英国映画協会が選ぶ「史上最高の映画100選」TOP20:日本の映画も登場

「史上最高の映画100選」
1位:『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』
シャンタル・アケルマン監督
初めて女性映画監督の作品が1位を獲得
2位:『めまい』
3位:『市民ケーン』
4位:『東京物語』
5位:『花様年華』
6位:『2001年宇宙の旅』
7位:『美しき仕事』
8位:『マルホランド・ドライブ』
9位:『これがロシヤだ』
10位:『雨に唄えば』
11位:『サンライズ』
12位:『ゴッドファーザー』
13位:『ゲームの規則』
14位:『5時から7時までのクレオ』
15位:『捜索者』
16位:『午後の網目』
17位:『クローズ・アップ』
18位『仮面/ペルソナ』
19位:『地獄の黙示録』
20位:『七人の侍』
「史上最高の映画100選」

英国映画協会が『サイト&サウンド』誌で「史上最高の映画100選」を発表した。評論家、監督、興行主などの映画関係者1,600人以上の投票を元に作成されたリストだ。

1位:『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

「史上最高の映画100選」の頂点に立ったのは、『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』。1976年に公開された3時間に及ぶベルギー映画で、ある女性の3日間の生活が描かれている。

シャンタル・アケルマン監督

ブリュッセル生まれのシャンタル・アケルマンが『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』の監督を務めた。深い女性観察とフェミニズムに基づくアプローチが高く評価されている作品だ。2015年に死去したシャンタル監督は長年うつ病と闘っていたとされる。

初めて女性映画監督の作品が1位を獲得

これまではヒッチコックやオーソン・ウェルズのような男性監督の作品がトップの位置を占めていたが、今回、初めて女性監督シャンタル・アケルマンの映画が頂点に立った。今回はこの「史上最高の映画100選」から上位20作品をみていこう。

2位:『めまい』

サスペンスの神様と呼ばれたアルフレッド・ヒッチコック監督のミステリーサスペンス映画。精神分析的な背景と豊かな詩情をもつ、芸術性の高い作品だ。

3位:『市民ケーン』

数年前までは1位を占めていたオーソン・ウェルズ監督の処女作。今回は3位となったが、監督のフィルモグラフィーの中で最高傑作、少なくとも最も影響力のある映画とされている。

4位:『東京物語』

日本映画では小津安二郎監督の『東京物語』が最上位となった。レオ・マッケリー監督のハリウッド長編映画『明日は来らず』に影響されて、1953年に誕生した映画。

5位:『花様年華』

香港の映画監督ウォン・カーウァイが2000年に作成した、交差する恋心を描いた不思議な物語。視覚的にとても美しい作品だ。

6位:『2001年宇宙の旅』

スタンリー・キューブリックが製作・監督したSF映画。賛否両論、様々な評価を受けた作品だが、映画史上最も影響力のある作品の一つとされている。

7位:『美しき仕事』

ハーマン・メルヴィルの遺作にして最大の問題作である「ビリー・バッド」を、女性監督であるクレール・ドニが自由に脚色した1999年の作品。

8位:『マルホランド・ドライブ』

デイヴィッド・リンチ監督による、見る者を混乱させる映画。正統派の批評家たちは、この映画より『エレファント・マン』の方を高く評価している。

9位:『これがロシヤだ』

1929年にジガ・ヴェルトフが監督したドキュメンタリー映画。当時最先端の特殊撮影技法を駆使して、旧ソビエト連邦のとある都市の日常風景が描かれている。

10位:『雨に唄えば』

ジーン・ケリー監督の、言わずと知れたハリウッドの名作。

11位:『サンライズ』

ドイツ出身の映画監督F・W・ムルナウがアメリカで初めて撮影した映画。フォックス社から莫大な資金提供を受け、1927年に製作された。

12位:『ゴッドファーザー』

フランシス・フォード・コッポラ監督が、マリオ・プーゾの小説「ゴットファーザー」を映画化した。当時の興行記録を塗り替える大ヒット作で、映画史上最高の作品とする人も多い。

13位:『ゲームの規則』

ジャン・ルノワール監督の美しい作品。フランスを代表するコメディ映画だ。

14位:『5時から7時までのクレオ』

アニエス・ヴァルダ監督の最も重要な作品で、女性的な観点から描かれる。

15位:『捜索者』

ジョン・フォード監督によって、1956年に製作・公開された西部劇映画。

16位:『午後の網目』

ウクライナ系アメリカ人のマヤ・デレンが監督した1943年の実験的短編映画。

17位:『クローズ・アップ』

イランの映画監督アッバス・キアロスタミによる傑作。

18位『仮面/ペルソナ』

名画リストに欠かせない存在の一人が、スウェーデン出身の映画監督イングマール・ベルイマンだ。『仮面/ペルソナ』や『第七の封印』をはじめとした数多くの名作を残している。

19位:『地獄の黙示録』

何年も前から映画を作っていないが、フランシス・フォード・コッポラは高い評価を受け続けている監督の一人だ。

20位:『七人の侍』

日本からは黒澤明監督の『七人の侍』もランクインしている。

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