『デッドプール3』でウルヴァリン役に復帰するヒュー・ジャックマンの体づくり
まだしばらく先だが、2024年11月8日「デッドプール」シリーズ第3作が公開される。主演はもちろんライアン・レイノルズ、マーベル・コミックで屈指の人気を誇るヒーロー「デッドプール」を演じる。シリーズ第3作にはヒュー・ジャックマンも参加することが明らかになった。ウルヴァリン役でマーベルの世界に再び登場するのだ。
ヒュー・ジャックマンがそのミュータント(やたらと長い爪が特徴)を最後に演じたのは『ローガン』(2017年)でのことだった。監督はジェームズ・マンゴールド。それでおしまいかと思ったら、どうやらそうではないらしい。ファンにとってはうれしい復活だ。
だがもちろん、再びウルヴァリンを演じるにあたり、台本をしっかり読み込めばそれでよし、というわけにはいかない。ヒュー・ジャックマンは目下のところ、厳しい食事管理・トレーニング・筋肉増強に励んでいるという。米人気トーク番組『ザ・レイト・ショー』(ホスト役はスティーヴン・コルベア)に出演した際、本人自らそのことを語った。
これまでになく大変なのは、進行中のプロジェクト(映画や舞台など)と私生活をうまく両立させていくことだとヒュー・ジャックマンは説明する。ブロードウェイでは最近『ザ・ミュージック・マン』が成功を収めた。
ヒュー・ジャックマンは番組で、『デッドプール3』のための厳しい体づくりを明かしている。「とにかく食べて、トレーニングをしているよ」と未来のウルヴァリン役は語る。
体づくりの主眼は筋肉をバルクアップ(肥大)させることにある。そのためヒュー・ジャックマンは、バルクアップの期間には6000kcalの食事を摂取しているという。成人男性に必要なカロリーが1日2000~2400kcalであることを考えると、これはまったく驚くべき数字だ。
彼はすでにブロードウェイの出演を終えたが、舞台のおかげで食べる量を増やさなければならなかったとヒュー・ジャックマンは語る。一度のショーで1500kcalが消費され、公演中は週に8回それが繰り返された。
新作に合わせて一定期間内に筋肉をバルクアップさせるためにトレーナーが推奨するカロリー摂取量は1日6000kcalだったが、実際には目標を下回る4500kcalから5000kcalとなったことから食事量をさらに増やさなければならなかった。
ブロードウェイの公演の終了後、ヒュー・ジャックマンはせっせと食べてトレーニングに精を出しているという。トレーニングの効果はすでに表れていたらしく、彼は舞台『ザ・ミュージック・マン』の衣装パンツを3本破いたと番組で語っている。
これだけ極端な高カロリーを摂りつつ、しかし太ることなく体を大きくしていくため、ヒュー・ジャックマンはトレーニングに加えて「16:8ダイエット」を続けているということだ。これは断続的な絶食のようなもので、16時間何も食べずに過ごし、続く8時間のあいだに相当な量のカロリーを摂取するという方法である。
あまり詳しくない人のために付け加えると、このダイエットを実践する人はおおむね、夕食をとった後、次の昼食まで何も口にしない方法をとる。朝食を抜くのだ。
ヒュー・ジャックマンの場合、『メンズ・ヘルス』誌によれば、昼食と夕食の間に6度に分けて食事をとる。摂るのは健康的な食物とはいえ、かなりの量を短い時間で詰め込むので、相当なカロリーが一気に体に供給されることになる。
フィットネス系ユーチューバー「Aseel Soueid」がこのウルヴァリン式ダイエットに1日だけ取り組んでみた。午後2時から午後10時までが食事可能な時間だ。
最初の食事はオートミール1カップ40gを電子レンジで戻したものにブルーベリー1カップを載せたものと目玉焼き2個。食事2は茹でたブロッコリー1カップ、じゃがいも200g、サーロインステーキ(10オンス)、ギリシャサラダ(きゅうり、フェタチーズ、オリーブ、トマト、オリーブオイルなど)。食事3は鶏胸肉170g(皮なし)、玄米1カップ、ギリシャサラダ。食事4はミックスナッツ0.5カップ、プロテイン(クッキー&クリーム味)32g。食事5はテラピア(魚)170gのソテー、茹でブロッコリー1カップ、アボカド100g、ギリシャサラダ。食事6は、ミックスナッツ半カップだ。
このメソッドにより、1日のカロリーを一気に摂取して新陳代謝を促進し、何も食べない時間に体は、たまった体脂肪を燃やして必要なエネルギーを捻出する。
トレーニングの詳細には立ち入らないが、今年1月にテレビ番組『Who's Talking to Chris Wallace?』に出演したヒュー・ジャックマンのコメントからはウルヴァリン役にかける熱意のほどが伺える。『ピープル』誌によると、舞台『ザ・ミュージック・マン』が終わってから映画の撮影に入るまで、6ヶ月の準備期間をとってあるとヒュー・ジャックマンは同番組で語った。「ほかの仕事は一切やらない。家族と過ごして、トレーニングをするだけだ。6ヶ月間、それが僕の仕事になる」
『バラエティ』誌もこのテレビ番組に注目している。番組パーソナリティのChris Wallaceはヒュー・ジャックマンに、ウルヴァリンを演じるにあたってステロイドなどの薬は使っているのか、という疑問を投げかけるが、副作用の逸話をよく耳にしているジャックマンは、ステロイドはまったく使っていないと述べた。だが、鶏肉はいっぱい食べているようだ。
さて、このような食生活とトレーニングによって、ヒュー・ジャックマンは着々とウルヴァリンの体を作りつつある。「X-Men」シリーズの人気キャラ、ローガンの勇姿をスクリーンで再び拝める日まで、我々もがんばろうではないか。