世界最高齢の糸岡富子さん、昨年末に116歳で亡くなる

国内最高齢の糸岡さんが逝去

昨年末、兵庫県芦屋市在住の糸岡富子（いとおかとみこ）さんが、老衰のため同市の特別養護老人ホームで亡くなった（旧姓：矢野）。糸岡さんは明治41年（1908年）生まれの116歳で、国内最高齢のみならず世界における最高齢だった。

写真：Osaka Jogakuin University, Public domain, via Wikimedia Commons

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厚生労働省の発表

糸岡富子さんが亡くなったのは、令和6年12月29日、午後9時3分のことだった。すでに年末年始の休暇期間にかかっていたためだろう、厚生労働省は仕事始めの1月4日になってから「国内最高齢者ご逝去について」という報道プレスリリースをHPに公開している。

写真：厚生労働省HP

市長からの追悼文

この訃報を受けて、芦屋市の高島崚輔市長は同市HPでメッセージを公開し、「糸岡さんは、その長い人生を通じて私たちに大きな勇気と希望を与えてくださいました」としている。ちなみにこの市長はおととしの選挙で誕生した史上最年少の市長であり（1997年2月4日生まれ）、1908年生まれの糸岡さんとは90歳ほど年の差がある。

「ジェントロジー・リサーチ・グループ」の認定

糸岡富子さんは昨年8月、国際研究団体「ジェントロジー・リサーチ・グループ（GRG）」によって、世界最高齢の人物として認定された。

写真：@GerontologyGrgがXに投稿している画像

女学生時代はバレーボール部に所属

朝日新聞デジタルなどによると、糸岡さんは1908年、大阪で3人姉弟の長女として生まれたという。ギネス世界記録HPによれば、小学校を卒業後に女子校に進学、同校のバレーボール部に所属していた。20歳で結婚し、2人の娘、2人の息子が誕生した。のちに「多くの孫とひ孫」にも恵まれたという。NHKによると、30年余り前から芦屋市に住むようになったという。

写真：Youtubeチャンネル「LongeviQuest」の動画（LongeviQuestはGRGとは別団体）

趣味は登山・ウォーキング

また、ギネス世界記録HPによれば、糸岡さんの趣味は登山だそう。奈良と大阪の境に座する二上山によく登ったほか、御嶽山（長野と岐阜にまたがる3,000mの高峰）には2度登頂した。さらに、80代で西国三十三所観音巡礼を完歩、「100歳になっても、芦屋神社の石段を杖なしで登ることができた」という。

カルピスとバナナが好物

糸岡さんが好んだものは、カルピスとバナナであったとさまざまなメディアが伝えている。

同い年の有名人

さて、糸岡さんが誕生した明治41年、1908年はどんな年だったのだろうか。朝日新聞デジタルによれば、日本画家の東山魁夷、クラシック指揮者の朝比奈隆がその年に生まれているという。俳優のジェームズ・スチュアートは糸岡さんより3日前に生まれている。

写真：Studio publicity photo of James Stewart, Public domain, via Wikimedia Commons

T型フォード販売開始

英紙『ガーディアン』は、第一次世界大戦の勃発を糸岡さん誕生から6年後の出来事と位置付け、T型フォードは糸岡さん誕生と同じ年に発売されたと紹介している。

写真：User Rmhermen on en.wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons

日本史上の重大な出来事