英国映画協会が選ぶ「史上最高の映画100選」TOP20:日本の映画も登場
英国映画協会が『サイト&サウンド』誌で「史上最高の映画100選」を発表した。評論家、監督、興行主などの映画関係者1,600人以上の投票を元に作成されたリストだ。
「史上最高の映画100選」の頂点に立ったのは、『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』。1976年に公開された3時間に及ぶベルギー映画で、ある女性の3日間の生活が描かれている。
ブリュッセル生まれのシャンタル・アケルマンが『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』の監督を務めた。深い女性観察とフェミニズムに基づくアプローチが高く評価されている作品だ。2015年に死去したシャンタル監督は長年うつ病と闘っていたとされる。
これまではヒッチコックやオーソン・ウェルズのような男性監督の作品がトップの位置を占めていたが、今回、初めて女性監督シャンタル・アケルマンの映画が頂点に立った。今回はこの「史上最高の映画100選」から上位20作品をみていこう。
サスペンスの神様と呼ばれたアルフレッド・ヒッチコック監督のミステリーサスペンス映画。精神分析的な背景と豊かな詩情をもつ、芸術性の高い作品だ。
数年前までは1位を占めていたオーソン・ウェルズ監督の処女作。今回は3位となったが、監督のフィルモグラフィーの中で最高傑作、少なくとも最も影響力のある映画とされている。
日本映画では小津安二郎監督の『東京物語』が最上位となった。レオ・マッケリー監督のハリウッド長編映画『明日は来らず』に影響されて、1953年に誕生した映画。
香港の映画監督ウォン・カーウァイが2000年に作成した、交差する恋心を描いた不思議な物語。視覚的にとても美しい作品だ。
スタンリー・キューブリックが製作・監督したSF映画。賛否両論、様々な評価を受けた作品だが、映画史上最も影響力のある作品の一つとされている。
ハーマン・メルヴィルの遺作にして最大の問題作である「ビリー・バッド」を、女性監督であるクレール・ドニが自由に脚色した1999年の作品。
デイヴィッド・リンチ監督による、見る者を混乱させる映画。正統派の批評家たちは、この映画より『エレファント・マン』の方を高く評価している。
1929年にジガ・ヴェルトフが監督したドキュメンタリー映画。当時最先端の特殊撮影技法を駆使して、旧ソビエト連邦のとある都市の日常風景が描かれている。
ジーン・ケリー監督の、言わずと知れたハリウッドの名作。
ドイツ出身の映画監督F・W・ムルナウがアメリカで初めて撮影した映画。フォックス社から莫大な資金提供を受け、1927年に製作された。
フランシス・フォード・コッポラ監督が、マリオ・プーゾの小説「ゴットファーザー」を映画化した。当時の興行記録を塗り替える大ヒット作で、映画史上最高の作品とする人も多い。
ジャン・ルノワール監督の美しい作品。フランスを代表するコメディ映画だ。
アニエス・ヴァルダ監督の最も重要な作品で、女性的な観点から描かれる。
ジョン・フォード監督によって、1956年に製作・公開された西部劇映画。
ウクライナ系アメリカ人のマヤ・デレンが監督した1943年の実験的短編映画。
イランの映画監督アッバス・キアロスタミによる傑作。
名画リストに欠かせない存在の一人が、スウェーデン出身の映画監督イングマール・ベルイマンだ。『仮面/ペルソナ』や『第七の封印』をはじめとした数多くの名作を残している。
何年も前から映画を作っていないが、フランシス・フォード・コッポラは高い評価を受け続けている監督の一人だ。
日本からは黒澤明監督の『七人の侍』もランクインしている。