『SHOGUN 将軍』、ゴールデングローブ賞で日本人初の主演男優賞と助演男優賞に輝く
年明けに開催された米ゴールデングローブ賞で、『SHOGUN 将軍』が史上最多タイとなる4部門で受賞を果たした。同ドラマは昨年のエミー賞でも過去最多の18冠に輝き、大きな注目を集めたばかりだ。
『SHOGUN 将軍』は17世紀の日本を舞台にした歴史ドラマシリーズで、Disney+が配信している。第1話公開からたちまちのうちに大ヒットを記録し、2024年のテレビ界を席巻した。
画像:Disney
米AP通信によれば、『SHOGUN 将軍』の最も興味深い点は、日本が舞台というだけでなく、セリフもほとんどが日本語であることだという。
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この作品はジェームズ・クラベルが1975年に執筆した小説『将軍』を原作としている。『TIME』誌によれば、この小説は日本に初めて来たイギリス人で、「サムライ」の称号を与えられた最初のヨーロッパ人であるウィリアム・アダムスをモデルにしているという。
この原作がドラマ化されるのは初めてのことではない。1980年に米NBCが『将軍 SHŌGUN』として製作・放送し、三船敏郎をはじめ多くの日本の俳優が出演したのだ。
エンタメニュースを提供する「スクリーン・ライト」によれば、2024年にリメイクされた『SHOGUN 将軍』は、1980年版を凌ぐ出来栄えだとしている。批評家たちも豪華なキャストや思いがけないストーリー展開、そしてディテールへのこだわりを高く評価しているという。
『SHOGUN 将軍』はこれまで数々の賞を獲得し、日本人としても初の主演男優賞といった偉業を達成している。今回はそんな日本の出演者たちを見てゆこう。
吉井虎永役で主人公を演じた真田広之は、日本人としてはじめてゴールデングローブ賞テレビドラマ部門の主演男優賞に輝いた。真田は2024年のエミー賞でも同じ賞を手にしており、今回で2度目の主演男優賞となる。
真田は1999年に英ロイヤル・シェークスピア・カンパニー公演『リア王』に日本人として初めて出演し、ハリウッド映画『ラスト サムライ』(2003年)への出演を機に拠点をロサンゼルスに移した。以降、ヒット作となった映画『スピード・レーサー』(2008年)や『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)、エミー賞受賞作のHBO『ウエストワールド・シーズン2』(2018年)などに出演している。
樫木藪重を演じた浅野忠信はゴールデングローブ賞テレビドラマ部門の助演男優賞に初めてノミネートされ、みごと受賞。真田と同様、この賞を手にした初の日本人となった。
浅野は1990年に『バタアシ金魚』でスクリーンデビューを飾り、1996年に『Helpless』で映画初主演を務めた。以降、数多くの国内外の映画に出演し、主役を務めた『モンゴル』(2008年)は、アカデミー賞の外国語作品部門にノミネートされた。
ハリウッドデビュー作は『マイティ・ソー』(2011年)シリーズで、『47RONIN』(2013年)や『モータルコンバット』(2021年)などにも出演している。
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アンナ・サワイはニュージーランドで生まれ、東京で育ち、現在は海外を拠点に活動している。『SHOGUN 将軍』ではヒロイン戸田鞠子を演じ、エミー賞とゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得した。
アンナ・サワイは2013年に結成した日本の5人組女性ダンスボーカルグループ「FAKY」の元リーダーだ。約5年間活動した後、女優になるために2018年にグループを卒業した。
アンナ・サワイはApple TV+の『パチンコーPachinko』(2022年)シリーズでも演技を高く評価されている。『SHOGUN 将軍』で主演女優賞を手にしたことで、さらに多くの出演オファーが集まるに違いない。
興味深いことに、1980年版の『将軍 SHŌGUN』で、戸田鞠子を務めた島田陽子もゴールデングローブ賞主演女優賞を手にしている。『VOGUE』誌によれば、同じ役に同じ賞が与えられたのは初めてのことだったという。