命がけでウクライナのペットたちを救うボランティア

ペットたちに及ぶ影響
ペット難民
置き去りのペット
ペットを助ける人々
シェルターのオーナーは77歳
犬700匹、猫100匹、ライオン1頭
元CEOがボランティアに
列を作ってエサを待つ犬たち
寄付されたエサ
命がけでペットを助けるボランティア
ペットの救出を図る団体
ボランティアと寄付
ペットを安全な場所に
即席の野生動物シェルター
動物園あるいは他国に
リヴィウ
出国を待つ動物のケア
人間らしさを失わないため
ペットたちに及ぶ影響

ロシアによるウクライナ侵攻で生命の危機にさらされているのは、ウクライナ市民ばかりではない。多くの犬や猫、その他のペットたちにも影響が及んでいるのだ。

 

ペット難民

開戦直後に多数の市民がウクライナから逃れたとき、飼い主の多くはペット持ち込みのための書類を携えて、徒歩や自動車、電車で西側諸国を目指した。

 

置き去りのペット

しかし、ペットを連れていくことができなかった人や、殺害されてしまった飼い主もおり、数千匹の犬・猫が家を失ってしまったのだ。

写真:Twitter @yamphoto

ペットを助ける人々

一方で、孤独と飢えに苛まれ、場合によっては怪我をしていることもあるペットたちを助けようと、立ち上がる人も少なくない。

 

シェルターのオーナーは77歳

77歳のアーシャ・セルピンスカもその1人だ。20年間にわたってアニマルシェルターを運営してきた彼女にとって、戦争勃発でこれまで以上に忙しくなるのは明らかだった。

犬700匹、猫100匹、ライオン1頭

『ワシントンポスト』紙の報道によれば、セルピンスカはこれまでに3人の同僚たちと協力して犬700匹、猫100匹に加え、ライオン1頭の命を救っているという。

写真:David Clode/Unsplash

元CEOがボランティアに

一方、「ワールドセントラルキッチン」の元CEOネイト・ムックは、ウクライナ侵攻で家を失ったペットの支援活動に積極的に取り組んでいるそうだ。

写真:ツイッター @natemook

列を作ってエサを待つ犬たち

ネイト・ムックが10月にこの写真をTwitterで公開すると、あっという間に世界中で話題となった。彼らの支援グループが設置したエサの容器の前、列を作って順番を待つウクライナの犬たちが写っているのだ。

写真:Twitter @natemook

寄付されたエサ

ムックの支援グループは路上に給餌所を設置する活動のほか、寄付によって集まった500ポンド(およそ230キログラム)あまりのエサを、最近解放されたスヴャトヒルシクにある迷い犬シェルターに運ぶのをサポートしたという、

 

命がけでペットを助けるボランティア

ムックはツイートの中で「解放された地域のペットに加え、最前線から避難してくるペットや獣医師も食料を必要としており、ニーズは大きい。ボランティアは命がけで猫や犬を救出している」とコメントしている。

 

 

ペットの救出を図る団体

『ガーディアン』紙によると、ポーランドのケンタウロス財団やウクライナ馬術連盟、リヴィウ・アニマルシェルターといった団体が日々、戦禍からペットを救い出そうと試みているという。

 

ボランティアと寄付

こういった団体はインターネットを通じたクラウドファンディングや個人的な寄付による資金調達に加え、大規模なボランティアネットワークの活動に支えられている。

 

ペットを安全な場所に

戦争勃発以来、どれほどのペットたちがウクライナを逃れたのかについては明らかにされていない。しかし、『ガーディアン』紙によれば、毎日多数のペットたちが公共交通機関や自家用車、トラックに乗せられてEU諸国に届けられているという。

 

 

即席の野生動物シェルター

こういった団体が支援の手を差し伸べるのはペットばかりではない。ボランティアの1人ナタリヤ・ポポワは、動物園や保護区の動物が餓死したり安楽死させられたりするのを目の当たりにしたことから、キーウ郊外に所有する乗馬施設を野生動物シェルターに模様替えした。

写真:Akhil Abraham/Unsplash

動物園あるいは他国に

戦争勃発以来、彼女のシェルターからルーマニアやポーランドの動物園・シェルターに移送された動物は100頭あまり。その中には、爆撃の被害にあったハルキウのエコパークで暮らしていたクマやトラ、ライオンなども含まれている。

写真:Nick Karvounis/Unsplash

リヴィウ

また、ウクライナ西部の街リヴィウは前線から離れている上、ポーランドにも近いことから、ペットを救出し、避難させる活動の中心地となっている。

 

出国を待つ動物のケア

リヴィウのアニマルシェルターに滞在する犬や猫、野生動物たちは、必要な出国手続きが整うまでの間、エサやケアを受けながらボランティアの愛情を受けて過ごしている。

 

人間らしさを失わないため

戦争の真っ只中に命がけで動物の救出に当たるというのは容易なことではない。しかし、77歳のアーシャ・スピンスカは『ワシントン・ポスト』紙に対し、「私たちにとって、動物を救うというのは人間らしさを失わないということなのです」と説明している。

 

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