銃撃事件から生還したトランプ元大統領:暗殺未遂を受けて人が変わったという説も
米共和党の大統領候補となることが確実視されているドナルド・トランプ元大統領。7月13日にはペンシルベニア州バトラーで開かれた集会で銃撃を受けるも、軽傷を負うにとどまった。だが、この銃撃事件がトランプ元大統領にさまざまな影響を与えたという説がある。
『ヴァニティ・フェア』誌は3つの異なる情報源の見解として、生還したトランプ元大統領は以前とは人格が変わったようだという認識を伝えている。
選挙事務所とも近しいある共和党員は同誌にこう語っている:「トランプ元大統領は、演説などで復讐や報復を明言することはしたくないと口にした」
また、ミルウォーキーで開かれた共和党大会で記者らにトランプ元大統領が語ったところでは、暗殺未遂を受けて考えが変わり、指名獲得演説も書き換えたのだという。『ワシントン・エグザミナー』が伝えている。
トランプ元大統領はこう述べたという:「もともとの演説は信じられないくらい勇ましいものだった。情け容赦ないほどで、とてもタフな、良い演説だった。でも、それはやめた」『ワシントン・エグザミナー』や『ニューヨーク・ポスト』紙が報じている。
『アクシオス』によれば、FOXニュースの政治番組で長く司会を務めていたタッカー・カールソンも、トランプ元大統領の人が変わったのは事実だと認めているという。「顔を狙って撃たれたら人も変わる」とカールソンは語っている。
政治ニュースサイト『ポリティコ』によると、トランプ元大統領はいままでの対立を煽るようなトーンを変え、融和をはかり国民の団結を呼びかける方針に転換しようとしているのだという。
ただし、いくら暗殺未遂を生き延びたとはいえ、そのような突然の変化に対しては懐疑的な見解も出されている。
『ニュー・リパブリック』誌は、今回の事件はトランプ元大統領の被害者意識を増大させるだけであり、自分が訴追されているのも犯罪行為が問われているのではなく政治的な動機に基づくものだという信念を強化させることになるだろうと述べている。
実際、トランプ元大統領は銃撃事件からわずか2日後にはこれまでの調子を取り戻したようで、自身の運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」上にこう投稿している:「(刑事訴追という)一連の政治的な攻撃はすべて民主党に支配された司法省が計画したものだ。これははっきりとした選挙妨害であり、ジョー・バイデン大統領の政敵である私に対する陰謀だ」
その一方で、ニュースサイト『デイリー・ビースト』によると、トランプ元大統領が助かったのは神の意志だと信じている元大統領支持者たちはかなりの数にのぼるという。
共和党大会でトランプ元大統領はこう語った:「私は死んでいるはずだった。病院で私を診た医者も、こんなのはみたことがない、これは奇跡だと言っていた」結局の所、いろいろあったがトランプ節はいまだ健在ということなのだろう。