北朝鮮のファーストレディ:キム総書記夫人の李雪主(リ・ソルジュ)とは
隣国、北朝鮮を率いる金正恩総書記が紙面を騒がせるのはいつものこと。謎に包まれたこの国から伝えられる、世にも奇妙なニュースの数々に世界は驚かされるばかりだ。
韓国紙『コリア・タイムズ』によれば、金正恩総書記と李雪主の結婚は家族に強いられたものだったとされる。同紙の伝えるところでは、先代の金正日が2008年に脳卒中で倒れた際、息子に李雪主との結婚を命じたのだという。無論、最高指導者の命令に異議を唱えられる者はいなかった。
また、金正恩総書記の妻になるにあたって、李雪主は改名を余儀なくされたという。韓国の諜報機関によれば、北朝鮮当局は彼女の過去を慎重に秘匿しており、本名や生年月日は謎に包まれているとのこと。
さらに、金正恩総書記との結婚以来、李雪主は家族との面会すら許されていないという。けれども、貧しい一家の出身だからというわけではなさそうだ。韓国メディアによると李雪主は裕福な名家出身で、家族との面会制限を課されるというのは異例だとされる。
コンサバティブな服装が目立つ李雪主だが、ABCニュースによれば彼女の服装をチェックしているのは夫だと伝えられている。とはいえ、彼女の着る服は有名デザイナーの手になるものであり、北朝鮮の女性たちにとっては憧れの「ファッションリーダー」なのだ。結婚当初は洋装をすることが多かったが、ジーンズを履くことは認められていないという。
また、これまでに公開されている写真から判断するに、2010年に第一子を出産して以来、髪型を変えることもままならないようだ。
李雪主が一人で人前に出ることはない。いつも夫の金正恩総書記が一緒だからだ。また、子供たちも公務に出席することは許されていない。ただし、2022年11月から総書記夫妻の娘キム・ジュエの姿が公の場でみられるようになった。専門家の間には、金総書記の娘が次期後継者としての道を歩き始めたという見方もある。
韓国メディアによれば、金正恩総書記から直々の許可が出されない限り、ファーストレディや家族の写真を撮るのはご法度だという。
また、李雪主には海外旅行すら認められていないようだ。韓国メディアの報道によれば、彼女が外国を訪問できるのは諸外国の首脳の弔問の時だけであり、もちろん夫同伴だ。
金正恩総書記との結婚以来、李雪主には厳重な身辺警護が付けられている。そして、妊娠が分かると彼女の護衛と隔絶は一段と強化され、数ヶ月にわたって人前から姿を消すこととなった。
さらに、一部の韓国メディアの報道では、結婚直後に無理やり子供を産まされたと伝えられている。2009年に結婚し2010年に出産したという説が有力だが、結婚は2010年だったとする説もある。
複数の韓国メディアが李雪主と金正恩総書記の間には娘が2人、息子が1人いると推定しているが、北朝鮮当局がこれを公式に認めたことはない。しかし、情報筋によれば男の子を産むよう周囲から絶えず圧力を掛けられていたようだ。
出自には謎が多い李雪主。けれども、韓国の諜報機関は1984年から1989年の間に北朝鮮における政界エリートの一家に誕生したとしている。
北朝鮮に詳しいコメンテーターたちのなかには、李雪主が国外公演を行ったこともある「銀河水管弦楽団」に所属する歌手だったと考える人もいる。また、韓国の諜報機関によれば金日成総合大学で学んだとされ、理学の博士号を取得したという説もある。
しかし、韓国メディアの報道によれば、金正恩総書記との結婚以来、北朝鮮当局は彼女のCDやDVDを回収して歌手としての過去を消し去ろうとしているらしい。その結果、今では金一族の厳しい監督のもと、謎に包まれた生活を送っているようだ。
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