地球上で最も危険な国々(2022年版)

最も危険な国は? 
2位:イエメン
イエメンにおける戦争と暴力
イエメンの抱える諸問題
3位:シリア
シリアはどこも安全ではない...…
あらゆるものが破壊されている
4位:ロシア
死者数の増加
ロシアの戦争はよそでも暴力を引き起こしている
5位:南スーダン
改善を見せる南スーダン
6位:コンゴ民主共和国
事態は1994年にさかのぼる
7位:イラク
イラクの改善
死亡者数の減少
ビジョン・オブ・ヒューマニティのコメント
8位:ソマリア
9位:中央アフリカ共和国
10位:スーダン
ウクライナは11位
希望はあるのか?
最も危険な国は? 

第1位となったのはアフガニスタン。「世界で最も危険な国」の座を5年連続で保持している(経済平和研究所が発表する世界平和度指数のランキング)。ただし、それよりも驚くべきは、ある国がこのリストに含まれていないことかもしれない。

2位:イエメン

アフガニスタンに僅差で2位となったのは、イエメン。住民間の内戦や、近隣諸国との紛争がなおも続いているのだ。

イエメンにおける戦争と暴力

サウジアラビアの支援を受けるイエメン政府は、イランが支援するフーシ派武装組織との8年にわたる紛争に巻き込まれた。結果、国土は荒れ果て、最悪の人道的悲劇が招かれた。

イエメンの抱える諸問題

はびこる飢餓、病、そして民間人への攻撃——イエメンの生活はそれらを中心にまわっている。アメリカの大手シンクタンク、外交問題評議会によれば、「400万人以上の人々」が住まいを追われ、「コレラの大発生、医薬品の不足、飢饉の脅威」が引き起こされている。

3位:シリア

世界平和度指数でシリアがワースト第3位を占めていると知っても、きっと驚くにはあたらないだろう。2011年以来、泥沼の武力衝突が自国内で繰り広げられているシリアは、まさに危険な国というほかない。

シリアはどこも安全ではない...…

「シリアのどの地域も暴力の脅威にさらされている」と、米国務省は警告を出した。「武装集団による誘拐、不当な逮捕や拘留、化学兵器の使用、砲撃や民間施設への空爆により、命を落とすかあるいは重傷を負うなどの由々しきリスクがある」

あらゆるものが破壊されている

「インフラの破壊、住宅、医療施設、学校、電力・水道施設の破壊が、国内の困難な状況をさらに悪化させている」と、国務省は付け加える。

4位:ロシア

お次はロシア、4位。ウラジーミル・プーチンのウクライナ侵攻以来、ロシアは平和度指数において順位をいくつか落とし、163ヶ国中160位になった。が、そのことはとりたてて驚くにはあたらない。

 

死者数の増加

世界平和度指数の調査チームは次のように指摘している:「ロシアとウクライナの紛争により、戦闘による死亡者数が大幅に増加したほか、難民と国内避難民の数、政治的不安定さや人権尊重のレベル(政治テロの程度)といった指標が急激な悪化を示した」

ロシアの戦争はよそでも暴力を引き起こしている

「ウクライナで勃発した戦争は、ロシア・ユーラシア地域の外部にも直ちに影響を投げかけた。とりわけ近隣国との関係という指標において、急激な悪化が記録された」と、世界平和度指数の調査チームは付け加えている。

5位:南スーダン

このリストで南スーダンは5位にランクされており、アフリカ大陸における最も平和ではない国と呼ばれている。国内の紛争に関連する死亡者数が、引き続いて高い水準にあることがその理由だ。

改善を見せる南スーダン

興味深いことに、世界平和度指数の報告によると南スーダンの殺人事件発生率は「2011年の建国以来最低レベル」にある。このことは同国が平和への道を歩み始めたことを示唆している。

6位:コンゴ民主共和国

同じくアフリカ大陸の国が、南スーダンに続き、ランキングで6位になっている。コンゴ民主共和国は、かつて「対外戦による死者数」の指標が大幅に悪化したことがあるのだ。

事態は1994年にさかのぼる

コンゴ民主共和国の不安定な状況は1994年にさかのぼる。その年、ルワンダにおけるジェノサイドの余波をうけ、コンゴ民主共和国の東部においてフツ族の武装集団が形成されたのだ。その結果、紛争がひき起こされ、同国政府は今日に至るまで対処に苦慮している。

7位:イラク

7位を占めるのはイラク。サダム・フセインの政権崩壊から、いまだ完全には立ち直っていない。地元の少数民族たちはどうやら、宗教や文化上の差異をめぐって絶え間のない対立状態にあるようで、そのことが国全体の統治に深刻な影響を与えている。

イラクの改善

幸いなことに、イラクには改善の兆しが確かに見られる。今年、同国はその順位を上げ、ビジョン・オブ・ヒューマニティ(Vision of Humanity) が述べるところによると、「イラクは2021年の世界平和度指数で2番目に大きな平和度の増加を記録し、そのスコアは4.3%改善した」

死亡者数の減少

イラクの平和度向上は、国民から見てもここ4年間できわめて顕著になっている。軍備の縮小と、内戦による死亡者数の大幅な減少がその主な理由だ。

ビジョン・オブ・ヒューマニティのコメント

「イラクにおける紛争関連の死亡者数は、15,000人を上回った2014年をピークに減少に転じ、2019年には1,000 人未満になった。テロによる死亡者も同様の道筋をたどっている」と、ビジョン・オブ・ヒューマニティは同国の状況を評価する。

8位:ソマリア

ソマリアは第8位を占めている。世界平和度指数の報告によると、2022年には同国の人口の20%以上の人々が強制退去を経験した。

9位:中央アフリカ共和国

中央アフリカ共和国は9位。ソマリアとともにリストの末尾に連なる。ソマリアとおなじく、人口の20%が強制退去を受けた。

10位:スーダン

そして最後に、スーダンが10位。世界で最も危険な10ヶ国のリストにウクライナが食い込むと予想した多くの人々を驚かせる結果となった。

ウクライナは11位

ウクライナは11位に入った。ロシアの侵攻によって大きな打撃を受けたウクライナは、ランキングで17順位を落とし、163ヶ国中153位に。

希望はあるのか?

今年は世界平和にとって複雑な年だった。中東の『ナショナル・ニュース』紙のケリー・クラークは書いている:2021年に比べ、世界の平和は全般的な悪化を示している。にもかかわらず、今年90ヶ国が平和度の改善を記録し、悪化したのは71ヶ国だった」。だとすれば、世界で最も危険な国々にもおそらく前途には希望が残っているのだ。

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