宇宙からとらえた壮大な火星の姿
太陽系で地球に最も近い特徴をもつ惑星、火星。NASAによるミッションの対象に選ばれることが多いのもそのためだ。しかし、科学的興味を別にしても、私たちに美しい姿を見せてくれる火星はかけがえのない存在だ。
写真:NASA/JPL - Caltech
この画像は地球・火星・太陽が一直線上に並んだ2018年7月18日に、NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えたものだ。火星の衛星フォボス(右下)とダイモス(左下)も確認することができる。
写真:NASA, ESA, STScI
上の画像は、NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」に搭載されている高解像度カメラ「HiRISE」が撮影したもので、火星の北極付近にある新しいクレーターとそれを満たす氷を捉えている。NASAの研究者たちによれば、このクレーターの直径はわずか200メートルほどだという。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
火星の北半球に広がる地域は「アラビア大陸」と呼ばれており、約40億年前にできたクレーターが特徴だ。HiRISEで捉えたこの写真からは、風によってできた砂の縞模様まではっきりと見てとることができる。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
アラビア大陸の南西に位置する直径約67キロメートルのクレーター「ダニエルソン」。マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影したこの画像にはクレーターを構成する砂と堆積岩が写っている。
写真:NASA/JPL - Caltech/University of Arizona
火星の赤い大地とは対照をなすキラキラと輝く氷河。撮影地は火星の極冠付近だ。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
火星探査機バイキング2号が1978年6月14日に捉えた火星の日の出の様子がこちら。
写真:NASA/JPL/LaRC
火星の赤道付近、マリネリス峡谷に位置する巨大な谷「カンドル谷」。研究者たちによれば、写真で明るく写っている層状堆積物は砂岩でできているとみられ、将来的には居住地域の候補になるかもしれないという。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
写真は火星の北極付近で発生した雪崩をHiRISEで捉えたもの。毎年春になると一帯に日光が差し込み、温度が上がることで氷山が崩れるのだ。崩落した氷塊が深さ500メートルを超える断崖に落下すると、周囲は砂煙に包まれる。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
この画像は2018年12月にマーズ・リコネッサンス・オービターによって撮影されたもので、砂の生み出す模様が巨岩周囲の風の流れを教えてくれている。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
火星に2つある自然衛星のうちのひとつがフォボスだ。この小さな衛星は西から昇り、火星の1日(24時間40分)でこの惑星を3周するという。
写真:NASA, ESA, Z. Levay (STScI)
写真は2018年7月から9月にかけて誕生した新たな衝突クレーターだ。火星南部の季節極冠に衝突した隕石が氷床を貫き、ダイナミックな模様を生み出したのだ。
写真:NASA/JPL-Caltech/University of Arizona
直径49キロメートルもあるクレーター「ジェゼロ」ができたのはおよそ37億年前。非常に古くからある衝突盆地イシディス平原の西側に位置し、研究者たちにとってとりわけ興味深い地形となっている。実際、2020年7月30日にスタートしたNASAのミッション「マーズ2020」では、探査機の着陸地点に選ばれている。
写真:NASA/JPL - Caltech/MSSS/JHUAPL
マリネリス峡谷に位置するネクタリス山脈の斜面で撮影された砂丘。この広大な渓谷に現れる砂丘は非常に大きなものとなることがあり、上の画像に見られるようにきわめて険しい地形を生み出すことも。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
2012年以来、火星で稼働中の探査機ローバー「キュリオシティ」が撮影したアイオリス山。この山はクレーター「ゲール」の中央にそびえている。画像中央にはNASAの研究者たちの注目を集める粘土岩が捉えられている。
写真:NASA/JPL - Caltech/MSSS
探査機ローバー「キュリオシティ」が撮影した自撮りがこちら。2012年にスタートしたミッション「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」の一環として、火星に送り込まれた重量899キログラムの探査機で、ゲール・クレーターの調査も担っている。なお、「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」計画は現在も進行中だ。
写真:NASA/JPL - Caltech/MSSS
バイキング1号のオービターが捉えたこの画像を見れば、中央付近に広がるマリネリス渓谷を俯瞰することができる。その規模は全長3,000キロメートル、幅 600キロメートルにも達する。
写真:NASA/JPL - Caltech
赤鉄鉱と水の作用で変性したケイ酸塩を主成分とする隆起した地層が、明るい色で写っている。こういった成分はクレーター「アラム・カオス」がかつては湖であったことを示すものだ。ちなみにこのクレーターの直径はおよそ284キロメートルもある。
写真:NASA/JPL/University of Arizona
シレヌム地溝帯にあるクレーター「クリスプ」。周縁部が鋭くとがっており噴出物も残留しているため、NASAの研究者たちは比較的新しいクレーターだと考えているようだ。
写真:NASA/JPL - Caltech/University of Arizona
火星の南極付近に見られるクモのような亀裂。このような地形は二酸化炭素の氷が昇華する際に生まれると考えられている。
写真:NASA/JPL - Caltech/University of Arizona
「火星時間」の2019年4月25日午後6時30分に、NASA の火星探査機「インサイト」が捉えた夕日。
写真:NASA/JPL - Caltech
ハッブル宇宙望遠鏡は、2014年10月19日に発生したサイディング・スプリング彗星と火星の大接近を捉えていた。この時、彗星は火星からわずか14万キロメートルの地点を通過。ただし、この写真は複数の画像を合成したものだ。というのも、火星と彗星では明るさが全く違うため、一度の露光で両者を捉えることは不可能なためだ。
写真:NASA, ESA, J.-Y. Li (PSI), CM Lisse (JHU/APL), Hubble Heritage Team (STScI/AURA)