飛行速度はマッハ12:北朝鮮が極超音速ミサイルを発射
1月初め、北朝鮮の金正恩総書記は同国が新型の弾道ミサイルの発射実験を行ったと発表。BBC放送いわく、北朝鮮はこの分野において「環太平洋地域にあるライバル諸国の追随をしばらくは許さないだろう」とのこと。
極超音速兵器とはマッハ5(音速の5倍)以上の速度で標的に向かって突入する兵器のことであり、これを追跡して撃墜するのは非常に困難だ。金総書記は今回の発射実験について、ミサイルはマッハ12に達し、およそ1,500キロメートル飛行したと主張している。
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北朝鮮によるミサイル発射が行われたのは1月6日。このとき、米国のブリンケン国務長官(当時)は大統領の弾劾裁判で揺れる韓国を訪問し、ソウルで同国の指導者らと会談を行っていた。
金総書記は自国の弾道ミサイルについて、「敵対勢力」がもたらす安全保障上の脅威に対抗するための「戦略兵器」だと主張。スペイン紙『El País』が伝えた。
一方、韓国軍は北朝鮮によるさならるミサイル実験を警戒しており、日米両国と情報共有を行っていると発表した。
韓国および米国は北朝鮮の弾道ミサイルについて、徹底的な分析を行う構えだ。とりわけ、飛翔中にルートの変更や微調整をおこなったり、高度維持や再上昇を行ったりする機能があるのかどうかについて詳しく調査するとのこと。
もし、このミサイルがそのような機能を備えた先進的なものであると確認されれば、迎撃は困難だということになる。なぜなら、予測可能な弾道を描くミサイルしか撃墜できない防衛システムでは、こういった先進的なミサイルに対応することはできないためだ。
一方、訪韓したブリンケン氏はロシアが人工衛星をはじめとする宇宙開発技術を北朝鮮と共有するのではないかという、米国の懸念を表明した。BBC放送が伝えている。
欧州連合(EU)もまた、北朝鮮によるウクライナ侵攻への介入や、露朝が締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」に警戒感を強めている。また、アナリストたちは北朝鮮が戦場でロシアを支援する見返りとして、核開発技術を受けとるのではないか、と懸念を示している。
もちろん、北朝鮮がこの種のミサイル実験を実施したのは今回が初めてではない。同国は昨年11月5日にも短距離ミサイル数発を発射したが、この日はトランプ氏が返り咲きを決めた米大統領選があった。そのため、米国政府はこれを北朝鮮による挑発だと受け止め、非難したという。フランス24放送が伝えている。
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