米国の若年層に増える、原因不明の大腸がん

若年層に増える「がん」
大腸がん
「若い人々の罹患率が増えている」
危惧すべき状況
病気の進み具合も深刻に
カナダでも同じ事態に
「すでに傾向はあらわれていた」
男女ともに増加
カナダの発病率
4番目に多い「がん」
高い致死率
大腸がんによる死亡者
理由は不明
医師たちの戸惑い
考えられる要因
カナダの現状
大腸がんにならないためには
早期発見と早期治療
若年層に増える「がん」

アメリカがん協会によると、カナダとアメリカの比較的若い人たちに、ある致死的なタイプのがんが増えているという。

大腸がん

50歳未満で大腸がんの診断を受けた人の率は、2011年から2019年にかけて2パーセント上昇した。だが、医師たちはその理由をつかめていない。

「若い人々の罹患率が増えている」

「若い世代の罹患率が増えていることは確かです」と、レベッカ・シーガルは言う。彼女は「アメリカがん協会」に所属しており、同協会が大腸がんについて出した新しい調査報告の主執筆者であり、同協会が行う科学的研究についての首席監督者でもある。

危惧すべき状況

「人口は全般的に減少傾向にあるにもかかわらず、危惧すべきことに、患者の平均年齢がどんどん若くなっています」と、レベッカ・シーガルは続ける。

病気の進み具合も深刻に

「すべての年齢で、病気の進行度がさらに深刻なものになりつつあることも驚きです」と、同研究者は続ける。

カナダでも同じ事態に

「CBC News」の記者Lauren Pelleyによると、カナダの医師たちも、同国内の大腸がん患者について似たような傾向があらわれていることに気づいているという。

「すでに傾向はあらわれていた」

「カナダの優秀な臨床医たちは、このデータにとくに衝撃は受けなかった。なぜなら国境の北側(カナダ)でも似たような傾向があったからである」と、Laura Pellyはカナダにおける大腸がんについての最近の記事に書いている。

男女ともに増加

カナダの成人に占める大腸がん患者の割合について、2019年に行われた調査によると、男女ともに増加しており、女性患者の割合がわずかに多かった。

カナダの発病率

「若年層の大腸がん発病率は、2006年から2015年にかけて男性では年に3.47%、2010年から2015年にかけて女性では年に4.45%だった」と、アメリカがん協会の報告にある。

4番目に多い「がん」

昨年5月、カナダがん協会は、2022年にがんと診断されたカナダ国民のうち、大腸がんの罹患者は4番目に多くなるという見込みを発表した。大腸がんの致死率が高いことを考えると、これは恐るべき統計である。

高い致死率

「がんが原因の死のうち、死因が大腸がんのケースは男性では2番目に多く、女性では3番目に多い」と、カナダがん協会はそのウェブサイトに記載している。

大腸がんによる死亡者

2022年に大腸がんと診断されたカナダ国民24300人のうち、9400人がそれが原因で死に至るだろうと、カナダがん協会は発表した。2022年の同国のがん死亡者数の、ゆうに11%にあたる数字である。

理由は不明

今回の新しい調査報告でとりわけ心配なのは、カナダとアメリカの若年層に大腸がん患者が増えていることについて、医師たちがその理由をつかめていないことである。

医師たちの戸惑い

「私たち医師はみな、若年のがん患者が増えていることについて戸惑っています。患者のなかには、すでにかなり病気が進行しているケースや、病気の進行が早いケースもあります」と、「CBC News」はChristine Brezden-Masley博士のコメントを伝えている。彼女はトロントのマウントサイナイ病院の、がんプログラムのディレクターである。

考えられる要因

不健康な食生活や運動不足、ほかには喫煙や飲酒といった要因により、若い世代の大腸がん患者が増えているのではないかと医師たちは考えていると、カナダがん協会のElizabeth Holmesは語る。

カナダの現状

Elizabeth Holmesは3月3日のテレビ番組「Global News」に出演し、50歳未満の大腸がん患者の割合が増えているという話は、カナダがん協会の観察とたしかに一致すると述べた。

大腸がんにならないためには

アメリカ疾病予防管理センターによれば、健康を維持することが大腸がんを予防する最善の方法だという。「体を動かす機会を増やし、適当な体重を維持し、アルコール摂取はほどほどに、タバコはやめる」ことによって、リスクを下げることができるらしい。

早期発見と早期治療

早期の治療も、非常に重要である。「大腸がん検診では前がん性のポリープを見つけることができ、がんに変わるまえに摘出することができます」と、アメリカ疾病予防センターのウェブサイトにも示されている。

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