ルーツを明らかにするDNA検査:気軽に受けたら人生が一変することになった人びと

一般化がすすむDNA検査
ルーツをたどったり、家族を探したり
予想外の結果が出ることも
誘拐された子供が70年後に発見される
姪の検査が発見につながる
3児の父、どの子供の父親も自分ではないことを知る
真相は墓の下に
事故で死んだ兄に子供がいたことが判明
亡くなった兄にうり二つ
いきなり娘、孫、ひ孫が判明
新しい家族ができる
意外な出自が判明
病院での取り違えが原因
74歳になってから検査
幼なじみが兄弟だった
ネイティブ・アメリカンにルーツがあることが判明
イギリスに渡ったネイティブ・アメリカンも存在した
中国からの養子
アメリカでの再会
意外なルーツが
背景には差別的な法律が
一般化がすすむDNA検査

最近、DNA検査の一般化が進んでいる。自身のルーツをたどるとされ、2000年以降に検査を受けたとされる人の数は世界で累計4,000万人を超え、英紙『ガーディアン』によれば、検査会社も「Ancestry」「23andMe」「MyHeritage」など複数存在する。

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ルーツをたどったり、家族を探したり

DNA検査は自身のルーツを知るために行われることが多いが、連絡が付かなくなってしまった両親や兄弟、存在すら知らなかった親戚を探すために使われることもある。

予想外の結果が出ることも

だが、軽い気持ちで検査してみたら、今後の人生を変えてしまうような大変な情報がもたらされることもある。DNA検査で予想外の結果が出てしまった人たちの話をチェックしてみよう。

誘拐された子供が70年後に発見される

ルイス・アルマンド・アルビノさんは1951年、まだ6歳だった時に、カリフォルニア州オークランドの公園で兄と遊んでいたところを誘拐されてしまった。その後は杳として行方が分からなくなっていたのだが、なんと70年以上経ってから、同じアメリカの東海岸で暮らしていることが判明したという。『LA Times』紙が報じている。

画像:Aaron Burden/Unsplash

姪の検査が発見につながる

きっかけはアルビノさんの姪が「面白そうだから」とDNA検査をしてみたことだった。結局、FBIの助けも得て、長らく行方不明だったアルビノさんが発見されることになった。『ガーディアン』紙によると、誘拐されたあとは東海岸の夫婦に売られ、そこで実の子供として育てられたという。

3児の父、どの子供の父親も自分ではないことを知る

Q&Aサイト「Quora」で、「Mark H.」というユーザーが次のような話を投稿している:「私の3人の子供が全員、2023年末に『23andMe』でDNA検査を受けました。子供はみんなもう30代です。検査結果によると、子供たちはみな遺伝的な父親が違いました(ネタバレ:私ではありません)」

真相は墓の下に

そのユーザーによると、3人の子供の母親は10年前に亡くなっているそうで、父親をめぐる謎は「墓まで持って行かれた」という。このことに家族は「驚き、裏切られた気分」だそうだ。

画像:Sandy Millar/Unsplash

事故で死んだ兄に子供がいたことが判明

同じく「Quora」上で「Beth M.」というユーザーが、80年代に事故で亡くなった兄の話をしている。その時、兄には交際相手がいたのだが、兄の死後は引っ越してしまい連絡はつかなかくなった。だが、その時点では誰も気づいていなかったのだが、その交際相手は妊娠3ヶ月だったのだ。

亡くなった兄にうり二つ

それから年月が経ち、「Beth M.」さんの家族が「Ancestry」でDNA検査を受けたところ、かつての交際相手が娘を産み、いまでは家族も持っていることが判明したという:「その女性と直接会ってみたら、気絶しそうになりました。性別こそ違いますが、兄にそっくりだったんです。その人にはふたり子供がいましたが、下の子がほんとうに兄にうり二つでした」

いきなり娘、孫、ひ孫が判明

「Kathleen C.」というユーザーは、自分のある友人(70代男性、独身)がある日突然、自分に娘がいただけでなく、いまや孫もひ孫もいることが明らかになったという話を報告している。

新しい家族ができる

「Kathleen C.」さんによると、その友人は高校時代に恋人を妊娠させていたのだが、相手はそのことを秘密にしたまま出産、子供は養子に出したのだという。そして50年後、その養子に出された子供が大人になってからDNA検査を受けたところ、いままで知らなかった叔父のことが判明、そこから父親も明らかになったのだという。70代の男性は「新しい家族ができて喜んでいる」とのことだ。

意外な出自が判明

自身のことをアイルランド系アメリカ人だと思っていたアリス・コリンズ・プレビュークさんは、DNA検査の結果、ヨーロッパ系ユダヤ、中東、そして東欧という複数のルーツがあったことが判明したという。『ワシントン・ポスト』紙が報じている。

病院での取り違えが原因

その結果を受けて家族全体で検査を受けてみたところ、父親の遺伝的な父親が祖父ではなかった事が判明。そこからさらに事情を探り、なんと出産時に父親が病院で取り違えられて、本来の家族ではない家庭に迎えられていたことがわかったという。

74歳になってから検査

ウォルター・マクファーレンさんは74歳の時に、自身の遺伝的な家族のことを知りたくて「Ancestry」でDNA検査を受けた。マクファーレンさんは祖母に育てられたが、家族のことについてはあいまいなままだったのだ。

幼なじみが兄弟だった

その結果、なんと近所に住んでいた幼なじみのアラン・ロビンソンさんが自分の異父弟で、幼児のころに養子に出されていたことが判明したという。CNNが報じている。

ネイティブ・アメリカンにルーツがあることが判明

BBCによると、あるイギリス人女性ふたりが遺伝子検査を受けたところ、自らのルーツにネイティブ・アメリカンがいたことが分かって衝撃を受けたという。ふたりはそもそも、自分たちの祖先がアメリカに行ったことがあるとも思っていなかったのだ。

イギリスに渡ったネイティブ・アメリカンも存在した

だが、歴史学者によると、数こそ多くないとはいえイギリスに連れてこられたネイティブ・アメリカンも存在するという。奴隷や通訳、部族の代表者として渡英した後、現地で結婚したという例もあるのだとか。

中国からの養子

米国で、ある家族が中国から10歳の女の子を養子に取ったところ、脳に障害があることが分かった。

アメリカでの再会

それからしばらくしてから、その家族が通っている教会に同じ障害を持つ女の子がいることが判明、しかもやはり中国からの養子だったという。ふたりのDNA検査を行ったところ99.9%一致し、姉妹であることがわかったという。

意外なルーツが

米ヴァージニア州のある女性は自身のことをアフリカ系アメリカ人だと考えていた。両親も(少なくとも外見上は)ともに黒人だったので、その点を疑ったことはなかったのだが、「Kin Finder, LLC」という会社のDNA検査を受けたところ予想外の結果が返ってきたという。米誌『リーダーズ・ダイジェスト』が伝えている。

背景には差別的な法律が

検査結果によると、その女性は70%白人とされていた。それから明らかになったことには、父親だと思っていた人物が実は義父で、遺伝的な父親は白人だったという。当時ヴァージニア州では黒人と白人の結婚が禁じられていたため、遺伝的な父親はその女性の母親と結婚できなかったのだ。

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