2024年皆既日食：北米各地で見られたスペクタクルな光景

今月8日、北米大陸の広い地域で太陽が完全に月に隠れる皆既日食が観測された。メキシコや米国、カナダで数百万に上る人々が壮大な眺めを目にした。

写真：2024年4月8日、メキシコ東部の都市マサトランで観測された日食。画像は多重露光にデジタル編集を施したもの。

皆既日食は、月が地球と太陽の間を通過することにより地球の一部地域で太陽が隠れてみえることから起こる現象だ。北米で観測されたのは7年ぶりで、次は20年後だという。

写真：2024年4月8日、米アーカンソー州ラッセルビルで皆既日食にあわせて行われた集団結婚式で、空を見上げるカップルたち。

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北米各地で月が太陽にぴたりと重なる瞬間が見られた。写真は米国バーモント州カーミ湖で撮影されたもの。

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カナダ・オンタリオ州にあるナイアガラの滝から観測された皆既日食。当日は曇りの予想で地元の人々は天体ショーを目にすることができるか心配していたが、幸い雲は流れ去り、幻想的な風景がみられた。

メキシコ・シナロア州マサトランの港で撮影された画像。マサトランは完全な皆既日食が観測された世界でも数少ない都市のひとつとなった。

部分日食が見られたニューヨークでは自由の女神の頭上に月と太陽がかかり、芸術的なショットが生まれた。

「皆既日食の経路」にあった米国北部オハイオ州マーティンでは、太陽と月が重なっていく様子が観測された。

米国北部オハイオ州マーティンも「皆既日食の経路」（皆既日食が観測できる一連の地域）上にあった都市のひとつ。ここでは太陽と月が重なっていく様子が写真に収められている。

太陽の軌道と月の軌道が完全に一致する皆既日食では太陽のフレアをはっきりと見ることができる。オハイオ州マーティンから。

メキシコのシナロア州マサトランで空を見上げる女性。

皆既日食の始まりと終わりに見られる、黒い太陽の一部だけが光り輝く「ダイヤモンドリング」現象。写真は米国インディアナ州ブルーミントンで撮影された、太陽の前を通過する月の画像を組み合わせもの。

米国の首都ワシントンDCは「皆既日食の経路」にはあたらなかったが見事な部分日食が見られた。写真はワシントン記念塔の上にかかった太陽。

オハイオ州マーティンで撮影された、三日月のように欠けた太陽。

ニュージャージー州グレンロックで撮影された、部分日食とその前を飛ぶ飛行機。『ワシントン・ポスト』紙によれば、デルタ航空は空から日食を観測できる特別フライトを用意したが、利用者によると残念ながら天候には恵まれなかったようだ。

カナダ・ケベック州マゴグでは多くの人がカメラを手にメンフレマゴグ湖畔につめかけ、太陽が欠けていく様子を観測した。

オンタリオ州・ナイアガラ地域の町フォートエリーも皆既日食の経路上にあった。当日は曇天だったが、それでも大きく欠けた太陽を雲間から見ることができた。

同じく雲の向こうに見える日食は、ワシントンD.C.のナショナル・モールで撮影されたもの。

皆既日食を一目見ようと、北米では多くの人が「皆既日食の経路」を目指して何百キロもの距離を移動したという。そしてオハイオ州に集まった人々は、写真のような見事なダイヤモンドリングを目にすることができた。

皆既日食にしても部分日食にしても、肉眼で見られるのはきわめて貴重な機会だ。NASAによれば、次に北米大陸で皆既日食を見ることができるのは2044年だという。

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国立天文台によれば、日本でも2030年6月に金環日食が、2035年9月には皆既日食が見られるという。仲間と一緒に肉眼で天体ショーを見られる日を楽しみに待ちたい。