「ニルヴァーナ」のボーカル、カート・コバーンの一人娘:波乱万丈の生い立ち

30歳を迎えたフランシス・ビーン・コバーン
30歳まで生きられる?
「30歳、達成!」
「20歳のころの私は30歳まで生きられる自信がなかった」
「身体や脳の限界を超えるようなトラウマ」
「混乱と苦痛に満ちた日々」
死を覚悟した出来事
「間違いに気づいてよかった」
前向きに生きる
生まれる前から有名人
92年生まれ
両親の薬物依存
両親が親権を喪失
法廷闘争の末……
消えない傷跡
薬物使用をやめない父カート
最期に会ったのはリハビリ中
母も薬物依存
「ザナックス、アデラール……」
母の逮捕とリハビリ
当時の薬物依存を認めたコートニー
再び親権を失った母
目撃者となったフランシス
叔母と祖母の元で
「娘のことが一番大事」
繰り返される薬物使用
17歳で家を出る
祖母に感謝
3度目の親権喪失
意志の強い子
不安定な家庭環境が落とした影
募る苛立ち
それでも母が好き
できることはあまりない?
フランシス自身も……
脱薬物
薬物とは無縁の友達がカギ
健康的な活動
薬物なしで2年間
最高の決断
モデルとして
アーティストとして
恋人はトニー・ホークの息子
30歳を迎えたフランシス・ビーン・コバーン

ミュージシャンの母、コートニー・ラブとグランジ音楽のレジェンドで父の故カート・コバーンの間に誕生したフランシス・ビーン・コバーン。そんな彼女が30歳を迎えたというニュースは、往年の「ニルヴァーナ」ファンにとって時の流れを実感させるものだったはずだ。

 

 

30歳まで生きられる?

しかし、わずか27歳で謎の死を遂げた父カートから多くを受け継いだフランシスは、Instagramで30歳まで生きられる自信がなかったと告白した。

写真:Instagram@thespacewitch

「30歳、達成!」

フランシスは8月18日、記念すべき30歳の誕生日を「30歳、達成!」という投稿で祝い、数々の写真をシェアした。

 

「20歳のころの私は30歳まで生きられる自信がなかった」

そして、死を覚悟するほど苦労した経験について振り返った。いわく「正直なところ、20歳のころの私は30歳まで生きられる自信がなかった」とのこと。

 

 

 

「身体や脳の限界を超えるようなトラウマ」

「あの頃は、不安からくる本能的な深い自己嫌悪や自己破壊的な衝動、身体や脳の限界を超えるようなトラウマで、私自身やこの世界を正しく見つめることができなかった」と当時を振り返るフランシス。

 

 

「混乱と苦痛に満ちた日々」

さらに「これほどの混乱や、避けがたい悲しみをもたらす苦痛に満ちた日々を生きた人間として、苦い思いを通してだけど……」

 

死を覚悟した出来事

2017年には搭乗していた飛行機の片翼が燃え上がるというアクシデントに遭遇、大きな衝撃を受けたという。

「間違いに気づいてよかった」

誕生日の投稿では「でも皮肉なことに、死を覚悟したあの出来事のおかげで、それまでの経験を正しくとらえ、前向きな気持ちで振り返ることができたの」とした。

写真:Instagram@thespacewitch

前向きに生きる

フランシスが心の問題を克服するのに役立ったのは「前向きに生きる」という姿勢だったようだ。

写真:Instagram@thespacewitch

生まれる前から有名人

富と名声に恵まれた両親を持つフランシスは生まれる前から有名人だった。彼女の超音波写真は「ニルヴァーナ」が1992年にリリースした「Lithium」のカバーに使われたほどだ。しかし、だからといって順風満帆の人生が待っているわけではなかった。

 

92年生まれ

1992年、ロサンゼルスで誕生したフランシス・ビーン・コバーン。名前はロックバンド「ヴァセリンズ」のギタリスト、フランシス・マッキーにちなんで両親が付けたものだ。

 

両親の薬物依存

しかし、両親は当時、薬物依存に陥っており、児童相談所が介入する事態になってしまった。

 

両親が親権を喪失

フランシスがわずか生後2ヶ月の時に、両親は親権を失うことになってしまったのだ。

法廷闘争の末……

激しい法廷闘争の末、両親のコートニーとカートはようやく娘の親権を取り戻すことができたという。

消えない傷跡

しかし、両親の薬物依存はフランシス・ビーン・コバーンの人生に大きな影響を及ぼし続けることとなる。

薬物使用をやめない父カート

母コートニーが『The Fix』誌に語ったところによれば、彼女がフランシスを妊娠していたときですら「カートはヘロインを吸っていた」という。そして、その習慣は亡くなるまで治らなかったと言われている。

