「カニバリスム(食人嗜好)願望」発言で仕事を失った米俳優アーミー・ハマー、3年半の沈黙を破る
かつて、ハリウッドを代表する元イケメン俳優の一人だったアーミー・ハマー。2020年に「カニバリスム(食人)願望」を理由に元恋人の一人から訴えられ、映画界から干されてしまった。
「カニバリスム(食人)願望」の訴えに続き、さらに複数の女性から性的暴行の訴えが出された結果、アーミー・ハマーはすべての仕事をキャンセルされてしまったのだ。
この騒動で俳優としてのキャリアが閉ざされてしまったばかりか、プライベートでは妻でタレントのエリザベス・チェンバースと離婚。パンデミック中には元妻や2人の子供たちとケイマン諸島で日々を過ごしたものの、かなりのスランプに陥っていたという。
とはいえ、アーミー・ハマーは数世代前に財を成した富豪一族の出身であり、たとえ仕事がなくなっても日々の生活に困るといった心配とは縁がなかった。あるいはそうした経済的余裕がスキャンダルにつながったのかもしれない。
こうしてアーミー・ハマーは世間からすっかり忘れられた存在になっていたが、2023年2月になりデジタルマガジン「エア・メイル」のインタビューに応じた。スキャンダル後初めてのインタビューを通じ、かつての行動を悔いるとともに自らの過ちを認め、利己的だった自分をふりかえった。
そして最近になり、「元」俳優ハマーはポッドキャスト『Painful Lessons』で騒動から二度目のインタビューに答えている。ただし、今回は過去を悔いるそぶりはなく、「だれもが僕のことを『カニバリスト(食人嗜好者)』と呼び、しかもそれを頭から信じ込んでいました。でも、どうして僕が『カニバリスト』にならなければならないのでしょう。まったくおかしな話です」と語った。
しかし、ハマーは以前恋人関係にあった女性の一人にメッセージを送り、その中で自分は「 完全に『カニバリスト』なんだ、(中略)君のことを食べてしまいたい」と綴っているのだ。
つまり、最近のインタビューにみられた「『カニバリスト』扱いされた上におかしなことを言われている」という発言には首をひねらざるを得ないだろう。しかも、こうした状況について「ちゃんちゃら可笑しい」とまでいっているのだ。
ともあれハマーは周囲の人々を恨むことはなくなったとし、「以前は自分の人生に満足していませんでしたし、自分自身にも不満を抱えていました。今はあの一件にも感謝しています」といっている。
また、前述のメディア「エア・メイル」のインタビューでは、騒動後に命を絶つことを考えたことがあると告白。元妻や2人の子供たちとケイマン諸島にいたときに「海に入ってかなり沖まで泳ぎ、しばらくそこにいました。人生を終わりにすることも頭をよぎりましたが、子供たちのことを考えるとそれはできませんでした」と明かした。
スキャンダルを通じて「どん底に落ち」たハマーは「キャリアも自分の人生も見失ってしまった」とするが、現在ハリウッド復帰を目指して脚本を執筆中だという。ふたたび映画界が彼を受け入れてくれるのか、あるいはほかの多くの俳優のように忘却の彼方に置かれるのか今後に注目しよう。