オーストラリアで世界で初めて16歳未満のSNS禁止法案が可決される
オーストラリア議会が11月28日、16歳未満がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用することを禁止する法案が可決された。
この法律は、SNS運営会社に16歳未満の子どもが利用できないような措置を講じることを義務づけるもので、子どもや保護者への罰則はないということだ。
法律に違反した場合、最大で4,950万オーストラリアドル、日本円でおよそ49億円の罰金が科されるそうだ。
SNS運営会社には、生体認証や公的な身分証明書を含む年齢確認が義務付けられた。なお、若年層のSNS利用が国家レベルで禁止されるのは世界初である。
TikTokやX、Snapchatはもちろんのこと、InstagramやFacebookも今回の法律の対象となっている。
一方で今回の規制の対象外となっているサービスも存在している。メッセージアプリやオンラインゲーム、YouTubeに加え、Google Classroomなどの学習ツールやメンタルヘルスケアアプリには引き続きアクセスが可能である。
ミシェル・ローランド豪通信相は英CNNが報じた声明の中で、「この法律は若者を保護するためのもので、政府は保護者をサポートしようと考えています」と述べた。
アンソニー・アルバニージー豪首相の発言を「画期的な法案です。子どもたちは法律の抜け穴を見つけようとするでしょうが、SNS運営企業の今後の対策に期待しています」と英ロイター通信は伝えている。
ローランド豪通信相は11月21日の議会演説で、今回の法案の正当性を主張した。
同大臣によると、オーストラリアでは14~17歳のおよそ3分の2が、薬物乱用などの有害なコンテンツをSNSで見たことがあるという。
米AP通信によるとXを所有するイーロン・マスクは、「すべてのオーストラリア国民のインターネット接続を統制する」ことになりかねないと、今回の規制強化を批判した。
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写真:Elon Musk's X account