安倍元首相が逝去：街頭演説中に銃撃を受ける

6月8日（金）午前11時半頃、奈良市の近鉄大和西大寺駅近くの路上で演説を行っていた安倍晋三元首相が、背後から銃撃された。奈良市内の病院に救急搬送されたものの、午後になり逝去が確認された。

ロイター通信を始めとする国内外メディアはただちに事件を取り上げた。安倍元首相はドクターヘリで奈良県橿原市の県立医科大付属病院に搬送され、心肺停止という重篤な状態と伝えた。

奈良市内で街頭演説を行っていた安倍元総理に対し、一人の男が背後から銃を向けた。この男は近くにいた警察官によりただちに取り押さえられた。

男は奈良市在住で職業不詳、41歳の山上徹也容疑者。殺人未遂容疑として現行犯逮捕された。

拘束された山上容疑者は、元海上自衛隊員だと伝えられている。上の画像は事件が起こった奈良市内の通り。

山上容疑者が安倍元首相を襲った理由は詳しく明らかにされていない。奈良県警の調べに対し「政治信条への恨みはなかった」と供述した、と各紙が伝えている。

目撃者の話によれば、街頭演説を行っていた安部氏に一人の男が背後から無言で近づき、至近距離で発砲したという。2発の銃声が響き、通りに集まった聴衆の目の前で安倍元首相が倒れ込んだ。救急車は約15分後に到着し、元首相は慌ただしく搬送された。

発砲した男は警察に対し抵抗するそぶりも見せず、その場で身柄を確保されたという。午前11時半過ぎに、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。

響いた銃声は2回。1発目目の銃声の後に振り向いた安倍元首相に対し、2発目が放たれたという。

安倍晋三氏は2006年から207年まで、次いで2012年から2020年まで2度にわたり内閣総理大臣を務めた。内閣総理大臣の職を辞してからも、自民党内で強いリーダーシップを発揮している。

安倍晋三氏は1954年9月21日に東京都で生まれた（本籍は山口県）。

安倍元首相銃撃のニュースは各国のメディアでも緊急速報として大きく伝えられた。

海外からみた日本は、治安がよく平和で安全な国という印象が強い。政治テロの歴史については、日本赤軍の活動が活発だった70年代に遡らなければならない。

ニュースやSNSでは安倍元首相の容体を心配する数多くのメッセージが発表された。エマニュエル米駐日大使は、安倍元首相が銃撃されたことについて「悲しみ、衝撃を受けている。友人である安倍のために祈る」と声明を発表。

上は安倍元首相が幼い頃の一枚。父は元外務大臣の安倍晋太郎氏で、父方の祖父は岸信介元首相という政治家一族の出身だ。青年時代には成蹊大学で学び、米国留学も体験した。

画像：安倍晋三事務所より-http://bigstory.ap.org/photo/shinzo-abe-shintaro-abe-hironobu-abe-yoko-abe、パブリックドメイン、https：//commons.wikimedia.org/w/ index.php？curid = 31497670

安倍晋三元総理に対する銃撃事件により、平和な社会を築いていた日本に大きな衝撃が走った。松野官房長官は「今回のような蛮行は許されるものではなく、断固非難する」としている。