夜間攻撃で戦果を挙げるウクライナ:高性能ナイトビジョンで優勢に立つ

ロシア側軍事ジャーナリストの指摘
「戦争研究所」のレポート
夜間攻撃が行われる理由とは
理由は明らか
ウクライナの戦闘能力を認めるロシア側幹部
夜間攻撃の始まり
ロシア空軍をけん制、自軍のドローン攻撃を生かす
西側の最新装備や技術の恩恵
「レオパルト2」と「ブラッドレー」
暗視機能をもたないロシア戦車
新旧装備の混在
米国によるナイトビジョン供給
単眼型ナイトビジョン「AN/PVS-14」
ロシアによる侵攻以来、ナイトビジョンの供給が増加
装備がもたらす戦闘能力の差
ウクライナ軍、複数の町を解放
ロシア側軍事ジャーナリストの指摘

ロシアの軍事ジャーナリストたちは、ウクライナ軍は夜間攻撃でロシア軍に対しかなり優位に立っていると指摘している。ウクライナ軍が暗闇の中での戦いに優れている理由とは、いったいどんなものだろう。

「戦争研究所」のレポート

米国のシンクタンク「戦争研究所」はウクライナの戦争に関する最近のレポートの中で、一部のロシア人戦争ジャーナリストのコメントに言及している:「ウクライナは夜間攻撃力においてロシア軍のそれを上回っているが、これは西側から供給された機器にナイトビジョンが搭載されているからだ」

 

夜間攻撃が行われる理由とは

ロシアの戦争特派員アレクサンドル・スラドコフ氏は、Google英訳をつかいつつ自身のテレグラムチャンネルで「ザポリージャではなぜ夜間攻撃が行われているのでしょう?」 と問いかけている。

理由は明らか

スラドコフ氏は続ける:「夜間攻撃の理由は明らかです。各国から供給された装備は精度の高いナイトビジョン(暗視鏡レンズ)を装備しており、夜間でも敵の動きに合わせて狙いを定め、高い精度で射撃することが可能です。だからこそウクライナ軍は夜に攻撃を仕掛けているのです」

ウクライナの戦闘能力を認めるロシア側幹部

スラドコフ氏の分析は正しいとみられる。ロシアが占拠したウクライナ南部ザポリージャのロシア側幹部であるウラジーミル・ロゴフ氏も、西側の最新技術のおかげでウクライナ軍は夜間攻撃で高い成果を挙げつつあるとする。

夜間攻撃の始まり

「戦闘3日目にして、ウクライナのナチスたちは夜間攻撃を仕掛けてくるようになった」と、ロゴフ氏は自身のテレグラムチャンネルに投稿している。

ロシア空軍をけん制、自軍のドローン攻撃を生かす

ロゴフ氏によれば、ウクライナが夜間攻撃を行う理由のひとつはロシア空軍の航空優位性を抑えられること、もうひとつはウクライナ軍のドローンが敵を正確に狙い撃ちでき、それにより自軍の損失を最小限に止められることだという。

西側の最新装備や技術の恩恵

さらに、ロゴフ氏はウクライナ軍は夜間攻撃を通じて西側から供与された最新装備や機器を最大限に生かすことができるとコメントした。いずれも興味深い内容だが、しかしウクライナ軍は暗視力の点で優れているという見方は確かなのだろうか?

「レオパルト2」と「ブラッドレー」

英テレグラフ紙のコラムニスト、ローランド・オリファント氏とジョー・バーンズ氏は、ドイツ製の戦車「レオパルト2」や米国製の歩兵戦闘車「ブラッドレー」は「最先端の夜間照準装置」をそなえているとしている。

暗視機能をもたないロシア戦車

両氏はさらに、ウクライナとロシアの戦車と装甲車はいずれも暗視機能をそなえているものの、ロシア製の歩兵戦闘車「BMP」の一部は時代遅れで暗視機能は一切搭載されていないとする。

新旧装備の混在

つまり、ロシア軍ではナイトビジョンなどの光学機器を装備した車両とそうでない車両が混在している可能性が高い。だからこそウクライナ軍は日が暮れてから攻撃を仕掛け、敵の防衛能力を試しているのだろう。また、ウクライナ側には有利に立てる事情がほかにもある。

米国によるナイトビジョン供給

ウクライナの参謀本部によれば、2018年に米国がウクライナ軍に対し単眼型ナイトビジョンゴーグル「AN/PVS-14」の供給を開始、およそ580万ドル相当の無償軍事援助を行ったという。「キーウ・ポスト」紙が報じた。

単眼型ナイトビジョン「AN/PVS-14」

ナイトビジョンの供給が決まった際、「キーウ・ポスト」紙のイリヤ・ポノマレンコ記者は次のことを明らかにした:「単眼型ナイトビジョン『AN/PVS-14』は2000年以来米軍やNATO加盟各国で使用されており、ヘルメットやアサルトライフルにとりつけることが可能です」

ロシアによる侵攻以来、ナイトビジョンの供給が増加

英テレグラフ紙のコラムニスト、ローランド・オリファント氏とジョー・バーンズ氏も、昨年2月の侵攻開始以来、ノルウェーやアメリカといったNATO加盟国がウクライナにナイトビジョンの提供を行ってきたが、戦場では不足状態が続いているという。

装備がもたらす戦闘能力の差

ザポリージャで実際に使用されているナイトビジョンの数にかかわらず、さまざまな攻撃用装備が地上における戦闘能力の差を生んでいることは間違いないだろう。

ウクライナ軍、複数の町を解放

「キーウ・インディペンデント」紙の6月13日の報道によれば、ウクライナのハンナ・マリアール国防副大臣は同国軍が1週間のうちに7つの町を解放、90平方キロメートルの土地を取り戻したとしている。

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