国際宇宙ステーションが捉えためくるめく地球の姿
地上からおよそ400キロメートルの高さを周回する国際宇宙ステーション。
この空飛ぶ実験室では、NASAやロスコスモスに加え、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)がさまざまな実験を行っている。
国際宇宙ステーションはこれまで宇宙空間に建造された人工物としては最大のものだ。大きさはサッカー場ほどもあり、複数のモジュールを軌道上で連結しながら建設が行われた。
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最初のモジュールが打ち上げられたのは1998年のこと。さらに、2000年以降は宇宙飛行士たちが途切れることなく滞在し続けてきた。
国際宇宙ステーションの公転周期はおよそ1時間半。つまり、地球のまわりを1日でおよそ16周していることになる。
今回はそんな国際宇宙ステーションから撮影された地球の画像を見てゆくことにしよう。
この写真はスペースシャトル「ディスカバリー」がミッションを終えて地球に帰還する際に捉えた国際宇宙ステーションの姿だ(2005年8月)。
第5次長期滞在ミッションに参加した宇宙飛行士が2002年10月30日に撮影したシチリア島エトナ山(イタリア)の噴煙。エトナ山は同年10月27日に地震を繰り返した後、大規模な噴火をはじめていた。
こちらはスウェーデン人宇宙飛行士のクリステル・フォーグレサングが、国際宇宙ステーションの周囲で船外活動を行う様子(2006年)。
地表の70%は水に覆われており、宇宙から地球を眺めるとマリンブルーに輝いて見えるというのは有名だろう。実際、国際宇宙ステーションが捉えたバハマおよびキューバ周辺の写真からもそのことは一目瞭然だ。
高度400キロメートルからカリブ海を見下ろすと、まるでポストカードのような美しい光景が広がっている。
地上から見ても雄大な景色は上空から眺めるとますます驚くべきものとなる。写真は米国コロラド州。
まるで羊の群れのような白いかたまりはチリ上空を漂う雲だ。
日光に照らされた部分も美しいが、宇宙から見下ろす夜景は目を見張るものがある。写真は国際宇宙ステーションがジブラルタル海峡の上空を通過する際に撮影したもの(2016年)。
ニジェールとアルジェリアの間に広がる国境地帯を遥か上空から眺めると、まるで映画『愛と哀しみの果て』のワンシーンのよう。
アマゾン川が大西洋へと注ぐブラジル北東部の海岸。空高くに浮かぶうろこ雲が壮大な風景に彩りを添えている。
目を凝らさなければ気づかないかもしれないが、ダハシュールの屈折ピラミッド(エジプト)が写っている。2008年4月から10月にかけて行われた第17次長期滞在の乗組員が撮影したもの。
2015年にマーシャル諸島近海で発生し、ミクロネシアやフィリピンを襲った台風「メイサーク(平成27年台風第4号)」。宇宙から眺めれば、台風の目もはっきりと確認することができる。
南太平洋に浮かぶ島々を国際宇宙ステーションから見下ろすと……
広大なチベット高原を一望するには、国際宇宙ステーションの周回軌道まで上昇するのが一番だ。
雪の降り積もるロワール県サン=テティエンヌ(フランス)を宇宙から眺めた写真。
一見、火星の表面を捉えた写真のようだが、実はモロッコの砂漠。
完成から十数年が経過した国際宇宙ステーション。老朽化が進んでいるため、2030年には運用を停止し、翌年には太平洋上に落下してミッションを終えることになっている。残された時間を最大限に活かして、有意義な実験が行われることを期待しよう。