写真: Instagram@courtneylove

最期に会ったのはリハビリ中

実際、チャールズ・R・クロスが出版したカートの伝記『Heavier than Heaven』によれば、フランシスが生きている父の姿を最後に見たのは1994年4月1日、薬物依存症患者のリハビリ施設「Exodus Recovery Center」だったという。その一週間後には、シアトルの自宅で亡くなっているのが発見されることとなる。

写真:Instagram@thespacewitch

母も薬物依存

父がこの世を去っても、事態はそれほど改善しなかった。母も薬物依存だったからだ。

「ザナックス、アデラール……」

2009年の『デイリー・メール』紙上でフランシスは、「私が物心ついたときから母は薬物依存で、ザナックスやアデラール、ソナタ、アビリファイのおかげで生きているようなものだった」と打ち明けた。

 

 

母の逮捕とリハビリ

しかも、フランシスが幼いころ、母のコートニー・ラブは薬物がらみの犯罪で何度も逮捕されており、リハビリ施設の入退院を繰り返していたのだ。

画像:Sky News

当時の薬物依存を認めたコートニー

「ABCニュース」の報道によれば、コートニーは2001年から2004年にかけて「薬物を使用しており、自分の書いたものにはまったく意味がなかった」と回想しているという。これはフランシスが10代を過ごした時期と重なっている。

 

再び親権を失った母

実際、フランシスが11 歳だった2003年、コートニーは再び娘の親権を失うこととなった。

目撃者となったフランシス

音楽チャンネル「MTV」によれば、当時11歳だったフランシスは母の薬物過剰摂取やその後の逮捕劇を目の当たりにしてしまったという。

 

叔母と祖母の元で

その結果、父方の祖母ウェンディ・オコナーや父の妹キンバリー・コバーンがフランシスの面倒を見ることが多くなった。

写真:ウェンディとキンバリー(ニューヨーク、2014年)

「娘のことが一番大事」

薬物依存に苦しむ一方、娘の親権を取り戻したいと願っていたコートニー・ラブ。2005年にリハビリ施設を退院すると法廷に向かい、「娘のことが一番大事」だと述べた。

 

繰り返される薬物使用

しかし、親権を取り戻してからわずか数か月後には、CNN放送がコートニーの保護観察違反を報道。

 

17歳で家を出る

17歳を迎えたフランシスはわずらわしい家庭環境から解放されるため、祖母と一緒に暮らすという決断を下す。

祖母に感謝

その2年前、フランシスは『ハーパーズ・バザー』誌のインタビューで「祖母はどんなときも見守ってくれた」とコメントしていた。

3度目の親権喪失

その結果、コートニーは再び娘の親権を喪失。薬物依存から抜け出せないことで多くの批判を浴びることとなった。

意志の強い子

しかし、コートニーは『ピープル』誌に対し、「フランシスは17歳で意思の強い子です。これは彼女自身が下した決断です」と語っている。

不安定な家庭環境が落とした影

とはいえ、薬物依存の母を持つというのは容易なことではない。このことがフランシスの成長に影を落としたのは間違いないだろう。

 

募る苛立ち

実際、2018年にはポッドキャスト「RuPaul: What's the Tee?」の中で「私は長い間、不満でイライラしたり、ムカムカしていました」と打ち明けている。

 

 

それでも母が好き

それでも、「健康できちんとしているときは」母が好きだという。

 

できることはあまりない?

ただし、母の依存症についてできることはあまりないと分かっているらしく、「私が意見しても、母は思いとどまってくれないだろう」と打ち明けている。

 

フランシス自身も……

母親の薬物依存を疎ましく思っていたフランシスだが、実は彼女自身も薬物依存に悩まされたことがある。

脱薬物

しかし、2016年頃には薬物依存を脱することに成功。

薬物とは無縁の友達がカギ

ポッドキャスト「RuPaul: What's The Tee?」の中で、フランシスは「薬物とは無縁の友達」がカギだとコメントしている。

 

健康的な活動

いわく「もう無責任な行動はしていない。熱狂的で依存しやすい傾向はあるけれど、そのエネルギーは健全なアクティビティに向けているの」とのこと。

薬物なしで2年間

2018年、フランシスは薬物を絶って2年経ったことをInstagramで報告。しかし、この投稿は削除されてしまった。

最高の決断

『ピープル』誌によれば、フランシスは「自己破壊や薬物使用で苦しみから逃れるのは安易な手段。今を生きるという選択は、私自身だけでなく周囲の人々にとっても最高の決断だったはず」と書いたという。

モデルとして

不安定な子供時代や薬物依存に悩まされながらも、自分の道を切り開きつつあるフランシス。すでに何年もモデルとして活動しており、ファッションブランド「マーク・ジェイコブズ」の顔に起用されたこともある。

 

アーティストとして

また、アーティストとしてInstagramや展覧会を通じて作品を世に送り出している。

恋人はトニー・ホークの息子

また、プライベートも充実しているようだ。2022年1月には、伝説的スケートボーダー、トニー・ホークの息子ライリー・ホークとの交際をInstagramで明かしている。

写真:Instagram@thespacewitch

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