ロシア国防大臣がオースティン米国防長官と異例の電話会談:エスカレーションリスクの回避について討議

ロシア海軍記念日前に行われた電話会談
露国防大臣が米国防長官と電話会談
ロシアにとってポジティブな結果に終わる
何が話されたのか?
ウクライナによる攻撃を予測していたロシア
「内容は国家機密に関するもの」
作戦にはプーチン大統領も関係?
ロシアからの要求を真剣に受け止める
『ニューヨーク・タイムズ』紙も報じる
「信憑性があるものとして受け止められた」
会談の実施は両政府とも認めている
意思伝達ライン維持の重要性を強調
ロシア側の声明
「ウクライナの現状に関する認識を交換」
ある種の攻撃は実行される
石油精製施設などをドローン攻撃
攻撃の様子が撮影される
ロシア海軍記念日前に行われた電話会談

7月の最終日曜日はロシアで海軍記念日となっており、今年は7月28日に祝われた。だがその舞台裏では、アメリカがロシアとの電話会談を受けて、ウクライナ側にこの日に対ロシア作戦を行わないよう要請した可能性が指摘されている。

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露国防大臣が米国防長官と電話会談

ロシアのアンドレイ・ベロウソフ国防大臣が海軍記念日に先立ってアメリカのロイド・オースティン国防長官と電話会談を行い、紛争のエスカレーションについて話し合ったという。セルゲイ・リャブコフ外務副大臣が公共放送で明かしたと、ロシア民間メディア「Interfax Russia」が報じている。

ロシアにとってポジティブな結果に終わる

リャブコフ副大臣によると、オースティン国防長官とベロウソフ国防大臣は紛争のエスカレーションを回避する方法について話し合ったとされ、ロシアにとってポジティブな結果に終わったのだという。ウクライナ軍事メディア「Militarnyi」が報じている。

何が話されたのか?

だが、具体的にはいったいどのような問題について話し合われたのだろうか? 詳細は不明だが、リャブコフ副大臣は「我が軍司令部および国防大臣からの、米国防長官への通知は一定の影響を与えたはずだ」と語っている。

ウクライナによる攻撃を予測していたロシア

ある情報筋によると、ロシア側ではウクライナが大規模な攻勢を準備しているという観測が持たれていたのだという。だが、「Interfax Russia」を通じたリャブコフ副大臣による当初の発表では、電話会談の具体的な内容は一切明かされていなかった。

「内容は国家機密に関するもの」

ロイター通信はこの問題に関する記事の中で、「ロシアのテレビ局では、会談の内容は国家機密に関するものだとされ詳細は明かされていない。ウクライナ外務省に対して、この件に関するコメントを求めたが返答は得られなかった」と書いている。

作戦にはプーチン大統領も関係?

ロシア情報筋いわく、ウクライナは当初、7月28日に攻勢に出る予定だったという。その日はサンクトペテルブルクで海軍記念日が祝われ、プーチン大統領やベロウソフ国防大臣も演説をすることになっていた。ウクライナ紙『ウクライナ・プラウダ』が報じている。

ロシアからの要求を真剣に受け止める

だが、「Militarnyi」によると、米露の電話会談を受けてアメリカ側がウクライナ政府に接触、計画されていた作戦の停止を要求したのだという。さらに、セルゲイ・リャブコフ副大臣はアメリカのオースティン国防大臣がロシア側の要求を真剣に受け止めたことに驚いたと語った、という報道も複数出されている。

『ニューヨーク・タイムズ』紙も報じる

この電話会談については米メディアも報じている。『ニューヨーク・タイムズ』紙の7月26日の報道では、ベロウソフ国防大臣がオースティン国防長官に電話するという珍しい事態が7月12日にあり、ロシア側はウクライナが予定しているなんらかの作戦について語った、とされている。

「信憑性があるものとして受け止められた」

同紙のエリック・シュミット記者はこう書いている:「ロシアからの情報は信憑性があるものとして受け止められた。アメリカ側はウクライナに接触し、そのような計画があるならば中止するように、というようなことを伝えた」だが、会談の具体的な内容についてはやはり明かされてはいない。

会談の実施は両政府とも認めている

アメリカ政府もロシア政府も、会談が行われたことは明かしており、意思疎通を維持することの重要性も強調している。だが、会談で話された内容が海軍記念日に攻撃を行うという計画に関するものだったのかは定かではない。

意思伝達ライン維持の重要性を強調

7月12日、米国防総省広報のサブリナ・シンは記者会見でこう語っている:「会談に際して国務長官は、ロシアによるウクライナ侵攻という状況において意思伝達ラインを維持しておくことの重要性を強調していました」

ロシア側の声明

ロシア国防省が7月12日に発表した声明によると、会談のイニシアチブを取ったのはベロウソフ国防大臣で、「安全保障上の脅威を予防し、今後のエスカレーションリスクを減少させる」ことを論じ、会談は上首尾に終わったとされている。

「ウクライナの現状に関する認識を交換」

その声明によると、ベロウソフ国防大臣は「アメリカ製の武器をウクライナ軍に供与したことに関連して、新たに状況がエスカレートする危険があると強調」、両者は「ウクライナの現状に関する認識を交換」したという。

ある種の攻撃は実行される

だが、結局ウクライナは海軍記念日の7月28日に一部のロシア領に対する攻撃を実施したという報道も複数出ている。とはいえ、結局のところ電話会談の内容はなんら明らかになってはいない以上、その問題が話し合われたのかも不明だ。

石油精製施設などをドローン攻撃

7月28日にはウクライナのドローンがロシアのニジニ・ノヴゴロド州にある都市クストヴォの石油精製施設を攻撃。他にもクルスクの石油精製施設などロシア領内の複数の目標を攻撃し、成功している。「Militarnyi」が報じている。

画像:Telegram @kstovonew

攻撃の様子が撮影される

クストヴォの石油精製施設は今年3月12日にもドローン攻撃を受けている。「Militarnyi」によると、この施設は「クストヴォ最大の生産施設」だという。住民が攻撃の様子を収めた動画も公開されている。

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画像:Telegram @kstovonew

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