現在の若者たちの間で起こっている「性の不況」とは?

現代の若者たちの性事情
陽気なイメージのある米国でも……
コロナ禍の影響?
データが示すセックスレス
多忙で複雑化した生活スタイル
SNSの影響?
社会的・経済的な要因
メンタルヘルスの問題
セックスレスがもたらす悪影響
不健康な社会的孤立
出生率の急落
異議を唱える専門家たち
『Vogue』誌の主張
インタビューの結果
意識が高いZ世代
『Vogue』誌の結論
現代の若者たちの性事情

最近、先進国の若者たち(ミレニアル世代およびZ世代)の間で、夜の営みが大幅に減っているというニュースが世を賑わしている。米『アトランティック』誌のケイト・ジュリアン記者などはこの風潮を「性の不況」と揶揄したほどだ。

 

 

陽気なイメージのある米国でも……

このことはデータによって裏付けられている。『ロサンゼルス・タイムズ』紙によれば、カリフォルニア州をはじめとする米国でも、過去1年以内に性行為をしたと答える若者が減っているのだ。

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コロナ禍の影響?

まず考えられるのは、コロナ禍によって若者たちの社会的距離が遠ざかり、元に戻らなくなってしまった可能性だ。しかし、『ロサンゼルス・タイムズ』紙の取材を受けた専門家たちいわく、この傾向はコロナ禍以前から見られたという。

データが示すセックスレス

同紙によれば、過去1年間にパートナーがいなかったと回答した人の割合は、10年間でおよそ20%(2011年)からおよそ40%(2021年)へと倍増。

 

多忙で複雑化した生活スタイル

『ロサンゼルス・タイムズ』紙やニュースサイト「ビジネスインサイダー」は専門家の見解として、若者たちの多忙で複雑化した生活スタイルと関係があるという説を伝えている。

SNSの影響?

また、ストリーミングサービスやSNSといった、オンラインコンテンツの充実に原因を求める見方もある。つまり、パートナーがいる場合でも、オンラインコンテンツの方が若者たちの興味を惹いてしまうかもしれないというのだ。

社会的・経済的な要因

また、多忙な生活が過剰なストレスを産み、人々が社交に費やす時間を奪っているという指摘もある。さらに、家賃上昇の影響で若者たちが親元から自立できないことも要因のひとつかもしれない。

 

 

メンタルヘルスの問題

『ロサンゼルス・タイムズ』紙や「ビジネスインサイダー」によれば、専門家たちは不安や鬱の増加といったメンタルヘルスの問題が若者たちのセックスレスを加速させている可能性にも言及しているという。

 

セックスレスがもたらす悪影響

逆に、おひとりさま増加の背後にある人間関係の希薄化こそが、こういったメンタルヘルスの原因になっているという意見もある。さらに、セックスレスはさまざまな悪影響をもたらす可能性もあるそうだ。

不健康な社会的孤立

近年、大きな問題となりつつある社会的孤立。実際、アメリカ公衆衛生局の長官は昨年、同国では社会的孤立がはびこっており、これは喫煙と同じくらい健康によくないと宣言した。

出生率の急落

また、サンディエゴ州立大学で心理学の教鞭を執るジーン・トゥウェンギー教授は『ロサンゼルス・タイムズ』紙に対し、性行為の頻度低下は出生率の急落につながると警鐘を鳴らしている。

異議を唱える専門家たち

一方で、若者のセックスレスを問題視する立場に異議を唱える専門家も少なくない。若者たちにとって、性行為の頻度低下は必ずしも悪いことではないというのだ。というのも、性感染症のリスクが低下するほか、自分の身体を自分で管理することにもつながるからだ。

 

『Vogue』誌の主張

Z世代の性事情を扱った『Vogue』誌の記事は、若者たちが夜の営みに積極的でないというデータそのものに疑問を呈したものとなっている。もちろん、若者たちの行動についてメディアが騒ぎ立てるのも今回がはじめてではない。

インタビューの結果

同誌がZ世代75人を対象にインタビューを行った結果、多くの若者たちは性行為の頻度がことさら少ないと思っていないことがわかったそうだ。

 

 

意識が高いZ世代

また、同誌いわく、この世代は性についてよりオープンであり、性的同意に関する意識が高いほか、性経験を深めたいという意欲もあるという。

『Vogue』誌の結論

『Vogue』誌は1997年から2012年の間に生まれた世代について、必ずしもセックスレスに陥っているわけではなく、前の世代よりも性生活を意識的にコントロールしているのだと結論づけている。

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