地球に接近する紫金山・アトラス彗星:世界各地で観測された美しい姿
昨年1月に発見された長周期彗星、「紫金山・アトラス彗星」が肉眼でも見られるようになり、世界各地からその姿を捉えた美しい写真が続々と届いている。
この彗星を最初に発見したのは中国の紫金山天文台だった。その後、小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)を構成する南アフリカの望遠鏡もこの彗星を確認し、両者にちなんで「紫金山・アトラス彗星」と名付けられらた。
国立天文台のウェブサイトによれば、この彗星は発見当初、太陽への接近とともに非常に明るくなるものと考えられていたが、実際には期待されたほどの等級には至らなかったという。
それでも、夕暮れ時には肉眼でもかすかに確認できるほどの明るさで輝いており、日本国内でも見ることができる。同天文台によれば、肉眼での見頃は今月20日ごろまでだが、望遠鏡などを利用すれば、その後も観察することができるそうだ。
この彗星の公転周期について、CNN放送をはじめとするメディアは「8万年」と伝えているが、軌道の変化によって太陽系から飛び去ってしまうという予測もなされている。
この写真はサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジのそばで観察された紫金山・アトラス彗星だ。
こちらは中国銀川市(寧夏回族自治区)で撮影されたもの。夕暮れの空に尾をひく彗星がはっきりと写っている。
夜空を彩る紫金山・アトラス彗星を観察する家族。ハンガリー北東部のボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県にて。
イタリアのガッリーポリ(プーリア州)にあるピッツォ塔をかすめる紫金山・アトラス彗星。
また、トルコのヴァン湖上空では雲間に姿を現した。みなさんはもう、紫金山・アトラス彗星を目にすることができただろうか? 国立天文台によれば、10月20日ごろまでは、日の入り1時間後に西南西の低空にあり、肉眼でもかすかに見ることができるとのこと。天文ファンは見逃さないようにしよう。