督だ。
さらに、小さい子供向けの遊び場やジブリグッズを販売する土産物店、一息つけるバーやカフェもある。
ジブリパークで宮崎アニメの世界を堪能するには、公式ウェブサイトから予約をしなくてはならない。入場券はエリアごと別々になっており、個別に販売されている。
入場料については「青春の丘」と「どんどこの森」が大人1000円・子供500円、「ジブリの大倉庫」は大人2500円・子供1250円(土日・祝日)となっている。
また、開園時間は平日なら午前10時~午後5時、土日・祝日は午前9時~午後5時となっており、祝日を除く毎週火曜日は休園日だ。