地球上で最も富裕層が多く住む都市トップ10:日本からもランキング入り
億万長者はいったいどこに住んでいるのだろうか? この素朴な疑問への答えを提供してくれるのが、ロンドンの調査会社「Henley&Partners」が2023年に出したレポートだ。この調査は国際的な人間の移動などを研究している団体「New World Health」と共同で行われている。
『ヴァニティ・フェア』誌が紹介している同社のレポートは2022年のさまざまな統計を基にしており、経営者など裕福な層の移動や消費傾向などを示している。その内容をチェックしてみよう。
トップ10のランキングの中にはアメリカの都市が5つ(ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ヒューストン)もランクインしており、上位20位以内にダラスも入っている。人口比という観点から言うと、かなり偏った結果ということになるだろう。
ただ、アジア勢も負けてはいない。トップ10のうち4都市(東京、シンガポール、北京、上海)はアジアにあり、上位20位には香港とソウルも入っている。
@ Zhang Kaiyv / Unsplash
ニューヨークには34万5,600人のミリオネア(資産100万ドル以上)と737人のセンティミリオネア(総資産1億ドル以上)、59人のビリオネア(資産10億ドル以上)が住んでおり、世界で最も裕福な都市となった。アメリカの経済的中心地だけのことはある。
東京には30万4,900人のミリオネアと263人のセンティミリオネア、12人のビリオネアが住んでおり、世界で2番目に豊かな都市となった。ミリオネアが多いことが特徴で、アメリカと比較すると経済格差が小さいことが示唆されている。
@ Jezael Melgoza / Unsplash
シリコンバレーの中心地としてアメリカ経済を牽引するサンフランシスコは3位にランクイン。27万6,400人のミリオネアと623人のセンティミリオネア、62人のビリオネアが住んでおり、その多くがテック業界の人物だ。
@ Joshua Sortino / Unsplash
ヨーロッパから唯一のトップ10入りがロンドンだ。ミリオネア27万2,400人、センティミリオネア406人、ビリオネア38人が住んでいる。とはいえ、最近は中心部からの富裕層の流出が問題になっている。
5位は自由経済の牙城、シンガポールだ。ミリオネア24万9,800人、センティミリオネア336人、ビリオネア26人が住んでいる。
@ Swapnil Bapat / Unsplash
6位はまたしてもアメリカの都市、ロサンゼルスだ。センティミリオネア393人とビリオネア34人を含めたミリオネア人口は19万2,400人と、ハリウッドの活況もうなずける結果となった。
@ Olenka Kotyk / Unsplash
7位もアメリカの都市で、シカゴがランクイン。多くの大企業が本拠地を置くアメリカ北部の財界の中心地ということもあって、ミリオネア16万100人、センティミリオネア340人、ビリオネア28人を擁している。
@ Pedro Lastra / Unsplash
8位はテキサス州のヒューストン。ミリオネア13万2,600人、センティミリオネア314人、ビリオネア25人が住んでいる。実は、ヒューストンは世界的にみてもここ20年で最も豊かになった都市なのだ。
@ Alisa Matthews / Unsplash
9位と10位は中国がランクインした。まずは首都の北京で、ミリオネア13万1,500人、センティミリオネア363人、ビリオネア44人が住んでいる。ビリオネアの数だけで言えば、ニューヨークとサンフランシスコに次いで世界3位だ。
次いで10位となったのが上海。中国経済の中心地としてミリオネア13万100人、センティミリオネア350人、ビリオネア42人を擁している。
@ Freeman Zhou / Unsplash
トップ10にこそ入らなかったものの、ヨーロッパの大陸側の諸都市も20位以内にはいくつか存在する。ドイツの金融都市フランクフルト(13位)やスイスのチューリッヒ(15位)とジュネーブ(19位)、フランスのパリ(20位)が20位以内に名を連ねている。
さらに30位以内にまで目を向けると、これからの成長が見込まれる都市が見えてくる。たとえば、ペルシャ湾の要衝ドバイ(23位)やインド経済の中心ボンベイ(25位)、中国における金融やテック企業のハブとなっている深圳(30位)などだ。
@ ZQ Lee / Unsplash
化石燃料依存からの脱却が叫ばれる昨今だが、この統計を見ると原油を産出する都市が急成長しているようだ。たとえばサウジアラビアのリャドやアンゴラのルアンダ、ナイジェリアのラゴスなどだ。
@ ekrem osmanoglu / Unsplash