世界で最も平和に暮らせる国はどこ?:平和度指数調査の結果に日本もランク入り
ロシアによるウクライナへの侵攻開始から2年余り。戦争のない国について思いを巡らせる方も多いのではないだろうか。だが、今後大規模な国際紛争が起きた場合、世界で最も安全な国はどこなのだろう?「2021年世界平和度指数(GPI)」調査の結果から、地政学的・戦略的に世界でもっとも安全な国をみていこう。
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2021年世界平和度指数によれば、世界大戦が起きても平和に暮らせる可能性がもっとも高い国はアイスランドだ。その理由はヨーロッパの最北部、北大西洋の中央に位置する地理的条件と伝統的な平和主義にある。NATO加盟国だが軍隊は有しておらず、あるのは沿岸警備隊と警察だけだ。
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2021年世界平和度指数によれば、ニュージーランドもまた、世界大戦が勃発しても比較的安全に過ごせる国とされている。ロシアやアメリカなど戦争の引き金となるような国から地理的に離れていることから、世界で2番目に平和な国と言われている。
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デンマークは世界で3番目に安全な国とされるが、ヨーロッパを舞台にした戦争の可能性を考えればこのデータには疑問の余地があるだろう。しかも、デンマークはNATO加盟国でもある。ただ、デンマーク領のグリーンランドは世界を揺るがす戦争から逃れるには、ぴったりの避難場所になるだろう。
ポルトガルは歴史的に世界を巻き込む戦争への関与を避けてきた国である。大西洋を望むヨーロッパ最南端のNATO加盟国であり、穏やかな国民性で知られるポルトガルは、戦争の混沌を避けるには最適の場所だろう。たとえば、ポルト(写真)は避難先としてぴったりだ。
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ユーゴスラビアが崩壊し、第一次バルカン戦争を経験したスロベニアも平和な国の1つとしてランクインしている。ウクライナ戦争ではスロベニアのヤネス・ヤンシャ首相がポーランド、チェコの首相とともに戦火のキーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談し支援を申し出た。戦火の心配をすることなく、写真のブレッド湖を始めとする各地の名所を訪れたいものだ。
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ナチスドイツに併合された歴史を持つオーストリアは、その独立を堅持するため永世中立を選択した。1955年、オーストリアはソ連、アメリカ、イギリス、フランス間で、「永世中立」を宣言する条約を締結。EUに加盟しているが、NATOには参加していない。なお、ロシアとの緊張を解くため、オーストリアの中立モデルがウクライナに提案されることもあった。
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あらゆる戦争に対して中立であることは、スイスという国の大きな特徴だ。永世中立という立場は今後も変わらないだろう。
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アイルランドはNATO加盟国ではないが、たとえ紛争が起きてもそこにある平穏な風景は変わらない。
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2021年世界平和度指数が作成された時点で、ウクライナ戦争はまだ勃発していなかった。NATO加盟国としてウクライナ戦争に介入したことは、安全で平穏なチェコのステータスを格下げする結果となった。どちらにせよ、プラハの小径(写真)に足を踏み入れれば、いつだって安堵感に包まれることだろう。
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カナダは世界各国の難民受け入れ国としての役割を果たし、常に平和を育んできた。それが世界でもっとも安全な国としてランクインしている理由だ。
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2021年世界平和度指数のランキングにおいて、アジアで最も安全性が高いのはシンガポールである。
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武力紛争に関し、日本はアジアで2番目に安全な国である。第二次世界大戦以来、常に平和を追求し、国境を越えたいかなる戦争にも参加していない。
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美しい景観を誇り、伝統的に軍事中立路線をとる北欧の国フィンランドだが、ウクライナ戦争が始まり状況が一変。プーチン大統領はフィンランドがNATO加盟を検討する場合、「相応の対応を行う」と脅しに出たのだ。現在も戦争時の避難先として適切かと言われれば、おそらくその安全神話は崩れたといわざるを得ない。
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フィンランドに続き、ノルウェーも2021年世界平和度指数の上位にランクインしている。伝統的に平和が保たれている国だが、世界的な緊迫状態にあるため(ノルウェーは地理的にもウクライナ戦争を身近に感じている)、その状況も変わってきているのかもしれない。
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プーチン大統領はウクライナ戦争に介入しないようスウェーデンに警告しており、今やその安全性は疑わしいものになってしまった。しかし、スウェーデンが中立を貫きいかなる紛争とも距離を置くのであれば、有事が起きた際の避難先のひとつになるだろう。
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広大な国土を持つオーストラリアは、難民の収容能力が高く、戦争の引き金となる大国から地理的に隔絶されている。しかしグローバル化された世界においては、どんな紛争も何らかの形で影響を与えることになる。
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