2024年版『フォーブス』誌がセレブ長者番付を発表:1位から14位を総チェック
2024年4月、米経済紙『フォーブス』が長者番付の「セレブ版」を発表した。そこにはアーティストやアスリート、エンタメ起業家などさまざまな人たちが名を連ねている。いったいだれが最も多くの資産を築いただろうか。1位から順に結果を見てみよう。
1位となったのは映画監督のジョージ・ルーカス(79)だ。ルーカス監督は『インディ・ジョーンズ』や『スター・ウォーズ』などのシリーズの生みの親として知られている。その映画シリーズのロイヤルティや商品化権のほか、2012年に創設した会社「ルーカスフィルム」の売上もあって、堂々の1位となった。
ジョージ・ルーカスはデビュー当初、映画を自主制作していた。だが、そこから成功を続け、いまでは55億ドル(約7,900億円)もの資産を手にしているということだ。
2位となったのも同じく映画監督のスティーブン・スピルバーグ(77)だ。総資産額は48億ドル(約6,900億円)とされている。スピルバーグ監督は『ジョーズ』(1975年)『E.T.』(1982年)『シンドラーのリスト』(1993年)などの大作が有名だ。
スピルバーグ監督は自作の興行収入を手にしているほか、世界各地にあるユニバーサル系列のテーマパークや、自身の制作会社「アンブリン・エンターテインメント」からも収入を得ている。
『フォーブス』誌によると、元バスケットボール選手のマイケル・ジョーダン(61)は2015年にアスリートとして初めて長者番付入りしたという。そのジョーダンはいまでは32億ドル(約4,600億円)もの資産を手にしているとされる。主な収入源はスポーツ用品のライセンス料で、とりわけナイキの「エア・ジョーダン」シリーズが大きい。
また、ジョーダンはNBAのチーム「シャーロット・ホーネッツ」のオーナーとして収益を得ているほか、スポーツくじ関連会社に投資したり、不動産投資にも乗り出したりしている。
テレビ司会者のオプラ・ウィンフリー(70)は恵まれない境遇から成功にたどり着いており、世界の女性にとっての希望の星ともなっている。そんな彼女の総資産は28億ドル(約4,000億円)だという。
オプラ・ウィンフリーは司会者を務めているだけでなく、メディア制作会社「ハーポ・フィルムズ」など多くの企業のオーナーでもある。所有企業にはほかにもダイエット食品会社「ウェイト・ウォッチャーズ」やレストランチェーン「トゥルー・フード・キッチン」などがある。もちろん、自身のテレビチャンネルも所有している。
ラッパーにして歌手ビヨンセの夫でもあるジェイ・Zも、ヒップホップ・アーティストとして初めて長者番付入りした人物として知られている。
54歳となったジェイ・Zの総資産は25億ドル(約3,600億円)とされる。これほどの金額を手にしたのは、これまで所有していたシャンパンブランド「Armand de Brignac」をLVMHグループに売却し、コニャックブランド「D’Usse」もバカルディに売却したことが大きい。また、ジェイ・Zは投資にも熱心で、Uberや決済サービス運営のBlock(旧Square)などから配当を得ている。
インフルエンサー兼起業家のキム・カーダシアン(43)は、リアリティ番組「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」で一躍その名を高めた。美容化粧品やファッション・ブランドなどを運営し、いまの総資産額は17億ドル(約2,400億円)とされている。
ニュージーランド出身の映画監督ピーター・ジャクソン(62)の総資産額は15億ドル(約2,150億円)とされる。映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作や『ホビット』シリーズの興行収入のほか、VFX制作会社「WETAデジタル」を売却したことも資産の増加に寄与した。
俳優、映画監督、脚本家のタイラー・ペリー(54)は総資産額14億ドル(約2,000億円)とされ、8位にランクインした。30年にわたる映画やテレビ、劇場での活躍が実を結んだ形で、資産の多くは『マデア』シリーズによるものだ。
ポップ歌手のリアーナ(36)もセレブ長者の仲間入りを果たした。14億ドル(約2,000億円)とも言われる資産はしかし、歌手としての活動だけからもたらされたものではない。実はリアーナはファッションや美容業界で活動する起業家でもあるのだ。
ゴルフ選手のタイガー・ウッズ(48)は現役選手として今回の番付入りを果たした数少ないスポーツ選手で、それを達成したのはほかには11位のルブロン・ジェームズだけだ。ウッズの総資産額は13億ドル(約1,860億円)とされている。
ウッズはマスターズでの5度の優勝歴を誇り、スポンサー契約やパートナー契約を通じて資産を増やしていった。30年にわたったナイキとの契約が好例だが、この契約が終わった途端、ウッズは独自の衣料ブランドを打ち出した。
バスケットボール選手のルブロン・ジェームズ(39)は総資産額12億ドル(約1,700億円)とされている。ジェームズは多角的な投資を行っており、不動産やエンタメ企業、食品産業のほか、野球チームのボストン・レッド・ソックス、サッカーチームのリヴァプールFC、ホッケーチームのピッツバーグ・ペンギンズなどに出資している。
長者番付入りを果たしたもうひとりのバスケ選手がマジック・ジョンソンだ。ジョンソンは現役時代に超高額の年俸やスポンサー契約などで稼いでいたうえ、引退してからもスポーツチームへの出資(アメフトのワシントン・コマンダーズ、野球のロサンゼルス・ドジャース、女子バスケのロサンゼルス・スパークス)で成功している。ジェームズの総資産額も12億ドル(約1,700億円)とされている。
ちなみに、ジェームズは巨大な保険・金融サービス会社「EquiTrust」も所有しているほか、多業種の起業家らとのつながりも太い。
ディック・ウルフ(77)という名前はすぐにはピンとこないかもしれないが、彼が脚本や制作で関わった作品は見たことがある人も多いはずだ。80年代の名作『特捜刑事マイアミ・バイス』を筆頭に警察ドラマの仕事が多く、『LAW & ORDER』シリーズや『シカゴ』シリーズ、『FBI: 特別捜査班』などに携わっている。そんな彼の総資産額は12億ドル(約1,700億円)とされている。
テイラー・スウィフト(34)は2023年10月からこの長者番付に名前が載っている。歌とパフォーマンスだけで11億ドル(約1,570億円)もの資産を達成した初の人物だという。
とはいえ、最近ではアーティストの仕事も多様化しており、テイラー・スウィフトもアルバムを売るだけではなく、ロイヤルティやストリーミング配信、ツアー、作詞家としての印税、スポンサー契約などを通じて収益を得ている。