ロシアに向かう1万3,000個のコンテナ:北朝鮮による大量の武器提供?
聯合ニュース通信は韓国の国防情報本部(DIA)が与党議員に提出した資料によって、北朝鮮が2022年半ば以降、1万3,000個あまりのコンテナを羅津(ナジン)港からロシアに送ったことが判明したと伝えた。
国防情報本部(DIA)の資料によれば、北朝鮮からロシアに出荷されたコンテナの数はすでに万単位に上る。そして、その積み荷は武器だと見られているそうだ。
また、同通信いわく、コンテナの中身がすべて152ミリメートル榴弾だったとすると、合計で600万発あまりが入っていた計算になるとのこと。
画像:X @markito0171
さらに、同通信によれば、DIAの資料には「ウクライナでの長期戦に備えるため、ロシアは北朝鮮を武器弾薬の補給基地にしようと手を尽くしている」とあるそうだ。しかし、韓国当局が北朝鮮によるロシア支援について警鐘を鳴らしたのは今回が初めてではない。
今年6月にも、韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防相がニュースサイト「ブルームバーグ」のインタビューに答える形で、ロシアが北朝鮮からコンテナおよそ1万個を受け取ったことを明かしていた。
韓国国防省の発表によれば、北朝鮮はプーチン政権からの要請に応え、これまでに砲弾およそ500万発をロシアに供与したというのだ。
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申国防相によれば、こうしたコンテナにはロシア軍がウクライナ領内で使用することを目的とした砲弾が、最大480万発分積み込まれていた可能性があるという。
同国防相はさらに、「プーチン氏は安全保障分野における一層の協力を北朝鮮に求めるものと見られます」とコメント。北朝鮮からさらに多くの砲弾を入手し、「勝利のチャンスを掴む」のが狙いだとした。
それに加え、ロシアは北朝鮮から多数の弾道ミサイルを受け取ったと見られている。実際、米国は北朝鮮製ミサイルがウクライナで使用されたことを突き止めたと発表している。
5月30日にはアメリカ国防情報局が、ロシアは北朝鮮から弾道ミサイルと砲弾の供与を受けており、これらの兵器をウクライナ軍に対して使用したと主張した。ロイター通信が伝えている。
それによれば、ロシア軍が今年1月にハルキウ州で使用したミサイルの残骸は、ロシアが北朝鮮から入手した固体燃料式の短距離弾道ミサイルのものであると確認されたというのだ。
さらに、アメリカ国防情報局は声明の中で、「調査によって、ロシア軍が北朝鮮製弾道ミサイルをすでに使用したことが確認されました。北朝鮮製ミサイルの残骸はウクライナ各地で見つかっています」と述べている。
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ただし、ウクライナ情報総局が今年2月に発表したところによれば、当時ロシア軍に引き渡されたと見られる北朝鮮製の砲弾およそ100万発のうち半分以上は不良品または命中しなかったとされる。
当時、ウクライナ情報総局のヴァディム・スキビツキー副局長は『ニューズウィーク』誌に対し、「現在、入手可能な統計データによれば、ロシアは朝鮮民主主義人民共和国からすでに150万発の弾薬を輸入したと見られます」とコメント。
スキビツキー副局長いわく:「しかし、こういった弾薬は70・80年代製です。半分は機能せず、残りの半分も使用前の修理や検査が必用です」とはいえ、北朝鮮はロシアから何らかの見返りを引き出したものと考えられている。
たとえば、ニュースサイト「ブルームバーグ」は、ロシアが北朝鮮から砲弾を受け取る代わりに、偵察衛星に関する技術を提供したと伝えている。
同サイトによれば、ロシアはさらに、戦車や戦闘機といった通常兵器の性能向上に欠かせない技術を北朝鮮にもたらし、同国の軍事力強化に貢献しているそうだ。
前出の申国防相は「ブルームバーグ」に対し、「北朝鮮はミサイルを用いた挑発に執着しており、国民の困窮を無視しています。それだけの資金があれば、北朝鮮は1年間にわたって国内の食糧不足を解決することもできたはずです」と説明。
「ブルームバーグ」いわく、金正恩政権は昨年のうちにミサイル実験だけで10億ドルも費やしており、これは北朝鮮経済の4%に相当するという。