独ポピュリスト政党の女性党首はプーチン大統領の「ドイツにおける最良の友人」?

核兵器の使用をちらつかせるロシア
ただの脅しではない?
ザーラ・ワーゲンクネヒトの主張
ロシアとNATOが核戦争に?
「ロシアがNATO域内を攻撃」
核紛争へのエスカレーション
ウクライナのNATO加盟
ワーゲンクネヒト氏は「親露派」?
ウクライナ支援に強硬に反対
ウクライナによるNATO加盟の是非
「ウクライナの未来はNATOにある」
NATO内部での対立
ウクライナのNATO加盟に反対するフィツォ政権
ハンガリーのオルバン政権も同調
和平をめぐって対立するウクライナとロシア
プーチン政権がウクライナ側に突きつけた要求
プーチン大統領の主張
核兵器の使用をちらつかせるロシア

冷戦時代の終了以来、しばらく忘れ去られていた核戦争の脅威がふたたび現実味を帯び始めている。ウクライナへの侵攻を開始し、先の見えない長期戦に陥ってしまったロシアが核兵器の使用に踏み切る可能性があるためだ。

 

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ただの脅しではない?

プーチン大統領とその側近たちはウクライナに対する侵攻を開始してからというもの、何度も核兵器の使用をちらつかせてきた。そして、西側諸国の当局者たちもこれがただの脅しではない可能性があると見て、警戒しているのだ。

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ザーラ・ワーゲンクネヒトの主張

そんな中、ドイツで最近、勢力を伸ばしつつある左派ポピュリスト政党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟」の党首、ザーラ・ワーゲンクネヒト氏もこのテーマについて持論を展開したようだ。

ロシアとNATOが核戦争に?

ワーゲンクネヒト氏は独メディア「フンケ」によるインタビューの中で、西側諸国がウクライナにおける紛争当事者となった場合、ロシアとNATOの核戦争に発展するおそれがあるとした。

「ロシアがNATO域内を攻撃」

ロシア国営タス通信によれば、ワーゲンクネヒト氏は「NATOがウクライナ侵攻の当事者になれば、ロシアがNATO域内の軍事施設を攻撃する事態に発展するでしょう」と述べたそうだ。

核紛争へのエスカレーション

ワーゲンクネヒト氏いわく:「その後、紛争はすぐに核戦争へとエスカレートするでしょう。なぜなら、ロシアがNATOに匹敵するのはこの分野だけだからです。したがって、われわれがこの戦争にこれ以上、深入りするのはとてつもなく危険なのです」

ウクライナのNATO加盟

ワーゲンクネヒト氏はさらに、ロシアは自国の国境地帯に米軍が駐留することを嫌がっていると指摘。ウクライナをNATOに加盟させる試みは戦争につながると批判した。

ワーゲンクネヒト氏は「親露派」?

ただし、ワーゲンクネヒト氏は一部メディアから「親露派」だと目されている。ドイチェ・ヴェレ放送などは「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟」について、プーチン大統領の「ドイツにおける最良の友人」と形容したほどだ。

ウクライナ支援に強硬に反対

ドイチェ・ヴェレ放送いわく、ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟は「(ウクライナに対する)いかなる軍事的支援にも強硬に反対しており、選挙マニフェストの中で戦争は恐怖をあおり、安定性を損なうと主張している」そうだ。そして、ロシアによるウクライナ侵攻の原因は米国とNATOにあると非難しているとのこと。

ウクライナによるNATO加盟の是非

ウクライナによるNATO加盟の是非は現加盟国にとって大きな争点となっている。ウクライナの加盟を強く求める声がある一方で、ロシアを刺激してしまうのではないかと懸念する向きもあるためだ。

「ウクライナの未来はNATOにある」

AP通信によれば、NATOに加盟する32ヵ国は今年7月に、ウクライナはNATO加盟への道を不可逆的に歩んでいると宣言。声明の中で「ウクライナの将来はNATOとともにある」とした。

NATO内部での対立

同声明には「NATO加盟を含む欧州大西洋地域への統合を目指して、不可逆的に歩みを進めるウクライナをわれわれは今後も支援する」とある。一方、NATO加盟国スロバキアのロベルト・フィツォ首相は最近、ウクライナのNATO加盟を阻止すると約束した。

 

ウクライナのNATO加盟に反対するフィツォ政権

ニュースサイト「ポリティコ」によれば、フィツォ首相は自国のTV番組に出演した際に、「私がスロバキア政府のトップである限り、(与党スメルの)党首として、所属議員たちがウクライナのNATO加盟に決して賛成しないよう指導します」と述べたという。

 

ハンガリーのオルバン政権も同調

同じくNATO加盟国のハンガリーもまた、ウクライナのNATO加盟に反対している。ニュースメディア「ブルームバーグ」いわく、同国は今年5月にウクライナ支援から離脱する意向を示しており、翌月にはNATO事務総長もこれに同意したそうだ。

和平をめぐって対立するウクライナとロシア

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの和平の条件として、NATO加盟にこだわっている。一方、ロシアのプーチン政権はウクライナがNATO加盟を諦めない限り、和平はないとの立場だ。

プーチン政権がウクライナ側に突きつけた要求

今年6月、プーチン政権は停戦条件としてドネツク州、ルハンシク州、へルソン州、ザポリージャ州からのウクライナ軍撤退とNATO加盟の断念をウクライナ側に突き付けた。

プーチン大統領の主張

BBCニュース放送によれば、プーチン大統領は「ウクライナ政府がこういった条件をのむ用意があると宣言すれば(中略)われわれは即座に停戦の命令を下し、和平交渉が開始される」と主張したとのこと。

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