中国製の”ゴルフカート”で攻撃、あえなく撃退されたロシア軍

ロシア軍が投入した中国製の装備が撃退される
中国製の「デザートクロス 1000-3」
第60独立機械化旅団が阻止
「逃げ切れなかったものはスクラップに」
”ゴルフカート”という異称
サイズも値段も小型車と同じくらい
戦闘向きではない?
「デザートクロス」では不可能
人的被害を度外視するロシア軍
動画に移っていたものとは
ドローンで反撃するウクライナ軍
絶望的な作戦
「記録にある限り、最初のケース」
「デザートクロス」についてわかっていること
2023年11月から目撃例あり
本来は戦闘用ではない
ロシア軍が投入した中国製の装備が撃退される

ウクライナ東部ドネツク州の要衝の街、リマン近郊にあるウクライナ軍陣地を攻撃するため、ロシア軍は中国製の”ゴルフカート”を投入した。しかし、ウクライナ軍の部隊はこれを撃退し、その様子を映像で公開した。

中国製の「デザートクロス 1000-3」

ウクライナ陸軍の第60独立機械化旅団が今年3月に公開した動画によれば、ロシア軍は中国製の全地形対応車「デザートクロス 1000-3」を使用して部隊の輸送を試みたものの、手痛い失敗に終わったようだ。

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画像:Telegram OMIBr_60

第60独立機械化旅団が阻止

動画に付された解説によれば、ロシア軍は戦車や歩兵戦闘車両に加え「デザートクロス 1000-3」を投入し、ウクライナ軍陣地に対する手強い攻撃を行ったのだ。しかし……

画像:Telegram OMIBr_60

「逃げ切れなかったものはスクラップに」

『ニューズウィーク』誌は同旅団のコメントとして、「逃げ切れなかったものはすべて、スクラップとなってウクライナの大地に横たわっています。侵略者どもは我々が追い払います。そうすれば、大地がきれいになって、ふたたび花が咲くようになるでしょう」という言葉を伝えている。

写真:Telegram OMIBr_60

”ゴルフカート”という異称

ウェブサイト「Defense News」によれば、「デザートクロス 1000-3」は報道の中でしばしば”ゴルフカート”と形容されているが、実際には全地形対応車だという。とはいえ、見た目は確かにゴルフカートのようだ。

画像:Telegram @bmpd_cast

サイズも値段も小型車と同じくらい

「デザートクロス 1000-3」は小型乗用車と同じくらいのサイズのオープンカーで、後部に荷台を取り付けられるようになっている。また、価格はおよそ1万7,200ドルと手頃で、ロシアでは以前からよく利用されてきた。

画像:Twitter @naalsio26

戦闘向きではない?

『フォーブス』誌のデイヴィッド・アックス記者いわく:「中国製の『デザートクロス』は85馬力の全地形対応車です。つまり、建設現場や農場で見かけるタイプの車両です。装甲も武器もありませんから、戦闘向きではありません」

画像:Telegram @topwar_official
「デザートクロス」では不可能

同記者はまた、ロシア軍のT-90戦車やMT-LB装甲車両ですら、キルゾーンを白昼突破してウクライナ軍の陣地に攻撃を仕掛けるのは困難だったのに、「デザートクロス」では到底、不可能な話だとしている。

画像:Telegram @milinfolive

人的被害を度外視するロシア軍

アックス記者はさらに、「しかし、部隊を前線まで運ぶ手段が他に見つからず、自軍の人的被害を気にしないのであれば、(「デザートクロス」に)賭けることはあり得ます」と述べているが、ロシア軍は実際にこれをやってのけたわけだ。

画像:Telegram @bmpd_cast

動画に移っていたものとは

動画にはまず、森林限界に沿って素早く移動するロシア軍の車列が映し出され、ウクライナ軍がこれを砲撃。ウクライナ軍の陣地に迫るロシア軍の車両がさまざまな視点からクローズアップされる構成となっている。

画像:Telegram OMIBr_60

ドローンで反撃するウクライナ軍

動画からは、ロシア軍戦車があっけなく被弾する様子や、ウクライナ軍のドローンがあちこちで敵の車両に攻撃を仕掛け、混乱を巻き起こす様子が見て取れる。そして動画の後半に、ウクライナ軍陣地を目指して前進しようとする「デザートクロス」が登場する。

画像:Telegram OMIBr_60

絶望的な作戦

4台の「デザートクロス」は森林限界に沿って一列に進んでいたが、あえなくクラスター爆弾らしきものを浴びせられてしまう。前出のアックス記者はこの種の兵器が今回の戦闘に用いられたと指摘していた。

画像:Telegram OMIBr_60

「記録にある限り、最初のケース」

同記者によれば「煙が晴れると、多数のロシア兵の遺体に取り囲まれるようにT-90と『デザートクロス』数台が打ち捨てられていました」とのこと。また、『ニューズウィーク』誌はこの件について、「記録にある限り、『デザートクロス』が攻撃に用いられた最初のケース」とした。

画像:Telegram OMIBr_60

「デザートクロス」についてわかっていること

ウクライナの軍事専門サイト「Militarnyi」によれば、ロシア軍は中国企業「山東オーデス工業」から「デザートクロス 1000-3」をおよそ1,600台購入し、すでに530台ほどを配備しているとされる。

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2023年11月から目撃例あり

同サイトはさらに、「ロシア軍は以前から中国製の民間用全地形対応車「デザートクロス」を前線で利用しています」と報道。一方、ウクライナの軍事関連サイト「Defense Express」によれば、「デザートクロス」が戦場で初めて目撃されたのは2023年11月であり、負傷者を運ぶために用いられていたという。

画像:Telegram @topwar_official

本来は戦闘用ではない

「Defense Express」が掲載した別の記事によれば、「全地形対応車『デザートクロス 1000-3』は警備や偵察、奇襲、捜索・救助活動、悪路での物資輸送といった用途を前提に設計されたものです」とのこと。

画像:Telegram @bmpd_cast

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